脳オルガノイド・神経オルガノイド
脳オルガノイドおよび神経オルガノイドは、ES細胞やiPS細胞から単一の細胞を誘導するだけでなく、複数の細胞から形成される三次元組織として、脳や神経組織を部分的に再現したものです。ヒトの脳が形成される過程をin vitroで観察できるようになったことで、ヒト胎児期の神経新生や疾患特有のシグナル異常といった病態研究が進められています。
脳オルガノイド、神経オルガノイドの基礎から作製原理、分化誘導プロトコル・使用する試薬をご紹介します。
脳オルガノイドの基礎
ヒトの脳は非常に複雑な構造を持ち、個々の領域が独自の機能を担っています。近年の幹細胞技術の発展により、各脳領域の特徴を模した「脳領域特異的オルガノイド」の作製が可能となり、ヒトの脳発達の解明や難治性精神・神経疾患の病態解明、創薬研究が進んでいます。
大脳オルガノイド

大脳は、脳の半分以上の体積を占め、知覚、思考、言語、注意、エピソード記憶、随意運動などの複雑な現象の根底にある司令塔としての役割を担っていると考えられています。大脳オルガノイドは、ヒトの脳発達の十分に理解されていないプロセス、特にヒトの進化の過程で顕著な種特異的拡大と多様化を遂げた集団、例えば上皮質層の外側放射状グリア (outer Radial Glia:oRG) や脳梁投射ニューロン (Callosal Projection Neurons:CPN) などのヒト皮質細胞の多様化の事象を研究するための有望なモデルとして活用されています。
in vivoにおける大脳皮質の発生と構造
大脳皮質は、以下のような発生過程を経て形成されます。
- 初期増殖期 (神経上皮の増殖)
神経管閉鎖後、神経上皮細胞 (Neural Epithelium Cell:NEC) が対称分裂による自己複製を繰り返し、神経上皮プールを増殖させます。 - 神経新生 (ニューロンの供給)
神経新生の開始に伴い、NECは放射状グリア細胞 (Radial Glial Cell:RGC) へと変化します。脳室側に位置する細胞体を持ち、脳表面の基底膜側 (basal側) に突起を伸ばすRGCは特にaRGC (apical Radial Glia Cell) と呼ばれます。aRGCは非対称分裂を行い、1つのaRGCと、中間前駆細胞 (Intermediate Progenitor Cell:IPC) もしくはニューロンを産生します。 - 6層構造形成
aRGCが生成したニューロンが深層 (V/VI層) から上層 (II/III/IV層) へと配置され、異なる6層構造を形成します。 - 辺縁帯 (MZ) による制御
大脳皮質原基以外の場所から発生したCajal-retzius細胞が、接線方向に移動して辺縁帯 (Marginal Zone:MZ) を構成し、ニューロンの適切な層配置を制御します。
大脳皮質における種間差

ヒトの大脳皮質の神経細胞数は、約160億個に達し、マウスの約1000倍、ヒトに最も近縁なチンパンジー (約60億個) と比較しても約2.7倍という圧倒的なスケールを有しています。この細胞数の決定には、初期発生における神経上皮細胞 (Neuroepithelial cell:NEC) プールの大きさが直接影響します。NECの増殖期間が長いほど最終的な神経細胞数は増加しますが、実際に齧歯類と比較して霊長類ではこの増殖期間が長いことが確認されています。
ヒト大脳皮質の顕著な特徴として、II/III層 (皮質上層) に位置する錐体ニューロンの割合が著しく増加している点が挙げられます。マウスの皮質上層ニューロンが3つのサブタイプで構成されているのに対し、ヒトでは5つのサブタイプが存在します。大脳皮質は各層ごとに固有の機能を持つため、この上層ニューロンの多様性 (多様なサブタイプの獲得) が、ヒト特有の高度な認知機能や脳の高機能化の進化を支える基盤であると考えられます。
もう一つの重要な相違点は、大脳皮質の折り畳み構造 (脳回) の有無です。この構造により、ヒトは限られた頭蓋容積内で皮質表面積を拡大させることができました。外側脳室下帯 (Outer Subventricular Zone:oSVZ) や基底放射状グリア細胞 (Basal Radial Glia Cells:bRGC) は、ヒトなどの脳回を有する哺乳類に豊富に存在しますが、マウスにはほとんど存在しません。このことから、bRGCは皮質拡大と折り畳みに寄与する神経前駆細胞の重要な供給源であり、ヒトの脳回・脳溝形成において重要な役割を担っていることが示唆されています。
大脳皮質オルガノイド誘導プロトコル
ヒト多能性幹細胞 (hESC/hiPSC) から大脳皮質オルガノイドを誘導する手法は、アプローチの違いから「Pre-patterning」と「Self-patterning」の2つに分類されます。

①Pre-patterning (指向性誘導法)
外部から外因性シグナル (低分子化合物や増殖因子) を添加し、目的の脳領域へと指向性を持たせて誘導する手法です。
従来のマウスES細胞からの神経分化誘導は、血清添加下での胚様体 (Embryoid Body:EB) 形成が主流でしたが、神経分化効率の低さがネックとなっていました。これに対し、笹井・渡辺らは無血清培地を用いた浮遊培養法「SFEB法」を開発しました。終脳、脳室帯、脳室下帯、中間層に特異的に発現する転写因子『Foxg1』の誘導に成功し、終脳前駆細胞の誘導が確認されました。またROCK阻害剤を培養系に導入することで細胞生存率が大幅に改善し、ヒト細胞での再現が可能となりました。
しかし、SFEB法は、形成される細胞塊のサイズにばらつきがあり、Foxg1陽性細胞の誘導効率は50%を下回るなど再現性に課題を残していました。この問題を解決したのが永樂らの「SFEBq法」です。低接着性96wellプレートを用いて細胞を迅速に強制凝集させることで、均一な細胞塊の作製に成功しました。これにより、Foxg1発現効率は最大75%に達しました。

②Self-patterning (自発的・非指向性誘導法)
外因的なパターニング因子に頼らず、幹細胞が本来持つ内在的な自己組織化 (Self-organization) 能力を最大限に利用する手法です。
Lancasterらによるプロトコールは、外因性のシグナル因子を使用せず、幹細胞の内在的な分化能 (Self-patterning) を促進する方法です。化合物での制御を行わない代わりに、EBをマトリゲル液滴に包埋し、回転式バイオリアクターを用いた旋回培養を行うことで、栄養の吸収と3次元的な細胞の成長を促進させます。
この培養系により、脳室様の空洞を囲む形でN-cadherinの先端極性を示す神経上皮シートが形成されます。10ヶ月以上の長期培養が可能であり、大脳皮質組織のほか、脈絡層や網膜を思わせる構造も同時形成されます。初期は前脳・中脳・後脳のマーカーの発現が確認されたが、培養が進むにつれて前脳の発現が高く維持されます。
外因性因子によるパターニングを行わないにもかかわらず、最終的には前脳マーカーFoxg1や皮質マーカーEmx1の発現が確認されます。さらに、組織内には脳室帯、脳室下帯、皮質板に類似した層構造や、霊長類特異的な神経幹細胞であるbRGC様の構造とマーカーの発現が確認されています。
中脳オルガノイド
中脳は、視覚、感覚、認知機能、運動制御に関与する核、神経、神経路からなる複雑な脳領域です。特に、脳水道の腹側に位置するドーパミン核が、腹側被蓋野 (Ventral Tegmental Area:VTA) および黒質全体にわたって、報酬、認知、随意運動の制御において重要な役割を果たしています。中脳ドーパミン (midbrain dopamine:mDA) システムの機能不全は、パーキンソン病 (Parkinson Disease:PD)、注意欠陥多動性障害、自閉症、薬物依存、小児神経疾患など、幅広い神経学的および神経精神医学的疾患と関連付けられていることから、中脳オルガノイドはこれら疾患の重要な空間的および分子的特徴を再現する研究モデルとして有用です。
小脳オルガノイド
小脳は、運動行動における役割に加え、言語、空間認知、ワーキングメモリ、情動処理などの認知機能への関与が近年注目されています。ダンディ・ウォーカー奇形や小脳虫部低形成、髄芽腫の発症と密接に関連しており、これら疾患メカニズムの解明、創薬・治療戦略に繋げるためにhPSC由来の小脳オルガノイド研究が進められています。
視床下部オルガノイド
視床下部は恒常性 (体温・概日リズム・摂食・生殖) を維持するための機能を担っています。下垂体と連携してホルモン分泌を調節するため、神経系と内分泌系をつなぐ重要な役割を果たしています。その機能不全は、代謝障害 (肥満、糖尿病、尿崩症) や睡眠障害を引き起こすだけでなく、アルツハイマー病やパーキンソン病 (PD) 等の神経変性疾患にも深く関与しています。近年、視床下部に影響を与えるこれらの疾患モデルにhPSC由来のオルガノイド研究が注目されています。
線条体オルガノイド
線条体はヒトの脳内の神経回路を連結する役割を担っており、その機能不全はハンチントン病 (Huntington’s Disease:HD) などの神経疾患を引き起こします。線条体オルガノイドは、線条体の発達および関連疾患の研究、異なる脳領域間の神経回路の特性評価、および治療戦略の検証に有用です。
脳オルガノイド作製プロトコル
大脳オルガノイド、中脳オルガノイド、小脳オルガノイド、視床下部オルガノイド、線条体オルガノイドの作製プロトコルと使用する試薬をご紹介します。
大脳オルガノイド作製プロトコル・使用する試薬
大脳オルガノイドの作製において、各過程で使用する試薬をご紹介します。プロトコル詳細については、参考文献(Supakul, S., et al., 2023)をご参照ください。
| iPSCs | 細胞凝集体 | 大脳皮質オルガノイド | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
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| 培地 | hPSC Medium | DMEM/F12 | DMEM/F12 | DMEM/F12 | DMEM/F12 | ||
| 血清/添加剤 | PS | SSR/NEAA/2-ME/ L-Ala-L-Gln/PS | NEAA/L-Ala-L-Gln/N2/PS | N2/B27-VitaminA/NEAA/ 2-ME /Insulin/L-Ala-L-Gln/PS/CDLC | N2/B27/NEAA/Insulin/2-ME/L-Ala-L-Gln/PS/CDLC | ||
| 足場材 | iMatrix-511Silk | EHS gel matrix | |||||
| 培養用化合物 | SB431542/IWP-2/Y-27632 | SB431542/CHIR99021 | |||||
| LDN193189 | |||||||
| 器材 | 96-well plate | ||||||
※Supakul, S., et al., 2023 のデータを基に改変・作成
中脳オルガノイド作製プロトコル・使用する試薬
中脳オルガノイドの作製において、各過程で使用する試薬をご紹介します。プロトコル詳細については、参考文献(X, Yao et al., 2023)をご参照ください。
| iPSCs | 胚葉体 | 神経外胚葉 | 中脳床板 | 中脳オルガノイド | |||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
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| 培地 | hPSC Medium | DMEM/F12 | DMEM/F12/Neurobasal medium | DMEM/F12/Neurobasal medium | |||
| 血清/添加剤 | SSR/FBS/NEAA/2-ME/L-Ala-L-Gln/PS/Heparin | N2/B27-VitaminA/PS/L-Ala-L-Gln/NEAA/2-ME/Heparin | N2/B27/PS/L-Ala-L-Gln/NEAA/2-ME/Heparin/L-Ascorbic Acid/cAMP | ||||
| Laminin/Insulin | |||||||
| 解離試薬 | Trypsin-EDTA | ||||||
| 足場材 | EHS gel matrix | ||||||
| 培養用化合物 | Y-27632 | Dordsomorphin/A83-01/IWP-2/CHIR99021 | SAG | ||||
| サイトカイン | bFGF | bFGF | FGF8 | ||||
| BDNF/GDNF | |||||||
| 器材 | 96-well plate | ||||||
※X, Yao et al., 2023のデータを基に改変・作成
小脳オルガノイド作製プロトコル・使用する試薬
小脳オルガノイドの作製において、各過程で使用する試薬をご紹介します。プロトコル詳細については、参考文献(Atamian, A., et al., 2024)をご参照ください。
| iPSCs | 中脳/菱脳境界 | 脳室帯、菱脳唇 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
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| 培地 | hPSC medium | IMDM/F12 | DMEM/F12 | DMEM/F12/Neurobasal medium | ||||
| 血清/添加剤 | PS | Monothioglycerol/BSA/Transferrin(Apo)/insulin/CDLC | SSR/Transferrin(Apo)/insulin/PS/L-Ala-L-Gln/2-ME | N2/B27/ L-Ala-L-Gln /PS | N2/B27/ L-Ala-L-Gln/PS/Heparin/Amphotericin B | |||
|
解離試薬 |
Accutase | |||||||
| 足場材 | EHS gel matrix | EHS gel matrix | ||||||
| 培養用化合物 | SB431542/CHIR99021 | |||||||
| Y-27632 | T3 | |||||||
| サイトカイン | bFGF | Noggin | ||||||
| FGF8b | BDNF | |||||||
| 器材 | 96-well plate | 10-cm culture plates | ||||||
※Atamian, A., et al., 2024のデータを元に改変・作成
視床下部オルガノイド作製プロトコル・使用する試薬
視床下部オルガノイドの作製において、各過程で使用する試薬をご紹介します。プロトコル詳細については、参考文献(Sarrafha, L., et al., 2023)をご参照ください。
| iPSCs | 視床下部のパターン形成 | 視床下部オルガノイド | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
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| 培地 | hPSC medium | DMEM/F12 | |||||
| 血清/添加剤 | PS | PS/L-Ala-L-Gln/B27-VitaminA/N2 | |||||
| dcAMP | |||||||
| 解離試薬 | Accutase | ||||||
| 足場材 | EHS gel matrix | ||||||
| 培養用化合物 | Y-27632 | LDN193189/SB431542/XAV939 | |||||
| Thiazovivin | Purmorphamine/SAG | DAPT | |||||
| サイトカイン | bFGF | BDNF/GDNF | |||||
※Sarrafha, L., et al., 2023のデータを元に改変・作成
線条体オルガノイド作製プロトコル・使用する試薬
線条体オルガノイドの作製において、各過程で使用する試薬をご紹介します。プロトコル詳細については、参考文献(X, Chen et al., 2022)をご参照ください。
| iPSCs | 側方神経節隆起誘導 | 線条体オルガノイド | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
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| 培地 | DMEM/F12/hPSC medium | DMEM/F12/Neurobasal media | |||||
| 血清/添加剤 | NEAA/L-Ala-L-Gln/N2 | L-Ala-L-Gln/N2/B27/PS/NEAA | |||||
| 解離試薬 | Accutase | ||||||
| 足場材 | EHS gel matrix | ||||||
| 培養用化合物 | Y-27632 | ||||||
| LDN193189/SB431542 | Purmorphamine | ||||||
| サイトカイン | BDNF/GDNF | ||||||
| 器材 | 96-well plate | 60mm culture plates | |||||
※X, Chen et al., 2022のデータを元に改変・作成
神経オルガノイドの基礎

ヒト幹細胞由来ニューロンは、創薬や重篤な神経疾患の治療法の開発において重要な基盤となるほか、神経発達、機能、疾患の解明に向け広く研究されています。近年、その生理学的モデリングにおいて、適切な多細胞組織と微小環境の重要性が明らかになり、多細胞構造をより正確に再現するシステムとして、in vitro3次元「オルガノイド」培養システムの活用が進んでいます。
領域化オルガノイド
領域化オルガノイドとは、多能性幹細胞 (iPS細胞など) から立体的に臓器や組織を作成する際、生体内の発生プロセスを再現し、単一のオルガノイド内部に特定の機能的・構造的な領域 (パターニング) を作り出す技術やその組織です。
領域化オルガノイドの例
上記で紹介したオルガノイドの他にも、以下に記載するような多くのオルガノイドの作製方法が報告されています。
① 脈絡叢 (Choroid Plexus) オルガノイド
背内側終脳領域の最背側に位置する蓋板 (Roof plate) に由来し、発生期において高濃度のBMPおよびWntシグナルが発現する領域で形成されます。大脳皮質への誘導条件をベースとし、神経領域化が完了する培養18日目以降に、Canonical Wntシグナル活性化剤 (CHIR99021) およびBMP4タンパク質を継続的に添加します。これにより、LMX1A/OTX2/トランスサイレチン陽性の脈絡叢上皮組織が3次元で効率良く誘導されます。
②海馬 (Hippocampus) オルガノイド
内側終脳の内側外套に由来し、大脳皮質と脈絡叢の中間に位置します。
脈絡叢誘導と同様にCHIR99021とBMP4を使用しますが、添加期間を培養18〜21日目の3日間に限定します。これにより背内側終脳が誘導されます。長期培養 (60日以上) により海馬マーカー (ZBTB20) や歯状回ニューロンマーカー (PROX1) が発現します。
③脊髄 (Spinal Cord) オルガノイド
脊髄の発生期において、オーガナイザーから分泌される因子の濃度勾配 (背側のBMP/Wnt、腹側のShhシグナルなど) により、背側は6つの前駆細胞ドメイン、腹側は5つの前駆細胞ドメインへと分割されます。
従来の運動ニューロン誘導プロトコルから、あえてBMP阻害剤 (LDN-193189) とShhアゴニスト (SAG) を除去することで、より広範な背側〜中間領域の連結神経上皮を誘導します。ここに、外因性SAGを濃度依存的に添加することで、脊髄の中間領域あるいは腹側領域へとパターニングを自在に制御することが可能です。
④腹側終脳 (Ventral Telencephalon) オルガノイド
主に抑制性介在ニューロンを産生する領域であり、外側基底核原基 (lateral ganglionic eminence:LGE)、内側基底核原基 (medial ganglionic eminence:MGE)、尾側基底核原基 (caudal ganglionic eminence:CGE) などの領域から成ります。
ShhシグナルによってLGE (GSH2陽性)、MGE (NKX2.1陽性)、CGE (CoupTFII陽性) へとパターニングされます。大脳皮質分化条件の培養15〜21日目において、低濃度 (30nM) のSAG添加では、PAX6 (大脳皮質) とGSH2 (LGE) が連続上皮の中で形成されます。一方、高濃度 (500nM) のSAG添加を行うと、PAX6やGSH2の発現は抑制され、NKX2.1陽性の神経上皮が効率良く誘導され、完全な腹側化が達成されます。
培養環境制御による神経オルガノイドの領域化
参考文献
- A, Uzquiano et al.: Cell., 185, 3770 (2022)
- T, Kitahara et al.: Stem Cell Reports., 15, 467 (2020)
- D, Budinger et al.: Nat Commun., 17, 1354 (2026)
- J, Kawada et al.: Stem Cell Reports., 9, 1441 (2017)
- 萩原龍馬、永樂元次:オルガノイド研究, 133 (2024).
- 坂口秀哉:オルガノイド研究, 125 (2024)
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