アイソジェン
ISOGEN
- 製造元 :
- (株)ニッポンジーン
- 保存条件 :
- 冷蔵 (室温輸送)
- 適用法令 :
- PRTR-1 特化則第3類 安衛法57条・有害物表示対象物質 労57-2 優先評価物質 劇-II
- GHS :
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- 構造式
- ラベル
- 荷姿
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比較
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製品コード
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容量
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価格
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在庫 / 納期目安
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10mL
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50mL
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100mL
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ドキュメント
- 添付文書
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- スペクトルデータ
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- 検査成績書
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- 校正証明書
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- 分析チャート
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概要
ISOGENは、ヒト、動物、植物および細菌からのRNA 抽出用試薬です。
液相分離による方法を用いており、同一試料からDNA およびタンパク質も単離することが可能です。一連の操作でRNA、DNA、タンパク質を単 離できるので、貴重な試料の分析に有効で、また、操作が簡単なので、試料数が多い場合にも便利です。
本製品は、フェノールとチオシアン酸グアニジンを含む均一な液体で、試料にISOGEN を加えて溶解またはホモジナイズした後、クロロホルムを加えて遠心分離するとホモジネートは水相、中間相および有機相の3相に分離します。
水相にはRNA のみが存在し、DNA およびタンパク質は中間相以下に存在します。従って、まず、水相を採取してイソプロパノールを加えてRNA を沈殿させ、残った中間相と有機相にエタノールを加えてDNA を、さらに、イソプロパノールを加えてタンパク質を沈殿させることによりRNA、DNA およびタンパク質を順次単離することができます。
血液や血清のような液体試料からのRNA 抽出用試薬については、ISOGEN を液体試料用に改良しました「ISOGEN LS」をご使用ください。
特長
- フェノール及びチオシアン酸グアニジンを主成分とした均一溶液
- 液層分離の際に便利な着色溶液(ISOGEN : 青色、ISOGEN-LS : 赤色)
- 一連の操作でRNA、DNA、タンパク質の単離が可能
- 簡単、迅速 (RNA単離時間 : 約1時間、DNA : +2時間、タンパク質 : +2.5時間)
- 高回収率
対象試料
組織、細胞、植物、細菌
プロトコール・収量の目安
データ例
収量の目安
| 試料 | 収量 | ||
|---|---|---|---|
| 組織 | マウス | 肝臓 | 6〜10 µg RNA/mg tissue |
| 脾臓 | 6〜10 µg RNA/mg tissue | ||
| 腎臓 | 3〜4 µg RNA/mg tissue | ||
| 骨格筋 | 1〜1.5 µg RNA/mg tissue | ||
| 脳 | 1〜1.5 µg RNA/mg tissue | ||
| 胎盤 | 1〜4 µg RNA/mg tissue | ||
| ラット、下垂体、 ヒト肝針生検材料 |
4〜8 µg RNA/mg tissue | ||
| 植物 | シロイヌナズナ、タバコ | 150〜200 µg RNA/0.5〜1 g weight tissue | |
| 培養細胞 | 上皮細胞 | 8〜15 µg RNA/106 cell | |
| 線維芽細胞 | 5〜7 µg RNA/106 cell | ||
| 血液 | ヒトまたは動物 | 7〜15 µg RNA/ml blood | |
| 試料 | 収量 | |
|---|---|---|
| 組織 | 肝臓 | 3〜4 µg DNA/mg tissue |
| 腎臓 | 3〜4 µg DNA/mg tissue | |
| 骨格筋 | 2〜3 µg DNA/mg tissue | |
| 脳 | 2〜3 µg DNA/mg tissue | |
| 胎盤 | 2〜3 µg DNA/mg tissue | |
| 培養細胞(ヒト、ラット、マウス) | 5〜7 µg DNA/106 cells | |
ISOGENで単離した総RNAの電気泳動

- lane1-3 ラット胸腺RNA(3 µg/lane)
- lane4-6 ヒト乳房上皮細胞RNA(5 µg/lane)
ホルムアルデヒド-(1%)アガロース電気泳動
臭化エチジウム染色

- lane1 ラット胸腺RNA(3 µg/lane)
- lane2 ラット胸腺RNA(3 µg/lane)
- lane3 ラット胸腺RNA(3 µg/lane) RNase処理(5 µg/ml, 30min., 37°C)
- lane4 ラット胸腺RNA(3 µg/lane) DNase処理(50 units, 30min., 37°C)
ホルムアルデヒド-(1%)アガロース電気泳動
臭化エチジウム染色

- lane1 ラット胸腺RNA(3 µg/lane)
- lane2 ラット胸腺RNA(3 µg/lane)
- lane3 ラット胸腺RNA(3 µg/lane) RNase処理(5 µg/ml, 30min., 37°C)
- lane4 ラット胸腺RNA(3 µg/lane) DNase処理(50 units, 30min., 37°C)
- lane5 BPB
ホルムアルデヒド-(1%)アガロース電気泳動後ナイロンメンブレンにブロッティング
メチレンブルー染色
植物試料からのmiRNA抽出
シロイヌナズナ、茶葉で抽出実績があります。
FAQ
- 脂肪組織からRNAを抽出する方法
- サンプルに冷やしたISOGENを通常より多く加えてホモジナイズ
↓ 室温で静置して脂肪滴が上層に浮いてくるのを待ち、脂肪の層を取らないように下のホモジネート液のみを新しいチューブに移す(下図)
↓ ISOGEN量が不足する場合は不足分を追加して、ボルテックスで5分間撹拌
↓ ホモジネート液を遠心(12,000 x g、5分間、4 ℃)
↓ チューブの最上層に集まった脂肪層をピペットやシリンジで貫通して上清をとり、新しいチューブに移す(このとき不溶物が沈殿物としてある場合は取らないで、脂肪層と沈殿物の間にあるホモジネート液のみを取る)
↓ ホモジネート液に対して0.2倍量のクロロホルムを加えて、混合、遠心分離するとホモジネートは水相、有機相及び中間相の3相に分離する
水層を分取して、以降プロトコール通り進める
図 脂肪層とホモジネート液
- グラム陽性菌からRNAを抽出する方法
- グラム陽性菌は概して細胞壁が厚く、通常のプロトコールではRNAの収量がグラム陰性菌に比べて少なくなります。そこで、グラム陽性菌の細胞壁をガラスビーズ(0.1 - 0.15 mm)で破壊後、ISOGENを用いてRNAを抽出しました。
グラム陽性菌からのRNA抽出の詳細はこちら
- 酵母からRNAを抽出する方法
- 酵母は厚い細胞壁を持つため、通常のISOGEN/ISOGEN-LS処理のみで、RNAを効率良く回収するのは困難です。そこで、β -1,3結合のグルコースポリマーに作用するZymolyaseを用いて細胞壁を溶解し、RNA抽出を試みました。
酵母からのRNA抽出の詳細はこちら
- 骨からRNAを抽出する方法
- ISOGENを用いてRat脊椎からのtotal RNA抽出を試み、得られたtotal RNAの収量と純度を測定しました。
骨からのRNA抽出の詳細はこちら
- small RNAと高分子RNAを分けて抽出することはできますか。
- 本製品にsmall RNA と 高分子RNAを分けて回収するプロトコールはございませんが、ISOGEN II には、高分子RNA(>200 bases)と small RNA (<200 bases)を分画できるプロトコールがございます。
- 製品以外に用意する試薬のグレードは?
- クロロホルム、イソプロパノール、エタノールは特級グレードをご用意ください。クロロホルムは必ず遮光して保管してください。イソプロパノールを入れた後に変色が見られた場合は、新しいイソプロパノールを購入してください。また、RNA沈殿を溶解させる溶液(水、TE pH8.0など)は、RNaseフリーのものをご用意ください。
- イソアミルアルコールの添加されたクロロホルムは使用できない、とは
- クロロホルム・イソアミルアルコール (CIA、24:1、49:1)は使用できません。当社、試薬特級の「クロロホルム」はご利用になれます。その場合、安定剤として含まれる1 %未満のエタノール等は問題ございません。
- アルコール沈殿の共沈剤としてEthachinmateを使用する場合、塩の添加は必要ですか?
- 塩の添加は必要ありません。 ISOGEN(またはISOGEN-LS)とアルコール沈殿用共沈剤のEthachinmate (Code No. 312-01791)を使用し、RNAを抽出する場合には、ISOGEN(またはISOGEN-LS)に塩が含まれておりますので、Ethachinmateに添付されているSodium Acetateを添加する必要はありません。
- タンパク質抽出プロトコールで、50 ℃での溶解時間の目安は?収量の目安はありますか?
- 溶解液に1 % SDSを使用して、50 ℃で30分間保温しますと、沈殿量の見た目は変わりませんが、SDS-PAGEで検出できる程度のタンパク質が抽出できます。ただし、収量の目安に関してデータはありません(溶解液のSDS濃度が高いため、タンパク定量キットでの測定は実施できておりません)。
ISOGENはRNA抽出用試薬のため、タンパク質定量が必要な実験目的の場合は、あらかじめ試料をRNA抽出用とタンパク精製用に分けておき、タンパク精製分はISOGENではなく、専用のキット等で単離されることをお勧めします。
培養細胞からのタンパク質抽出の詳細はこちら
- 吸光度測定で、260 nmではなく、230 nmや270 nmにピークがでる
a)270 nmに吸収波長をもつフェノール等の影響
ISOGENは、フェノールとチオシアン酸グアニジンを含む1液タイプの試薬で、操作上バッファー交換等も行わないため、吸光度測定の際(とくに微量試料などRNA収量がすくないサンプルの場合)、わずかに残留したフェノール等の影響を受けやすいです。
水相を採取する際、フェノール相にチップの先が触れないよう注意したり、70 %エタノール洗浄1回の代わりに75 %エタノールによる洗浄を2回行ったり、最終RNA溶液をカラムで再精製する方法が対策となります。
b) 270-280 nm付近に吸収波長をもつ夾雑物の影響
吸収波長を270 nmにもつ夾雑物や280 nmにもつタンパク質が多く残っていると、核酸(260 nm)の波形のピークがシフトします(下図)。
このような場合、280 nmの吸光が260 nmの吸光度に影響し、核酸が正しく定量できない(実際の核酸量よりも多く見積もられる)可能性があります。
試料に加えるISOGEN量を増やしてください。
c) 230 nm付近に吸収波長をもつ夾雑物の影響
植物試料(特に球根、種子など)の場合では、230 nm付近に吸収波長をもつ多糖類などの影響を受けやすいです(下図)。
効果的な対策として、操作にカラム精製が入っているキットの使用をお勧めします。
ISOSPIN Plant RNA
ISOSPIN Cell & Tissue RNA
ISOGEN with Spin Column
例) チューリップ球根からのRNA抽出
物性情報
「物性情報」は参考情報でございます。規格値を除き、この製品の性能を保証するものではございません。
本製品の品質及び性能については、本品の製品規格書をご確認ください。
なお目的のご研究に対しましては、予備検討を行う事をお勧めします。
製造元情報
別名一覧
- 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
- 製品規格・包装規格の改訂が行われた場合、画像と実際の製品の仕様が異なる場合があります。
- 掲載されている製品について
- 【試薬】
- 試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
- 試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
- 【医薬品原料】
- 製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
- 表示している希望納入価格は「本体価格のみ」で消費税等は含まれておりません。
- 表示している希望納入価格は本記事掲載時点の価格です。