ELISA/アッセイキット (脂質代謝)
脂質は細胞膜の主要な構成成分であり、炭水化物やタンパク質に並ぶ重要なエネルギー源です。生命活動に不可欠な脂質ですが、その代謝に異常が生じると肥満、糖尿病、動脈硬化などを引き起こします。当社では脂質や脂質代謝に関連する因子を定量可能なELISA/アッセイキット(試験研究用)をラインアップしております。
学術コンテンツ
脂質代謝のメカニズム
脂質は細胞膜の構成成分であり、その他ホルモンや胆汁酸の原料となります。またグルコースと同様にエネルギー源としても利用されます。血液中にはコレステロール、中性脂肪(トリグリセライドなど)、りん脂質、遊離脂肪酸(Non-esterified Fatty Acid/NEFA)が存在します。
食事によって消化・吸収された脂質はカイロミクロン (CM) と呼ばれる複合体を形成します。さらにカイロミクロンはカイロミクロンレムナント (CML) に変換され、肝臓に取り込まれます。このCMやCML中のアポリポタンパク質B-48(ApoB-48)は食物由来の脂質の動態を調べる際に有用と考えられています。
肝臓では超低比重リポタンパク (VLDL) が合成・放出され、低密度リポタンパク (LDL) となり、末梢組織にコレステロールなどを運搬します。一方、末梢組織から肝臓へのコレステロール輸送には高密度リポタンパク (HDL) が関与しており、最終的にHDLは肝臓で取り込まれます。
一般的に、LDL中のコレステロールを悪玉コレステロール、HDL中のコレステロールを善玉コレステロールと呼び、悪玉コレステロールや中性脂肪の値が高い、もしくは善玉コレステロールの値が低い場合、動脈硬化などになる危険が高いとされています。また肝臓に脂肪がたまると肝機能が低下し、有害なアンモニアが尿素に代謝されづらくなります。
またこのような脂質代謝の異常は、脂質と糖質の代謝をコントロールしているアディポネクチンなどのアディポサイトカインの分泌異常も引き起こし、糖尿病や動脈硬化をさらに進行させることになります。
参考文献
厚生労働省 e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/