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アイソスピン プラントRNA (DNase Iなし) ISOSPIN Plant RNA (w/o DNase I)

製造元 :
(株)ニッポンジーン
保存条件 :
室温
適用法令 :
PRTR-1 安衛法57条・有害物表示対象物質 労57-2 優先評価物質 危4-ア(水溶性)-II
GHS :
  • 構造式
  • ラベル
  • 荷姿
比較
製品コード
容量
価格
在庫
販売元
315-09581
製造元
315-09581
JAN
4987481642584
50テスト
希望納入価格
33,000 円

18

ドキュメント

スペクトルデータ
検査成績書
校正証明書

キットコンポーネント

50回用

PT Extraction Buffer (植物用) 30 ml x 1本
PT Binding Buffer (植物用) 40 ml x 1本
PT Wash1 Buffer 40 ml x 1本
PT Wash2 Buffer 40 ml x 1本
ddWater (RNase free) 1 ml x 8本
Spin Column 50 本 x 1袋

製品概要

本キットは、「ISOSPIN Plant RNA」 にDNase Iが添付されていない50回用のパッケージです。
冷凍保存(-20℃)が必要な酵素が含まれていないため、本キットは室温で保存が可能です。
別売りのDNase I (RNase free)と組み合わせてご使用ください。

特長

  • 高純度RNA

    遠心分離による夾雑物の除去とシリカメンブレン上でのDNase I *処理により高純度なRNA抽出が可能です。
    *:本キットにはDNase Iは含まれておりません。

  • フィルターによる前処理が不要

    試料のホモジナイズやろ過を目的としたフィルター処理を必要としません。本キットは遠心分離により夾雑物を沈殿して除去します。

  • フェノール、クロロホルムが不要

    フェノールやクロロホルムなどの毒性有機溶媒は使用しません。

  • 抽出困難な植物試料(松葉やバラ)にはAssist Buffer添加

    いままで困難だったマツ(葉)、バラ(葉、花弁)、ツバキ(葉)、ブドウ(果肉、外皮)などからも効率よくRNA抽出可能です。 

使用例

プロトコール

図:使用例
*本キットにDnase Iは添付されておりません。

RNA収量の目安

本品で得られるRNAの収量の目安は次の通りである。

試料
ホウレンソウ(葉) 0.5 μg RNA/mg tissue
ブロッコリー(芽生え) 1.0 μg RNA/mg tissue
キャベツ(種子) 1.3 μg RNA/mg tissue
キャベツ(芽生え) 1.4 μg RNA/mg tissue
キャベツ(葉) 0.1 μg RNA/mg tissue
タケ(葉) 0.3 μg RNA/mg tissue
チューリップ(球根) 0.2 μg RNA/mg tissue

シロイヌナズナの葉からのRNA抽出(RNA品質の比較)

ISOSPIN Plant RNA およびA社RNA抽出キットを用いて、シロイヌナズナの葉から各社プロトコールに従いRNAを抽出した。抽出したRNAの品質を、バイオアナライザ(Agilent Technologies社)によるRIN値の測定、アガロースゲル電気泳動、および吸光度測定により比較した。

<吸光度測定結果とRIN値>
抽出キット A260/A280 A260/A230 RNA收量
(ng/mg tissue)
RIN值*
① A社 1.95 1.13 72 7.8
② ISOSPIN Plant RNA 2.35 2.69 79 7.5

*n=2

<RNAの吸光スペクトル>
図:RNA品質の比較データ
図:RNA品質の比較データ
Lane ① : A社キットで抽出したRNA
Lane ② : ISOSPIN Plant RNAで抽出したRNA
各100 ngずつ電気泳動in 1% Agarose S

結果

ISOSPIN Plant RNAで抽出したRNAは、A社キットで抽出したRNAと比べて、より高品質であることが確認できた。また電気泳動では、各サンプルの吸光度に基づき同じRNA量を泳動しているが、ISOSPINで抽出したRNAはバンドが濃く、高純度であることが示唆された。

シロイヌナズナの根からのRNA抽出(RNA品質の比較)

ISOSPIN Plant RNA およびA社RNA抽出キットを用いて、シロイヌナズナの根から各社プロトコールに従いRNAを抽出した。抽出したRNAは、バイオアナライザ(Agilent Technologies社)を用いたRNA Integrity Number (RIN値) の測定を行った。

<RIN値>
抽出キット RIN値*
A社 5.8
ISOSPIN Plant RNA 7.3

*n=1

結果

ISOSPIN Plant RNA を用いて高品質なRNAを抽出できていることが確認できた。
(RNA量が微量のため、両キット共に吸光度測定や電気泳動での検出はできなかった)

キャベツ(アブラナ科)種子および葉からのRNA抽出

ISOSPIN Plant RNAと他社製品を用いて、プロトコールに従ってキャベツの種子(約4 mg)および葉(約30 mg)からRNAを抽出した。抽出したRNAは、吸光スペクトル測定およびゲル電気泳動により比較した。さらに、抽出したTotal RNAを鋳型に逆転写を行い、得られたcDNAをGeneAce SYBR™ qPCR Mix α Low ROXを用いてリアルタイムqPCRを行った。

実験条件

  1. サンプル量
    • 種子(約4 mg)
    • 葉(約30 mg)
  2. 変性ゲル電気泳動
    • ゲル:1% Agarose S(ホルムアルデヒド変性)
    • RNA添加量:種子(1μg)/葉(0.5μg)
    • RNA Ladder:RNA添加量と同量
  3. リアルタイムqPCR
    • 試薬:GeneAce SYBR™ qPCR Mix α Low ROX
    • 装置:ABI 7500 Fast
    • 鋳型cDNA:抽出したTotal RNAを鋳型に逆転写
    • 増幅鎖長:441 bp
    • テスト数: n=3

結果

吸光度スペクトル測定結果より、ISOSPIN Plant RNAはA社より低いA230の値を示し、多糖類などの夾雑物が効率良く除去できていることが分かった(図1)。

キャベツ種子
図:吸光スペクトル測定
キャベツ葉
図:吸光スペクトル測定
図1 吸光スペクトル測定
図:変性ゲル電気泳動
図:変性ゲル電気泳動
図2 変性ゲル電気泳動
【RNA添加量】
種子(1μg)/葉(0.5μg)
【Marker】
RNA Ladder(RNA添加量と同量)
1% Agarose S(ホルムアルデヒド変性)
キャベツ種子
図:リアルタイムqPCR比較データ
キャベツ葉
図:リアルタイムqPCR比較データ
図3 リアルタイムqPCR
【試薬】
GeneAce SYBR™ qPCR Mix α Low ROX
【鋳型】
抽出したTotal RNAを鋳型に逆転写
【装置】
ABI 7500 Fast
【増幅鎖長】
441 bp
【テスト数】
n=3
赤色:ISOSPIN Plant RNA
緑色:A社製品

タケ(イネ科)カルスからのRNA抽出

ISOSPIN Plant RNAと他社製品を用いて、プロトコールに従って各量のタケカルスからRNAを抽出した。抽出したRNAは、吸光スペクトル測定およびゲル電気泳動により比較した。さらに、抽出したTotal RNAを鋳型に逆転写を行い、得られたcDNAをGeneAce SYBR™ qPCR Mix α Low ROXを用いてリアルタイムqPCRを行った。

※本実験で使用した竹のカルスは、富山県立大学 荻田信二郎博士(現、公立大学法人県立広島大学)よりご提供頂きました。尚、使用したタケカルスは理化学研究所バイオソースセンターへ委託されたハチク培養細胞Pn(rpc00047)株から形成されたものです。

写真:タケカルスからのRNA抽出
タケカルス
(ハチク培養細胞Pn(rpc00047)株から形成)

実験条件

  1. サンプル量

    ① 約65 mg

    ② 約50 mg

    ③ 約40 mg

  2. アガロースゲル電気泳動
    • ゲル:0.8% Agarose S/TAE
    • RNA添加量:最終溶出量の1/10(5 μl)
    • Marker:OneSTEP Marker6(5 μl)
  3. リアルタイムqPCR
    • 試薬:GeneAce SYBR™ qPCR Mix α Low ROX
    • 装置:ABI 7500 Fast
    • 鋳型cDNA:抽出したTotal RNAを鋳型に逆転写
    • 増幅鎖長:197 bp
    • テスト数: n=3

結果

吸光度スペクトル測定結果では、ISOSPIN Plant RNAはA社より低いA230の値を示すことから、多糖類などの夾雑物が効率良く除去できていることが分かった(図1)。また、アガロースゲル電気泳動で比較した結果からも、ISOSPIN Plant RNAは効率よくRNAを抽出できていることが確認できた(図2)。

図:吸光スペクトル測定データ
図1 吸光スペクトル測定
図:変性ゲル電気泳動
図2 アガロースゲル電気泳動
【ゲル】
0.8% Agarose S/TAE
【RNA添加量】
最終溶出量の1/10(5 μl)
【Marker】
OneSTEP Marker6(5 μl)
図:リアルタイムqPCR
図3 リアルタイムqPCR
【試薬】
GeneAce SYBR™ qPCR Mix α Low ROX
【装置】
ABI 7500 Fast
【鋳型cDNA】
抽出したTotal RNAを鋳型に逆転写
【増幅鎖長】
197 bp
【テスト数】
n=3

チューリップ(ユリ科)球根からのRNA抽出

ISOSPIN Plant RNAとB社製品を用いて、プロトコールに従ってチューリップ球根(100 mg)からRNAを抽出した。抽出したRNAは、吸光スペクトル測定およびゲル電気泳動により比較した。さらに、抽出したTotal RNAを鋳型に逆転写を行い、得られたcDNAをGeneAce SYBRR qPCR Mix α Low ROXを用いてリアルタイムqPCRを行った。

チューリップ球根サンプルは粘性が高く、抽出が難しいとされている。右写真は、チューリップの球根を液体窒素ですり潰して粉末状にした後、1.5 mlチューブに量り取り、各社の抽出Buffer中でペッスルにてすり潰した後の様子である。チューブを逆さにして溶液の粘性を比較した。

写真:抽出液の粘性の様子
抽出液の粘性の様子
左:ISOSPIN Plant RNA
右:B社製品

実験条件

  1. サンプル量

    100 mg

  2. アガロースゲル電気泳動

    RNA添加量:最終溶出量の1/10(5 μl)

結果

ISOSPIN Plant RNAは粘性の高いチューリップ球根からもRNAを抽出できた。

図:吸光スペクトル測定データ
図1 吸光スペクトル測定
図:変性ゲル電気泳動
最終溶出量の1/10(5 μl)
図2 アガロースゲル電気泳動

Assist Buffer for ISOSPIN Plant RNA を使用して、杉の葉からのRNA抽出

杉の葉は、粉砕すると粘性物を大量に放出するため、溶液の粘性が高くなりRNA抽出が困難となる。Assist Buffer を組み合わせたISOSPIN Plant RNA オプションプロトコールで、杉の葉 30 mgからRNAを抽出できるか検討した。

実験条件

  1. ① ISOSPIN Plant RNAキット単独の標準プロトコール(製品マニュアル p.3~5参照)
  2. ② 本キットとAssist Buffer for ISOSPIN Plant RNA を組み合わせた通常のオプションプロトコール(製品マニュアル p.6~9)
  3. ③ TEによる前処理工程後*1、② の通常オプションプロトコール(製品マニュアル p.6のステップ ② 注釈、参照)
    *1 前処理工程:TE(pH8.0)中でペッスルで軽くすり潰し、遠心分離(13,000 x g、4℃、10分)を行う。
  4. ④ TEによる前処理工程後*1、② のオプションプロトコール、洗浄工程を改変*2(製品マニュアル p.7のステップ ⑲ 参照)
    *2 PT Wash2 Buffer で 600 μl x 1回洗浄するところ、300 μl x 2回に変更。

結果

スギの葉は、キットのみでは抽出困難だったが、Assist Buffer for ISOSPIN Plant RNA を組み合わせたオプションプロトコールを行うことでRNA抽出可能だった。また、TEによる前処理工程や、改変して洗浄工程を加えることでより高純度なRNAを抽出できた。

図:1/50量をNanodrop2000で測定
1/50量をNanodrop2000で測定
図:変性ゲル電気泳動

Lane ① キット単独
Lane ②: Assist Buffer (-)
Lane ③: TE+Assist Buffer(通常プロトコール)
Lane ④ TE+Assist Buffer(改変洗浄プロトコール)

Agarose S/TAE (非変性) で1/10量を電気泳動

「ISOSPIN Plant RNA」と「Assist Buffer for ISOSPIN Plant RNA」の併用によりRNA抽出効率の改善

RNA抽出が困難な植物組織から、「ISOSPIN Plant RNA」のみ、または「ISOSPIN Plant RNA」と「Assist Buffer forISOSPIN Plant RNA」を併用してRNA抽出を行い、抽出したRNA溶液の吸光スペクトルを比較した。

松の葉(30mg)からRNA抽出
図:RNA溶液の吸光スペクトル比較表
巨峰の皮(50mg)からRNA抽出
図:RNA溶液の吸光スペクトル比較表
柿の実(100mg)からRNA抽出
図:RNA溶液の吸光スペクトル比較表

結果

「ISOSPIN Plant RNA」だけではRNA抽出が困難な植物組織において、「Assist Buffer for ISOSPIN Plant RNA」と併用することにより、RNAの収量や純度を改善することができた。

効果が確認された植物組織

「ISOSPIN Plant RNA」と「Assist Buffer for ISOSPIN Plant RNA」の併用によりRNA抽出効率の改善が確認された組織。

植物組織 収量の目安
(RNA/mg tissue)
マツ(葉)*1 0.1 μg
バラ(葉)*1 50 ng
バラ(花弁)*1 80 ng
ツバキ(葉)*1 70 ng
ミカン(外皮)*1 80 ng
カキ(果肉)*1 30 ng
ブドウ(果肉) *1 10 ng
ブドウ(外皮) *1 50 ng
バナナ(果肉) *1 15 ng
植物組織 収量の目安
(RNA/mg tissue)
コチョウラン(葉)*1 20 ng
シクラメン(葉)*1 0.1 μg
イチゴ(葉)*1,*2 0.1 μg
ジャガイモ(根茎) 0.1 μg
ネギ(葉) 0.1 μg
トマト(果肉) 25 ng
トマト(種子) 60 ng
チャ(葉) 0.6 μg

*1. 「ISOSPIN Plant RNA」のみでは抽出が困難な植物組織.
*2. イチゴ(葉)はAssist Bufferの添加比率を変更することでより高純度なRNAが得られます。詳細は以下Q&Aをご覧ください。

https://www.nippongene.com/siyaku/product/extraction/isospin-plant/isospin-plant-rna.html

FAQ

イチゴの葉からのRNA抽出において、純度を改善したい。
別売りの「Assist Buffer for ISOSPIN Plant RNA」の添加比率を変更することで高純度なRNAが得られることを確認しています。イチゴの葉においては、500 μlのPT Extraction Buffer (植物用)に10 μlのAssist Buffer 1 と40 μlのAssist Buffer 2を加えて混和し、550 μlの抽出液を調製してください(以降はマニュアルに従う)。
RNA抽出効率が悪い場合の改善方法はありますか。
試料のホモジナイゼーションまたは溶解が不十分だと、PT Extraction Buffer (植物用) に触れていない細胞内部でのRNA分解が進みます。 組織の摘出を素早くすることと、効果的にホモジナイズすることが重要です。 参考資料 各種試料のホモジナイズ方法
ISOSPIN Plant RNAで抽出したRNAをRNA-seq解析に使用した実績はありますか?
東京大学植物病理学研究室の以下論文にて、RNA-seq解析のRNA抽出に本キットをご使用頂いております。
Tokuda R, Nishikawa M, Hosoe N, Nijo T, Iwabuchi N, Yoshida T, Watanabe K, Maejima K, Yamaji Y, Namba S. (2019) Complete Genome Sequence of a Carrot Torradovirus 1 Isolate, Obtained from Angelica. Micorobiology. 8 (15): e00110-19

製造元情報

別名一覧

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