ペプチド研究所 mitoNEET-(RH)9
mitoNEET-(RH)9は、「ミトコンドリア移行シグナルペプチド mitoNEET」 と 「細胞膜透過性・プラスミドDNA結合性ペプチド (RH)9」 を融合した機能性ペプチドです。
mitoNEET-(RH)9は、様々な遺伝子と複合体を形成し、ミトコンドリア選択的に遺伝子を送達することができます。この送達システムを利用することで、さまざまなタンパク質を発現する遺伝子をミトコンドリアへ特異的に導入が可能となり、ミトコンドリア病の治療への貢献や、ミトコンドリアDNA編集技術への応用が期待されています。
mitoNEET-(RH)9
ミトコンドリアはほぼ全ての細胞に存在する、エネルギー産生等に関わる重要な細胞小器官で、その構造は、外膜と内膜の二重の生体膜に囲まれています。ミトコンドリア病はミトコンドリアの働きが低下することで発症する病気の総称で、原因となる多数の遺伝子変異がミトコンドリアDNAとゲノムDNAの両方で見つかっています。ミトコンドリアは体中のほとんどの細胞に存在するため、ミトコンドリア病の症状は様々な組織や臓器に現れます。
理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター バイオ高分子研究チームの沼田 圭司 チームリーダー(京都大学大学院 工学系研究科 教授、慶應義塾大学 先端生命科学研究所 特任教授)、吉永 直人 基礎科学特別研究員(慶應義塾大学先端生命科学研究所 特任助教)らの共同研究グループは、ミトコンドリア膜貫通タンパク質(mitoNEET)の一部の配列を含む機能性ペプチド mitoNEET-(RH)9 を新たに開発しました。
mitoNEET-(RH)9 と外来遺伝子を含むプラスミドDNA(pDNA)またはミトコンドリアDNA(mtDNA)からなるミトコンドリア標的複合体を細胞に投与すると、ミトコンドリアに選択的に集積することを見いだしました。複合体として送達されたmtDNAは、mtDNA欠損細胞のミトコンドリア機能回復に十分な遺伝子発現を行うことが明らかとなりました。
mitoNEET-(RH)9 を利用した複合体は、正に帯電したペプチドと負に帯電したpDNAまたはmtDNAとの間に働く静電相互作用を駆動力としているため、送達するDNAの長さに制限はありません。この静電相互作用を利用した複合体を用いれば、mtDNAそのものをミトコンドリア内部に供給することが期待できます。
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【機能性ペプチドとプラスミドDNAからなる複合体によるミトコンドリアへの遺伝子輸送】
出典:理化学研究所プレスリリース
本品は、理化学研究所(理研)環境資源科学研究センターバイオ高分子研究チームの沼田圭司チームリーダー(京都大学大学院工学系研究科教授、慶應義塾大学先端生命科学研究所特任教授)、吉永直人基礎科学特別研究員(慶應義塾大学先端生命科学研究所特任助教)らの共同研究グループによる研究成果です。本製品は研究用試薬であり、研究目的以外の使用については理化学研究所からの許諾が必要です。
原論文情報
Yoshinaga, N., Miyamoto, T., Odahara, M., Takeda-Kamiya, N., Toyooka, K., Nara, S., Nishimura, H., Ling, F., Su'etsugu, M., Yoshida, M. and Numata, K. : Adv Funct Mater., 34, 8 (2024)
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