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Mature BDNF ELISAキットワコー、高感度品 Mature BDNF ELISA Kit Wako, High Sensitive

免疫化学用
for Immunochemistry
製造元 :
富士フイルム和光純薬(株)
保存条件 :
冷蔵 (氷冷輸送)
適用法令 :
優先評価物質
GHS :
  • 構造式
  • ラベル
  • 荷姿
SDS
比較
製品コード
容量
価格
在庫
販売元
290-85801
JAN
4548995096319
96回用
希望納入価格
93,000 円

20以上

ドキュメント

SDS
製品規格書
添付文書
スペクトルデータ
検査成績書
校正証明書

キットコンポーネント

96回用

抗体固相化プレート 1プレート
Mature BDNF 標準品(凍結乾燥品) 1本
緩衝液 60 mL
ビオチン結合抗体(凍結乾燥品) 1本
ペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジン溶液 100 μL
発光試薬1 6 mL
発光試薬2 6 mL
洗浄液(10×) 100 mL
プレートシール 4枚

製品概要

脳由来神経栄養因子(BDNF: Brain-derived neurotrophic factor)は脳に豊富に存在する神経栄養因子のひとつで、神経発生・神経保護・シナプス形成などに関与していることが知られています。またうつ病をはじめとした精神疾患のバイオマーカーとしても期待されています。
BDNFは前駆体であるproBDNFがプロセシングを受け、Mature BDNF(mBDNF)となります。proBDNFとmBDNFは異なる生理活性を有することが報告されており、それぞれのBDNFを区別して測定することが重要です。

Mature BDNF ELISAキットワコー、高感度品は検体中のmBDNFを測定するELISAキットです。発光検出系を採用しており、発色検出系のmBDNF ELISAキット(コードNo. 296-83201)の約35倍の感度を実現しました。これにより従来のキットでは困難だったマウス血清・血漿やヒト唾液中のmBDNFが測定可能です。また、proBDNFとの交差性も既存品より低く抑えられており、mBDNFを特異的に測定することができます。

お知らせ

本キットは「Mature BDNF ELISA キットワコー、高感度品」(コードNo.298-83901, 以下従来品)の改良品となります。従来品は2023年6月30日をもちまして販売を終了いたしました。
本キットは従来品よりも高感度にmBDNFを検出することができ、本キットと従来キットの測定値には相関があることが確認されています。従来品をご使用いただいていたお客様におかれましては、引き続き本キットをご使用いただけますようお願い申し上げます。

特長

  • mBDNFを高感度に検出
    - 検量線下限値は0.116 pg/mL、従来のキットでは困難だったマウス血清・血漿やヒト唾液中のmBDNFが測定可能
  • proBDNFにほとんど交差せず、mBDNFを特異的に測定
    - ヒトproBDNFとの交差率は1.30%、マウスproBDNFとの交差率は0.328%
表1 当社キットと従来キットの比較
本キット (発光系) 当社 (発色系) A社キット B社キット C社キット
検量線下限値 0.116 pg/mL 4.1 pg/mL 62.5 pg/mL 15.6 pg/mL 15.0 pg/mL
ヒトproBDNF との交差率 1.30 % 約10 % 約10 % 約15 % 約50 %

測定原理

本キットは、mBDNFのN末断端特異的なモノクローナル抗体とBDNFモノクローナル抗体の組合せによるサンドイッチELISAです。Mature BDNFのN末断端認識抗体を用いることでproBDNFと交差反応性が非常に低く抑えられており 、発光基質を用いることで高感度化しています。

キット性能

検量線範囲 0.116 - 50 pg/mL
測定対象 Mature BDNF
測定対象検体 ヒト血清・血漿・唾液
マウス血清・血漿・脳破砕液
ラット血清・血漿
必要検体量 13 µL (4倍希釈時)
測定時間 約4時間
検出法 発光系 (発光測定用のプレートリーダーが必要)

検量線例

データ

添加回収試験

ヒト

検体 添加量
(pg/mL)
測定値
(pg/mL)
回収量
(pg/mL)
回収率(%)
唾液 0.00 0.386
0.500 0.875 0.489 97.8
5.00 5.47 5.08 102
30.0 30.1 29.7 99.0
平均 99.6
血清 0.00 5.74
0.500 6.21 0.470 94.0
5.00 10.9 5.16 103
30.0 35.7 30.0 100
平均 99.0
血漿 0.00 4.27
0.500 4.78 0.510 102
5.00 9.53 5.26 105
30.0 34.4 30.1 100
平均 102

マウス

検体 添加量
(pg/mL)
測定値
(pg/mL)
回収量
(pg/mL)
回収率(%)
血清 0.00 0.646
0.500 1.11 0.464 92.8
5.00 5.38 4.73 94.6
30.0 30.7 30.1 100
平均 95.8
血漿 0.00 0.116
0.500 0.614 0.498 99.6
5.00 4.78 4.66 93.2
30.0 32.2 32.1 107
平均 99.9

ラット

検体 添加量
(pg/mL)
測定値
(pg/mL)
回収量
(pg/mL)
回収率(%)
血清 0.00 0.860
0.500 1.33 0.470 94.0
5.00 6.03 5.17 103
30.0 28.5 27.6 92.0
平均 96.3
血漿 0.00 0.767
0.500 1.26 0.493 98.6
5.00 5.95 5.18 104
30.0 28.4 27.6 92.0
平均 98.2

希釈直線性試験

ヒト

マウス

ラット

類似タンパク質との交差率

proBDNFおよびニューロトロフィンファミリー (NGF、NT-3、NT-4)の交差率を確認した。

生物種 タンパク質 交差率(%)
ヒト proBDNF 1.30
NGFβ < 0.232
NT-3 < 0.232
NT-4 < 0.232
マウス proBDNF 0.328
NGFβ < 0.232
NT-3 < 0.232
NT-4 < 0.232

[結果]

proBDNFおよびニューロトロフィンファミリー (NGF、NT-3、NT-4)とはほとんど交差しないことが確認できた。

野生型およびBDNFノックアウトマウス 脳破砕液での測定

BDNFへの特異性を確認するため、本キットで野生型マウスおよびBDNFノックアウトマウスの脳破砕液中のmBDNFを測定した。

[結果]

BDNFノックアウトマウスでは非常に低い測定値となっており、BDNFに対する高い特異性が確認された。

参考文献

使用文献

  1. Want, A., Morgan, J. E. and Barde, Y. A.: Sci. Rep., 13(1), 7740(2023).
    Brain-derived neurotrophic factor measurements in mouse serum and plasma using a sensitive and specific enzyme-linked immunosorbent assay
  2. Want, A. et al.: Brain Commun., 5(2), fcad046 (2023).
    Brain-derived neurotrophic factor released from blood platelets prevents dendritic atrophy of lesioned adult central nervous system neurons
  3. Ikenouchi, A. et al. : Brain Behav.,e3278(2023).
    Association between salivarymature brain-derived neurotrophic factor and psychological distress in healthcare workers
    ※1-3)の論文では本キットの前身となる「Mature BDNF ELISAキットワコー、高感度品」(コードNo. 298-83901, 販売終了)を使用しています。

FAQ

検体について

検体の保存はどのようにすればよいですか。

検体を長期保存する場合は、-80℃以下での凍結保存を推奨します。

唾液検体の採取はどのような方法が良いですか。

測定用の唾液採取には流涎法を推奨しています。流涎法とはバイアルやチューブなどに唾液を垂れ流すことで検体を採取する方法です。
コットンおよび不活化ポリマー素材のスワブで採取した場合にも、流涎法と同程度に測定が可能なことを確認しておりますが、スワブの素材によっては、測定対象が吸着する可能性がありますのでご注意ください。

唾液検体で上手く測定できない場合はどうすればよいですか。

粘性の強い唾液では期待する測定値が得られない場合があります。その場合、ムチンなどの不溶解物を除去するために、採取した唾液を一度凍結融解し、遠心分離 (例: 1500×g, 15分)後の上清を検体として測定を行ってください。

マウス脳破砕液を測定する際の抽出Bufferには何を使えば良いですか。

Protease Inhibitorを添加したRIPA Bufferを使用してください。 Buffer中の界面活性剤成分の影響を避けるため、キット添付のBufferで2倍以上に希釈してください。

各検体の推奨希釈倍率を教えてください。

希釈倍率の目安は以下の通りです。事前に検量線範囲内に収まるように適切な希釈倍率をご検討ください。

検体 希釈倍率
マウス血清・血漿 4倍
マウス脳破砕液
(抽出バッファー: RIPA Buffer+Protease Inhibitor)
2-320倍
ラット血清 50倍(目安)
ラット血漿 30倍(目安)
ヒト血清 10-2,000倍(目安)
ヒト血漿 10-80倍(目安)
ヒト唾液 2-8倍

キットについて

本製品で測定する際に必要な器具、装置は何ですか。
  • 精製水 (蒸留水)
  • 標準溶液/検体希釈用チューブ
  • 洗浄液希釈用ガラス器具 (メスシリンダー・ビーカー)
  • チップ交換型ピペット (使い捨てチップで10 μLを正確にピペッティングできるもの、および200~500 μLを正確にピペッティングできるもの)
  • 連続分注ピペット (100 μLを連続分注できるもの)
  • ペーパータオル等の吸水性のあるもの (洗浄後にプレートに残った液を取り除く)
  • 撹拌器 (Vortex タイプ)
  • マイクロプレート振とう器 (約600~800 rpm)
  • 96ウエルプレート用洗浄機 (あれば好ましい) または洗浄瓶
  • 96ウエルプレートリーダー (発光測定用)
  • データ処理ソフトウェア
本キットの抗体を単品販売していますか。

抗体の単品販売はございません。

キットの分割使用は可能ですか。

可能です。プレートは8ウェルずつ切り離せるようになっており、スタンダードも十分な量が入っています。ただし分割使用する場合、検量線はその都度引く必要があるので測定可能な検体数が減りますのでご注意ください。

1回で使用の場合→40検体 (80ウェル) ※スタンダードで16ウェル使用
2回で使用の場合→32検体 (64ウェル) ※スタンダードで32ウェル使用

概要・使用例

概要 BDNFは神経栄養因子の一つで、神経発生・神経保護作用・シナプス形成などに関与し、脳内で重要な役割を担うことが知られています。BDNFには前駆体であるproBDNFが存在し、BDNFとは異なる作用を有することが報告されています。proBDNFはプロセシングを受けることでmBDNF (mature BDNF)となります。
本品は検体中のmBDNF濃度を特異的に測定可能なELISAキットです。

■性能
検量線範囲 :0.116-50pg/mL
種交差性  :ヒト、マウス、ラット
測定対象検体:ヒト血清・血漿・唾液、マウス血清・血漿、ラット血清・血漿
必要検体量 :13μL(4倍希釈)
測定時間  :約4時間
検出法   :発光

物性情報

「物性情報」は参考情報でございます。規格値を除き、この製品の性能を保証するものではございません。
本製品の品質及び性能については、本品の製品規格書をご確認ください。
なお目的のご研究に対しましては、予備検討を行う事をお勧めします。

製造元情報

別名一覧

  • 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
  • 製品規格・包装規格の改訂が行われた場合、画像と実際の製品の仕様が異なる場合があります。
  • 掲載されている製品について
    【試薬】
    試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
    試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
    【医薬品原料】
    製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
  • 表示している希望納入価格は「本体価格のみ」で消費税等は含まれておりません。
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