マラチオン等有機りん系農薬の分析に

有機りん農薬混合標準液 FAシリーズ

有機りん系農薬は主に殺虫剤として広く使用されています。有機りん系農薬は、コリンエステラーゼの作用を阻害し、神経伝達物質であるアセチルコリンを分解しにくくすることで、神経伝達障害を引き起こします。近年では、中国産冷凍餃子中のメタミドホスによる食中毒事件(平成20年)や、冷凍食品へのマラチオン混入事件(平成25年)など、加工食品などから有機りん系農薬が検出される事例が多数発生し、その毒性が問題視されています。
有機りん系農薬の一斉試験法として、厚生労働省が定めた「有機系農薬試験法」があります※1
当社のFAシリーズをご使用いただくことで、特定毒物※2を除く上記試験法に記載されている54項目(56成分)の一斉分析が検討できます。

※1:厚生労働省「食品中に残留する有機リン系農薬に係る試験法について」
※2:通達の成分に含まれる成分で、特定毒物の「パラチオン」および「パラチオンメチル」および「ホスファミドン」は、本製品群には含まれていません。

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FA-1

GC Chromatogram

Analysis conditions

[ Instrument ]
Shimadzu GC-2014

[GC]
Column:DB-1701 0.25 μm, 0.25 mm × 30 m
Column temperature: 60 ℃ (2 min)→25 ℃/min→150 ℃→5 ℃/min→270 ℃ (20 min)
Injection temperature: 250 ℃
Carrier gas: He 1.0 mL/min
Split ratio: 1/10
Detector temperature: 270 ℃

※分析条件・チャート及び検出イオンは参考データであり、農薬混合標準液を保証するデータではありません。

FA-2

GC Chromatogram

※ 有機りん系の農薬は注入口やカラムで吸着、分解される場合があります。
  例えば、スプリットレス注入により分析した場合、ホルモチオンが一部ジメトエートに分解することがあります。

Analysis conditions

[ Instrument ]
Shimadzu GC-2014

[GC]
Column:DB-1701 0.25 μm, 0.25 mm × 30 m
Column temperature: 60 ℃ (2 min)→25 ℃/min→150 ℃→5 ℃/min→270 ℃ (20 min)
Injection temperature: 250 ℃
Carrier gas: He 1.0 mL/min
Split ratio: 1/10
Detector temperature: 270 ℃

※分析条件・チャート及び検出イオンは参考データであり、農薬混合標準液を保証するデータではありません。

FA-3

GC Chromatogram

Analysis conditions

[ Instrument ]
Shimadzu GC-2014

[GC]
Column:DB-1701 0.25 μm, 0.25 mm × 30 m
Column temperature: 60 ℃ (2 min)→25 ℃/min→150 ℃→5 ℃/min→270 ℃ (25 min)
Injection temperature: 250 ℃
Carrier gas: He 1.0 mL/min
Split ratio: 1/10
Detector temperature: 270 ℃

※分析条件・チャート及び検出イオンは参考データであり、農薬混合標準液を保証するデータではありません。

有機りん農薬混合標準液

GC Chromatogram

Peak No. 成分名 Peak No. 成分名
1 Methyl Demeton 3 Parathion
2 Methylparathion 4 EPN

Analysis conditions

[ Instrument ]
Shimadzu GC-2014

[GC]
Column:BP1 (SGE) 1.0 μm, 0.53 mm × 25 m
Column temperature: 100 ℃ (1 min)→20 ℃/min→260 ℃ (11 min)
Injection temperature:150 ℃
Carrier gas: He 6.0 mL/min
Split ratio: 1/5
Detector temperature:280 ℃

※分析条件・チャート及び検出イオンは参考データであり、農薬混合標準液を保証するデータではありません。

データ

Wakopak® を用いたLC/MS/MSによる分析例

FAシリーズのWakopak® を用いたLC/MS/MS分析において、54項目(56成分)中、50項目(52成分)の成分を確認いたしました。

  • HPLC Conditions
    Columun: Wakopak Wakosil-Ⅱ 3C18 HG
    2.0×150 mm(W)、C/N20029(9873)
    Eluent: A)0.005 %酢酸および5mM酢酸アンモニウム in H2O
    B)CH3CN
    Gradient: 0-6 min. B=5-40 %
    6-22 min. B=40-90 %
    22-27 min. B=90 %
    27-37 min. B=5 %
    Frow rate: 0.2 mL/min at 40 ℃
    Injevtion vol: 3 μL、0.1 ppm
  • MS/MS Conditions
    IonSpray Voltage(V) 4500
    Temperature(℃) 350
    Curtain GAS 20
    Collision GAS 5
    Ion Source Gas1 70
    Ion Source Gas2 60
  • クロマトグラムは、感度の近いものでグループ分けしたものを示しています。
  • 表示のクロマトグラムは、一覧表のプロダクトイオンの"Product1"によるものです。
  • これらのデータは分析例であり、製品の品質保証のためのものではありません。

 

No. Product Name RT Precursor Product1 Product2
1 Dimethoate 8.6 230.0 125.0 199.0 FA-2
2 Fosthiazate 12.1 284.0 104.0 228.0 FA-1
3 Pyridaphenthion 15.8 341.0 189.0 205.0 FA-1
4 lprobenfos 16.7 289.1 91.1 205.1 FA-1
5 Propaphos 17.2 305.0 221.0 141.0 FA-1
6 Edifenphos 17.6 311.0 109.1 111.1 FA-1
7 Etrimfos 18.8 293.1 125.0 265.0 FA-2
8 Cadusafos 19.0 271.0 159.0 131.0 FA-1
9 Diazinon 19.2 305.0 169.0 153.0 FA-1
10 Pirimiphos-methyl 20.2 306.1 108.0 164.1 FA-1
11 Fensulfothion 12.8 309.1 281.1 157.0 FA-2
12 Dimethylvinphos 15.3(Z)、16.0(E) 331.0 127.0 170.0 FA-1
13 Etoprophos 15.9 243.1 131.0 97.0 FA-2
14 Malathion 16.6 331.0 99.0 285.0 FA-1
15 Chlorfenvinphos 17.7(α)、18.4(β) 359.0 155.0 99.0 FA-1
16 Methamidophos 3.2 142.0 94.0 125.0 FA-1
17 Acephate 4.5 184.0 143.1 95.0 FA-1
18 Omethoate 5.1 214.0 182.9 124.9 FA-3
19 Vamidothion 7.7 288.0 146.0 118.0 FA-3
20 Methidathion 14.6 303.0 145.0 85.0 FA-2
21 Phosmet 15.0 318.0 160.0 133.0 FA-2
22 Quinalphos 18.1 299.1 97.1 243.1 FA-1
23 Pyraclofos 18.5 361.1 257.1 138.1 FA-2
24 Phenthoate 18.7 321.0 163.0 79.0 FA-2
25 Phosalone 19.7 368.0 182.0 111.0 FA-1
26 Butamifos 20.1 333.1 96.0 180.1 FA-2
27 Profenofos 20.3 373.0 303.0 345.0 FA-1
28 lsofenphos 20.3 346.1 245.0 217.0 FA-2
29 Ethion 22.4 385.1 199.1 171.1 FA-1
30 Monocrotophos 6.6 224.0 98.0 127.0 FA-3
31 Dichlorvos 10.7 221.0 109.0 127.0 FA-1
32 Azinphos-methyl 14.6 318.0 132.0 124.9 FA-3
33 Fenamiphos 15.2 304.0 217.0 202.0 FA-3
34 Azinphos-ethyl 17.2 346.0 160.1 132.1 FA-3
35 Phorate 19.7 261.0 75.0 199.0 FA-2
36 lsoxathion 19.9 314.0 105.0 170.0 FA-3
37 Terbufos 21.9 289.0 103.0 57.0 FA-2
38 Chlorpyrifos 22.3 350.0 198.0 97.0 FA-2
39 Sulprofos 22.7 323.0 219.0 139.0 FA-2
40 Formothion 11.4 258.0 199.0 125.0 FA-2
41 Salithion 14.7 217.0 107.0 123.1 FA-1
42 Cyanophos 15.9 244.0 125.0 134.0 FA-1
43 Fenthion 18.6 279.0 169.0 105.0 FA-2
44 Coumaphos 19.1 363.0 307.0 226.9 FA-3
45 Cyanofenphos 19.2 304.0 157.0 276.0 FA-1
46 Tolclofos-methyl 19.7 301.0 125.0 175.0 FA-2
47 Disulfoton 20.0 275.1 89.0 - FA-3
48 EPN 20.2 324.0 157.0 296.0 FA-2
49 Bromophos-ethyl 24.3 394.8 366.9 338.9 FA-3
50 Prothiofos 24.8 345.0 241.0 133.0 FA-2

検出されなかった成分: Chlorpyriphos-methyl (FA-1) 、Dichlofenthion (FA-2) 、Thiometon (FA-2) 、Fenitrothion (FA-2)

 

製品一覧

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混合標準液

※1 通達の成分に含まれる成分で、特定毒物の「パラチオン」及び「パラチオンメチル」および「ホスファミドン」は、本製品群には含まれておりません。
※2 FA-1において「ジメチルビンホス」及び「クロルフェンビンホス(CVP)」はE体、Z体がそれぞれ20μg/ml になるよう調製されています。
※3 有機りん系の農薬は注入口やカラムで吸着、分解される場合があります。例えば、スプリットレス注入により分析した場合、ホルモチオンが一部ジメトエートに分解することがあります。

有機りん系農薬標準品

※1 有機りん農薬混合液中のどの商品に混合されているかを示しています。
※2 「毒物及び劇物取締法」に基づき「特定毒物」に指定されておりますので取扱う場合「特定毒物研究者許可証」が必要です。 ご購入の際、"「特定毒物」を試験研究用に使用することを確認する証"を頂いております。

  • 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
  • 掲載されている製品について
    【試薬】
    試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
    試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
    【医薬品原料】
    製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
  • 表示している希望納入価格は「本体価格のみ」で消費税等は含まれておりません。
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