ゲノム編集関連試薬

CRISPR-Cas9によるゲノム編集

ゲノム編集とは、狙った位置でDNAを切断し、DNAを取り除いたり、新しいDNAを挿入したりする技術のことです。そのためにまず必要なのは、DNAを標的の位置で切断できる酵素です。2012年に、ダウドナ教授・シャルパンティエ教授らによって報告されたCRISPR-Cas9システムでは、Cas9という酵素を使ってDNAを切断します(図1)。Cas9を、標的のDNA切断部位に導くために、ガイドRNAと呼ばれるRNA分子も同時に導入します。ガイドRNAの一部を、標的DNAと相補的な配列にしておくことで、Cas9を目的の位置で働かせることができます。

図1 Cas9とガイドRNAによるDNA二本鎖の切断。赤で示した部分が、ガイドRNA・標的DNAにおいて相補的。

 

切断されたDNAは、細胞がもともと持っているDNA修復機構によってつなぎ合わされます(図2)。この際に、挿入したいDNAを供給しておけば、そのDNAを使って修復が起こり、結果として新しいDNA配列が挿入されたDNAを作製することができます。しかしながら、現状では、挿入効率があまり高くなかったり、細胞の種類や周期によって修復方法が限定されるなどの問題があり、より良いDNA挿入手法の開発が求められています。

図2 切断されたDNAの修復。(NHEJを利用した挿入法もある)

 

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