アミノ酸組成分析

ニンヒドリン発色法

アミノ酸とは、エネルギー産生栄養素の1つであるタンパク質を構成する有機化合物です。血液 (血漿) 中のアミノ酸濃度は正確に制御されており、生体液中のアミノ酸の変動は、身体の代謝や疾患の指標として利用されています。

アミノ酸分析の多くは、自動分析法で行われます。中でもカラムクロマトグラフィーにより各アミノ酸を分離した後、ニンヒドリンと反応発色させて吸光度測定を行うポストカラム法、いわゆるニンヒドリン法が多く用いられています。ニンヒドリン法では、アルカリ型とした陽イオン交換樹脂に試料を圧入し溶離液のpHを段階的に上げてアミノ酸を溶出しますが、用いる緩衝液の調製 (pH、濃度等) は非常に煩雑です。当社では、株式会社日立ハイテクサイエンス製LA-8080形・L-8900形・L-8800 (A) 形・L-8500 (A) 形高速アミノ酸分析計専用に調製した緩衝液や発色試液、標準品等の様々なアミノ酸分析試薬を取り揃えております。

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ニンヒドリン発色法

ニンヒドリン反応とは、アミノ酸をニンヒドリンの呈色によって検出・定量する方法です。

ニンヒドリン試薬と反応したアミノ酸は、570 nmと440 nmの2つの波長を用いて検出されます。第一級アミンのアミノ酸 (α - アミノ酸) は570 nmで紫色に呈色し、第二級アミン (イミノ酸) のアミノ酸は440 nmで黄色に呈色します。

プロトコル

アミノ酸の分析法には、プレカラム誘導体化法とポストカラム誘導体化法があり、ニンヒドリン法はポストカラム誘導体化法に該当します。ポストカラム誘導体化法は、カラム分離後に、誘導体化試薬を反応させ、検出器に導く方法です。

ニンヒドリン法の流路図1)
測定原理
  1. アルカリ型とした陽イオン交換樹脂に試料を圧入し、溶離液のpHを段階的に上げていくと酸性の強いアミノ酸より溶出します。
  2. この溶出液にニンヒドリン試液を加え加熱するとα‐アミノ酸は570 nm、イミノ酸は440 nmに極大吸収を示す呈色物を生成します。
  3. この呈色物のピーク面積を標準液のピーク面積と比較して試料中の各アミノ酸濃度を求めます。
  1. 和光純薬時報 Vol.86 No.3(2018年7月号)p.15より引用

ラインアップ

高速アミノ酸分析用緩衝液PH/PFシリーズ

ニンヒドリン発色法の分析法には、「生体液分析法」と「タンパク質加水分解分析法」の2種類があります。

PFシリーズは生体液分析法に用いられる緩衝液で、 PHシリーズはタンパク質加水分解物分析法に対応した緩衝液です。

ニンヒドリン法では、アルカリ型とした陽イオン交換樹脂に試料を圧入し溶離液のpHを段階的に上げてアミノ酸を溶出しますが、用いる緩衝液の調製 (pH、濃度等) は非常に煩雑です。本シリーズは、株式会社日立ハイテクサイエンス製LA-8080形・L-8900形・L-8800 (A) 形・L-8500 (A) 形高速アミノ酸分析計の取扱説明書に基づいて調製した緩衝液で、pHの微調整や希釈が必要なく、装置にそのままセットしてお使いいただけます。

生体液分析法は、血清、尿等の生体液中に含まれるアミノ酸類41成分を対象とした分析法で、通常のアミノ酸以外にも、タウリン、尿素、GABA、グルタチオンなどの特殊なアミノ酸、アミン、オリゴペプチドの測定が可能です。

タンパク質加水分解分析法は、タンパク質やペプチド等の構成アミノ酸17成分を対象とする分析法です。

医薬品ではタンパク製剤やペプチド製剤の品質評価、食品では食品中のタンパク質を構成するアミノ酸組成分析などが可能です。

分析法 概要 用いる高速アミノ酸分析計用緩衝液
生体液分析法 血清、尿等の生体液中に含まれるアミノ酸41成分を対象とした分析法 PFシリーズ
タンパク質加水分解分析法 タンパク質やペプチド等の構成アミノ酸17成分を対象とする分析法 PHシリーズ

分析例

PH緩衝液セットを使用した分析例

クロマトチャート

クロマトチャート

分析条件

装置 L-8900形日立高速アミノ酸分析計
分離カラム たん白質加水分解物分析カラム #2622 4.6 mm ID×60 mm (日立製品番号: 855-3506)
アンモニアフィルタカラム アンモニアフィルタカラム #2650L 4.6 mm ID×40 mm (日立製品番号: 855-3523)
測定試料 アミノ酸混合標準液, H型 (2 nmol/20 μLに調製) L-トリプトファン標準物質 (2 nmol/20 μLに調製)
検出 ニンヒドリン発色法 (ニンヒドリン試薬: 日立用ニンヒドリン発色溶液キット)
測定波長 570 nm及び440 nm
溶離液 溶離液 反応液
B1 PH-1 B4 PH-4 R1 ニンヒドリン溶液
B2 PH-2 B5 R2 緩衝液
B3 PH-3 B6 PH-RG R3 5 vol% エタノール溶液
時間 (min.) %B1 %B2 %B3 %B4 %B5 %B6 ポンプ1流量 (mL/min.) カラム温度 (℃) %R1 %R2 %R3 ポンプ2流量 (mL/min.)
0.0 100 0 0 0 0 0 0.400 57 50 50 0 0.350
2.5 100 0 0 0 0 0
2.6 0 100 0 0 0 0
4.5 0 100 0 0 0 0
4.6 0 0 100 0 0 0
12.8 0 0 100 0 0 0
12.9 0 0 0 100 0 0
27.0 0 0 0 100 0 0
27.1 0 0 0 0 0 100
32.0 50 50 0
32.1 0 0 100
33.0 0 0 0 0 0 100
33.1 0 100 0 0 0 0
34.0 0 100 0 0 0 0
34.1 100 0 0 0 0 0
37.0 0 0 100
37.1 50 50 0
53.0 100 0 0 0 0 0

PF緩衝液セットを使用した分析例

クロマトチャート

クロマトチャート

分析条件

装置 L-8900形日立高速アミノ酸分析計
分離カラム 生体液分析カラム #2622 4.6 mm ID×60 mm (日立製品番号: 855-3507)
アンモニアフィルタカラム アンモニアフィルタカラム #2650L 4.6 mm ID×40 mm (日立製品番号: 855-3523)
測定試料 アミノ酸混合標準液, AN型/B型 L-2-アミノアジピン酸標準液 L-アスパラギン標準液 L-トリプトファン標準液
検出 ニンヒドリン発色法 (ニンヒドリン試薬: 日立用ニンヒドリン発色溶液キット)
測定波長 570 nm及び440 nm
溶離液 溶離液 反応液
B1 PF-1 B4 PF-4 R1 ニンヒドリン溶液
B2 PF-2 B5 R2 緩衝液
B3 PF-3 B6 PF-RG R3 5 vol% エタノール溶液
時間 (min.) %B1 %B2 %B3 %B4 %B5 %B6 ポンプ1流量 (mL/min.) カラム温度 (℃) %R1 %R2 %R3 ポンプ2流量 (mL/min.)
0.0 100 0 0 0 0 0 0.350 38 50 50 0 0.300
2.0 30
21.5 100 0 0 0 0 0
21.6 80 20 0 0 0 0 60
33.5 70 30 0 0 0 0
33.6 10 90 0 0 0 0
36.5 40
43.5 10 90 0 0 0 0
43.6 0 100 0 0 0 0
50.5 0 100 0 0 0 0 70
50.6 0 0 100 0 0 0
68.4 45
69.5 0 0 100 0 0 0
69.6 60 0 0 40 0 0
75.0 60 0 0 40 0 0
75.1 0 0 0 100 0 0
82.0 0 0 0 100 0 0
82.1 0 20 0 80 0 0
92.5 70
99.5 0 20 0 80 0 0
99.6 0 0 0 100 0 0
112.5 0 0 0 100 0 0
112.6 0 0 0 0 0 100
116.0 50 50 0
116.1 0 0 100
121.5 0 0 0 0 0 100
121.6 100 0 0 0 0 0
125.0 38
126.0 0 0 100
126.1 50 50 0
148.0 100 0 0 0 0 0

各社アミノ酸分析計について

日立製 高速アミノ酸分析計LA8080 AminoSAAYA

特長

  • 操作性および安全性に配慮
    従来からのフロントアクセス設計に加えて、試薬設置部を操作しやすい高さに設定することで、日常の試薬交換やサンプルセット、保守がしやすいように工夫し、中腰姿勢を必要とする操作や作業を極力低減させました (前面扉の取り外しも可能)。
  • 長年培った信頼性と安定性
    これまでに蓄積された分析条件およびカラム (充てん剤)、試薬を変わらずご使用いただくことができます。また、不安定なニンヒドリン反応試薬は、通常冷蔵の必要がありますが、日立アミノ酸分析計では、2液を誘導体化反応の直前に混合するため冷蔵の必要はありません。
  • 多様化するアプリケーションにも対応可能
    最大6種の緩衝液の使用や、カラム恒温装置のタイムプログラムが可能です。さらに反応装置の高温対応といった独自の機能により、目的に応じた分析法の構築も可能です。

製品ページ:高速アミノ酸分析計LA8080 AminoSAAYA

日本電子製 JLC-500/V 全自動アミノ酸分析機

特長

  • 高精度で再現性の良いデータを提供
    緩衝液中の溶存ガスを除去する真空デガッサー、定流量センサーフィードバック方式のポンプ、ニンヒドリンと溶離液を効率良く混合させることができる位相制御パルスミキシング方式等の技術により高精度で再現性の良いデータを得る事が出来ます。
  • タンデムカラムを採用
    多段積層圧力分散カラム : タンデムカラムの採用により、高圧、高速による樹脂のつぶれ、目詰まりを防ぎカラム寿命が延びました。
  • GLP対応
    装置性能 (機器、分析方法) のバリデーション、ルーチン分析時のシステム適合テスト、及び装置保守管理、分析方法の変更、性能チェック等のソフトを内蔵しています。

製品ページ:JLC-500/V 全自動アミノ酸分析機

製品一覧

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ニンヒドリン試液(日立高速アミノ酸分析計用)

診断目的以外の一般アミノ酸分析等にお使いいただけます。

ニンヒドリン試液 (日本電子全自動アミノ酸分析機用)

アミノ酸混合標準液 (高濃度タイプ)

本製品は、CRM開発で培った精度の高い調液技術で調製し、CRM又はSIトレーサブルな標準物質であるTRM (Traceable Reference Material) を使用した高濃度タイプ (0.1~5.5 μmol/L) の混合標準液です。本製品を用いることでアミノ酸類の精確な定量値を得ることが可能となります。

アミノ酸標準液 (認証標準物質)

本製品は製品評価技術基盤機構認定制度 (ASNITE) に基づくアミノ酸混合標準液生産者としての認定を受け、計量トレーサビリティの確保された認証標準物質としてのアミノ酸混合標準液です。

その他アミノ酸標準

L-アスパラギンとL-2-アミノアジピン酸は0.1 mol/L塩酸溶液では不安定なため、塩酸溶液のアミノ酸混合標準液 (アミノ酸混合標準液, AN型) とは別に用意しています。

緩衝液 : 高速アミノ酸分析計用PH緩衝液シリーズ

本製品は、アミノ酸自動分析計法の中でも(株)日立ハイテクサイエンス製LA-8080形・L-8900形・L-8800 (A) 形・L-8500 (A) 形日立高速アミノ酸分析計による、タンパク加水分解物のアミノ酸分析に必要な、緩衝液と緩衝液を全て揃えたセット品です。
日立高速アミノ酸分析計 (LA-8080形・L-8900形・L-8800 (A) 形・L-8500 (A) 形) 専用に調製しており、pHの微調整や希釈の必要がなく、ただちに使用可能です。

緩衝液 : 高速アミノ酸分析計用PF緩衝液シリーズ

本製品は、アミノ酸自動分析計法の中でも(株)日立ハイテクサイエンス製LA-8080形・L-8900形・L-8800 (A) 形・L-8500 (A) 形日立高速アミノ酸分析計による、タンパク加水分解物のアミノ酸分析に必要な、緩衝液と緩衝液を全て揃えたセット品です。
日立高速アミノ酸分析計 (LA-8080形・L-8900形・L-8800 (A) 形・L-8500 (A) 形) 専用に調製しており、pHの微調整や希釈の必要がなく、ただちに使用可能です。

緩衝液 : MCI緩衝液PHキット

製造元 : 三菱ケミカル株式会社

緩衝液 : MCI緩衝液PFキット

製造元 : 三菱ケミカル株式会社

緩衝液

  • 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
  • 掲載されている製品について
    【試薬】
    試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
    試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
    【医薬品原料】
    製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
  • 表示している希望納入価格は「本体価格のみ」で消費税等は含まれておりません。
  • 表示している希望納入価格は本記事掲載時点の価格です。