陰イオン界面活性剤 (LAS)
陰イオン界面活性剤は、工場排水や家庭下水からの混入により、水中に存在すると泡立ちの原因となるため、水質汚濁の重要な指標とされています。陰イオン界面活性剤の一種である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)は、合成洗剤のなかで最も使用量が多く、水道水質基準で0.2 mg/L以下、水質汚濁に係る環境基準で0.01 mg/L以下(生物A)、0.006 mg/L以下(生物特A)にそれぞれ基準値が設定されています。
当社では、水道水質基準で測定対象とされている陰イオン界面活性剤の各種標準液、LC/MSにご使用いただける内部標準液、HPLCカラムを取り揃えています。
標準液
水道水質基準で測定対象とされている陰イオン界面活性剤5種類(デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びテトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのうち直鎖アルキル基の末端以外の炭素にフェニル基が結合したもの)の各単品標準液を取り揃えています。 検量線作成などにご使用ください。
さらに、上記5成分が1 mg/mL(メタノール溶液)に調製された混合標準液もご用意しております。
混合標準液
混合成分は直鎖アルキル鎖の末端以外の炭素にフェニル基が結合したLAS (C10~C14)であり、それぞれの濃度が明確な混合標準液です。水道水質基準の告示試験法にお使いいただけます。
コード No. | 品名 | 規格 | 容量 |
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013-20131 | 陰イオン界面活性剤混合標準液 (各1 mg/mL メタノール溶液) | 水質試験用 | 1 mL×5 A |
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・HPLC Chromatogram
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[組成情報]
Peak No. 成分名 C10 デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム C11 ウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム C12 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム C13 トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム C14 テトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
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[HPLC]
Column :Wakopak® Navi C18-5 4.6 mm x 250 mm Column temperature :40℃ Eluent :0.1 mol/L NaClO4 in CH3CN/H2O=65/35 Flow rate :1.0 mL/min. Detection :UV 225 nm
単品標準液
コード No. | 品名 | 規格 | 容量 |
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195-13111 | デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム標準液(1 mg/mL メタノール溶液) | 水質試験用 | 1 mL×5 A |
192-13121 | ウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム標準液(1 mg/mL メタノール溶液) | 水質試験用 | 1 mL×5 A |
199-13131 | ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム標準液(1 mg/mL メタノール溶液) | 水質試験用 | 1 mL×5 A |
196-13141 | トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム標準液(1 mg/mL メタノール溶液) | 水質試験用 | 1 mL×5 A |
193-13151 | テトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム標準液(1 mg/mL メタノール溶液) | 水質試験用 | 1 mL×5 A |
内部標準液
LASの検査方法は、厚生労働省 水質基準の検査方法として、固相抽出-HPLC法(別表第24)およびLC-MS法(別表第24の2)、環境省 水質汚濁に係る環境基準 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩の分析法として固相抽出-LC/MS法 (内部標準法)が採用されています。
当社では、陰イオン界面活性剤のLC/MS分析に使用できる内部標準液を販売しております。 4-ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム-13C6標準液は、水道水質基準の検査方法(別表第24の2 LC-MS法)、p-n-オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム標準液は環境省 水質汚濁に係る環境基準の試験においてそれぞれ指定されている内部標準液です。
内部標準液
コード No. | 品名 | 規格 | 容量 |
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195-17131 | p-n-オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム標準液(1 mg/mL メタノール溶液) | 水質試験用 | 1 mL |
191-19171 | 4-ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム-13C6標準液(10 μg/mL メタノール溶液) | 水質試験用 | 1 mL×5 A |
固相抽出カラム
Presep®-C C18、Presep® -Agriを用いた水試料中アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(C10〜C14)の添加回収試験
(水道法(平成16年4月1日施行)に対応)
HPLCカラム
Wakopak® Wakosil-Ⅱ
Wakopak® Wakosil-Ⅱ 3C8RSを用いた水質基準の検査方法※1におけるLAS(C10〜C14)のLC/MS/MS分析例
LC/MS/MS Chromatogram
成分名 | 検出イオン (m/z) | Mode | 成分名 | 検出イオン (m/z) | Mode | 成分名 | 検出イオン (m/z) | Mode | |||
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Precursor | Product | Precursor | Product | Precursor | Product | ||||||
C10-LAS | 297 | 183 | - | C12-LAS | 325 | 183 | - | C14-LAS | 353 | 183 | - |
C11-LAS | 311 | 183 | - | C13-LAS | 339 | 183 | - | 13C12-LAS | 331 | 176 | - |
Analysis conditions
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[Instrument]
Shimadzu LC/MS-8040
[HPLC]Column: Wakopak® Wakosil-Ⅱ 3C8RS 2.0×150 mm Column temperature: 40℃ Eluent: A) H2O, B) CH3CN Gradient: Time (min.) B conc. (%) 0-30 60 Flow rate: 0.3 mL/min. [MS]Ionization: ESI
Mode: MRM
※1 告示法は溶離液の例としてA液、B液に0.1%ぎ酸を添加していますが、本試験条件は溶離液に0.1%ぎ酸を添加していません。
Wakopak® Wakosil-Ⅱ 3C18HGを用いた水質基準の検査方法におけるLAS(C10〜C14)のLC/MS/MS分析例
LC/MS/MS Chromatogram
成分名 | 検出イオン (m/z) | Mode | 成分名 | 検出イオン (m/z) | Mode | 成分名 | 検出イオン (m/z) | Mode | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Precursor | Product | Precursor | Product | Precursor | Product | ||||||
C10-LAS | 297 | 183 | - | C12-LAS | 325 | 183 | - | C14-LAS | 353 | 183 | - |
C11-LAS | 311 | 183 | - | C13-LAS | 339 | 183 | - | 13C12-LAS | 331 | 176 | - |
Analysis conditions
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[Instrument]
Shimadzu LC/MS-8040
[HPLC]Column: Wakopak® Wakosil-Ⅱ 3C18HG 2.0×150 mm Column temperature: 40℃ Eluent: A) 0.1 vol% HCOOH in H2O, B) 0.1 vol% HCOOH in CH3CN Gradient: Time (min.) B conc. (%) 0-30 75 Flow rate: 0.3 mL/min. [MS]Ionization: ESI
Mode: MRM
Wakopak® Wakosil® AS-Aqua
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)は、異性体が混合して存在し、ODSカラムでは多数のピークが溶出します。
Wakopak® Wakosil® AS-Aquaは、LASの炭素数毎に異性体を1本のピークとして分離するため、検出感度の向上と定量計算の簡便化、さらに分析時間の短縮が可能です。また、直鎖型(LAS)と分岐鎖型は分離するため、これらを判別することができます。さらに、一般的なODSカラムと比較しても測定値の差違に有意差は無く※、低濃度領域でもより正確な測定を行うことが出来ます。
※ 栃本 博ら; 東京都健康安全研究センター 研究年報, 58 (2007).
陰イオン界面活性剤分析におけるODSカラムとWakopak® Wakosil® AS-Aquaの比較
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[HPLC]
Eluent : CH3CN/H2O = 65/35(v/v) + 12.3 g/1,000 mL NaClO4添加 Flow rate : 1.0 mL/min. (Wakopak® Navi C18-5), 0.7 min. (Wakopak® Wakosil® AS-Aqua) Detection : FL Ex. 221 nm, Em. 284 nm Injection volume : 10 µL Sample : 陰イオン界面活性剤混合標準液 (アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム: C10, C11, C12, C13, C14 (each 10 mg/L in CH3OH)) Column : Wakopak® Navi C18-5 4.6 mm x 250 mm (ODSカラム) Column : Wakopak® Wakosil® AS-Aqua※
※ Wakopak® Wakosil® AS-Aquaは直鎖と分岐鎖についても認識・分離が可能です。
陰イオン界面活性剤試験用標準液とトルエンの分離
前処理方法により、測定用の抽出試料にトルエンが混入する場合がありますが、Wakopak® Wakosil® AS-Aquaを使用した分析では、トルエンと陰イオン界面活性剤は分離して溶出されるため、トルエンピークの妨害を受けることなく分析可能です。
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[HPLC]
Column : Wakopak® Wakosil® AS-Aqua 4.6 mm x 250 mm Column temperature : 40℃ Eluent :CH3CN/H2O = 65/35(v/v) + 12.3 g/1,000 mL NaClO4添加 Flow rate :0.7 mL/min. Detection :(上図) FL Ex. 221 nm. Em. 284 nm (下図) UV 225 nm Injection volume : 10 μL Sample : 陰イオン界面活性剤混合標準液 (アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム: C10, C11, C12, C13, C14 (each 10 mg/L in CH3OH)) + 1 μL/mL トルエン添加
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