残留農薬・動物用医薬品

農薬や動物用医薬品は食品の生産に必要不可欠な物質です。食品に残留した農薬や動薬は、その毒性から、健康を損なう恐れがないよう、残留基準値が定められています。
当社では約1,400品目の残留農薬・動薬分析用標準品と、一斉試験法に活用いただける約50品目の混合標準液を取り揃えています。

農薬・動物用医薬品混合標準液検索
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学術コンテンツ

■世界の残留農薬基準
世界の残留農薬基準はCodex MRL(Maximum Residue Limit)によって定められています。 Codex MRLは、世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)の合同国際食品規格委員会(Codex委員会)が作成し、各国に勧告する農薬の国際残留基準値で、農薬について適用する個々の作物、または類似の作物ごとに設定されています。
また、世界貿易機関(WTO)加盟国は、衛生植物検疫措置の適用に関する協定(Sanitary and Phytosanitary :SPS協定)において、国家間における規制の違いが貿易における非関税障壁とならないよう、食品の安全規制を国際規制と整合させるよう要求されており、多くの国が概ねCodexMRLの基準値を受け入れています。

■日本の残留農薬基準
①ポジティブリスト制度※1
平成15年に食品衛生法で制定された「食品中に残存する農薬、飼料添加物及び動物用医薬品について、一定の量を超えて農薬等が残留する食品の販売等を原則禁止する制度」をポジティブリスト制度といいます。
当社ではポジティブリスト制度に対応した約1,400品目の標準品と、一斉試験法に活用いただける混合標準液(PLシリーズ)を取り揃えています。

②水道法における残留農薬分類※2
水道水は、水質基準に適合するものでなければならず、水道法により水道事業体等に検査の義務が課されています。
水質基準以外にも、水質管理上留意すべき項目として水質管理目標設定項目が定められており、農薬類はこの項目に位置づけられています。水道水中の農薬類は検出される可能性の高い農薬がリストアップされ、総農薬方式という評価方法により管理されています。そのなかで、農薬類は水道水から検出される可能性の大きさから以下のように分類されています。

平成25年3月28日の通知により水道法において、農薬類の分類見直しが行われ、120種の農薬が対象農薬リスト掲載農薬類として分類されました。また、従来固相抽出による前処理後にGC/MSやLC/MSにより測定を行っていた農薬や、標準検査法が設定されていなかった農薬を対象に、LC/MS/MSによる一斉試験法が検討され、平成30年3月28日改訂の別添方法20の2へ195種の農薬が測定対象農薬として掲載されています。
当社では、別添方法20の2における測定対象農薬類の標準品と各種混合標準液を取り揃えています。

※1 厚生労働省 「食品中の残留農薬等」
※2 富士フイルム和光純薬:「ANALYTICAL CIRCLE No.70」(2013).

より採取しやすくなりました!広口アンプル容器について

当社の標準液は広口のアンプルを採用しております。従来のアンプルは口が狭いため、ホールピペットの先端が底まで届かないという問題がありましたが、広口のアンプルを採用したことで、先端が底まで届き、ホールピペットでの薬液吸い上げが容易になりました。

左:広口アンプル  右:従来のアンプル

従来のアンプルは1mLのホールピペットの先端が底まで届きませんでしたが、広口のアンプルは1mLのホールピペットはもちろんのこと、10mLのホールピペットも底まで届きます。

従来のアンプル容器
(1mLのホールピペットを挿入)
広口のアンプル容器
(1mLのホールピペットを挿入)
広口のアンプル容器
10mLのホールピペットを挿入)