ニッポンジーン Cas9タンパク質

ニッポンジーンのCas9タンパク質はStreptococcus pyogenes 由来のCas9ヌクレアーゼを、組換え大腸菌で発現・精製したものです。核移行シグナル(NLS: nuclear localization sequence)を有しており、合成したガイドRNA(gRNA)と組み合わせることでゲノム編集に利用することができます。

ニッポンジーンは、ERS Genomics社とCRISPR/Cas9ゲノム編集技術特許に関するライセンス契約を締結しております。
ニッポンジーンは、CRISPR/Cas9技術を使用する研究用試薬の開発および製造販売することについて、日本国内で非独占的に実施する権利を得ております。
詳しくはこちらをご確認ください。

特長

ニッポンジーンCas9タンパク質の特長
  • 15 μg/μLの高濃度品をラインアップに追加
    高濃度Cas9タンパク質は、使用の際にグリセロールやバッファー類の持ち込みを最小限に抑えることが可能
    特にエレクトロポレーションによるCas9タンパク質の導入など、 添加量が制限される場合において有効
  • 生産効率を上げて低価格を実現
  • 高純度・高品質のCas9 Nuclease タンパク質
  • 核移行シグナル(NLS)を付加
  • 低エンドトキシン(1 EU/μg 未満)
  • 国内製造品により、バルクや特注品対応可能

使用例1

ヒトiPS細胞の遺伝子ノックイン                         ※ 本実験データは、株式会社 特殊免疫研究所 様からご提供いただきました。

Cas9 Nuclease protein NLS(15 µg/µL)を使用し、エレクトロポレーション(EP)法でヒトiPS細胞2101B7株へ導入し、ノックイン細胞株を作製した。 ノックインには、標的遺伝子XXにある制限酵素HindIIIサイトの中にEcoRIサイトを付加した150 nt のノックインドナーDNA(一本鎖オリゴヌクレオチド:ssODN)を使用した。

エレクトロポレーション法(EP)でトランスフェクション
装置
細胞数
使用製品
セレクション
:4D-Nucleofector (Lonza)
:0.5 x 106 cells/EP
:Cas9 Nuclease protein NLS (15 µg/µL) 100 pmol
:限界希釈・ピックアップ
Cas9タンパク質のトランスフェクション

全アレルノックイン(ホモKI)候補サンプル例

ゲノム編集により、制限酵素HindIIIサイトがある標的配列にノックアウト(KO)、ノックイン(KI)などの遺伝子変異が生じると、HindIIIでは切断されない。ssODNには制限酵素EcoRIサイトを付加しているため、ssODNによるノックイン(KI)に成功すると、EcoRIによって切断されるバンドが生じる。
したがって、上図において両アレルノックイン(ホモKI)候補は、6、16、21レーンのサンプルである。

Cas9タンパク質の全アレルノックイン(ホモKI)候補サンプル例

iPS細胞ノックイン細胞株のシークエンス解析

野生型配列とのアラインメント
両アレルノックイン(ホモKI)候補サンプルの変異領域についてシークエンス解析を行い、ノックイン細胞株であることを確認した。野生型アレルの制限酵素HindIIIサイト(AAGCTT)配列の中に、制限酵素EcoRIサイト(GAATTC)がノックインされている。

Cas9タンパク質のiPS細胞ノックイン細胞株のシークエンス解析

結果:Cas9 Nuclease protein NLS(15 µg/µL)を用いて、ヒトiPS細胞のノックイン細胞株(EcoRIサイト導入)を得ることができた。

使用例2

Cas9 Nuclease protein NLS (3 µg/µl) を用いたノックインマウスの作出    ※ 本実験データは、株式会社 特殊免疫研究所 様からご提供いただきました。

マウスSmpd3 遺伝子を標的として、本製品とgRNAおよびノックインドナーDNA(一本鎖オリゴヌクレオチド:ssODN)を混合し、C57BL/6Jマウス受精卵の前核と細胞質にマイクロインジェクションした。マウス 2細胞期胚を仮親に移植し、誕生した仔マウスについて遺伝子ノックインの有無を確認した。

Cas9_Nuclease_protein_NLSを用いたノックインマウスの作製

A)Surveyorアッセイによる変異導入(ノックアウト)の確認

Surveyor assay (Cel-I ヌクレアーゼアッセイ) では、Cas9 の導入によりノックアウト、ノックインなどの遺伝子変異が導入された改変体個体をバンドシフトによりスクリーニングすることができる。本実験では、誕生した仔マウス11匹のうち6匹のサンプルにおいて、Cel-Iヌクレアーゼにより切断されたPCR産物が観察された(矢印, 下左図)。

B) PCR-RFLPによる変異導入(ノックイン)の確認

ドナーDNA(ssODN)に予め制限酵素(BamHⅠ)サイトを付加した。得られたPCR産物をBamH I で消化したところ、Surveyor assay で陽性検出された変異体候補サンプルで、切断断片が観察された(矢印, 下右図)。

PCR-RFLPによる変異導入(ノックイン)の確認

結果:誕生した11匹の仔マウスのうち 6匹のマウスにおいて遺伝子ノックインが確認された。
   このことから、Cas9 Nuclease protein NLS を用いて効率良く遺伝子ノックインを行えたことが分かった。

変異型Cas9

Cas9 Nickase protein NLS

Cas9 Nickase protein NLS(15 μg/μL)は、Streptococcus pyogenes 由来のCas9 Nucleaseに変異(D10A)を導入しており、DNAの一本鎖のみを切断しニックを入れる活性を持ちます。
そのため、ゲノム編集の際は同時に2種類のガイドRNAを使うことでオフターゲットを抑制することができます。

dCas9 protein NLS

dCas9 protein NLS(15 μg/μL) は、Streptococcus pyogenes 由来のCas9 Nucleaseに変異 (D10A, H840A)を導入しており、DNA切断活性を持ちません。 ガイドRNAを介して標的配列に結合することができ、転写抑制等の研究への応用が期待されます。

特長

日本製高濃度Cas9タンパク質
  • 超高濃度品(15 μg/μL)
    高濃度Cas9タンパク質は、使用の際にグリセロールやバッファー類の持ち込みを最小限に抑えることができます。
    特にエレクトロポレーションによるCas9タンパク質の導入など、 添加量が制限される場合において有効です。
  • 国内製造品
    大容量バルクの供給や特注製造が可能です。

製品一覧

  • 項目をすべて開く
  • 項目をすべて閉じる

Cas9 protein

Cas9 Nickase

dCas9

関連製品一覧

  • 項目をすべて開く
  • 項目をすべて閉じる

ガイドRNA合成キット

T7 Endonuclease

抗Cas9モノクローナル抗体

  • 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
  • 掲載されている製品について
    【試薬】
    試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
    試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
    【医薬品原料】
    製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
  • 表示している希望納入価格は「本体価格のみ」で消費税等は含まれておりません。
  • 表示している希望納入価格は本記事掲載時点の価格です。