抗ポドカリキシン / TERT / ポドプラニン抗体

膜一回貫通型糖タンパク質であるポドカリキシン(Podocalyxin; PODXL)は、造血幹細胞マーカーCD34と高い相同性を持ち、腎糸球体上皮細胞(足細胞)で発見されたタンパク質です。細胞外領域に多くのグリコサミノグリカン、O及びN結合型糖鎖付加　部位を持ち、高度に糖鎖付加されたシアロムチン型タンパク質で、細胞の接着性、形態形成に寄与しています。

がん細胞において、ポドカリキシン上の糖鎖は内皮細胞上に発現するE-/P-/L-セレクチンのリガンドとなり、がん細胞の接着、浸潤、転移に関与していることが報告されています。大腸がん、乳がん、尿路上皮膀胱がん、膵臓がん、胃がん、精巣腫瘍、前立腺がん、卵巣がんにおいて高発現し、がんの悪性度や予後不良のマーカーであることが報告されています。

本抗体は、糖鎖付加の有無に依存せず、ヒトポドカリキシン分子を認識する抗体であり、正常・がん状態の組織及び細胞の検出に適しています。

TERT(Teromerase Reverse Transcriptase)はTERC(RNA構成要素)、dyskerinなどと共にテロメアを伸長させる酵素｢テロメラーゼ｣を構成するサブユニットの1つです。

神経膠腫、悪性黒色腫、肝細胞がんや膀胱がんなど多くのがん細胞でTERT遺伝子のプロモーター領域の変異が生じ、TERTの転写活性を亢進することが報告されています。

本抗体は、がん細胞で生じるTERTプロモーター変異(TERTタンパク質発現亢進)の確認にお使いいただける、免疫組織染色に適したモノクローナル抗体です。

膜一回貫通型糖タンパク質であるポドプラニン(Podoplanin; PDPN)は、リンパ管内皮細胞や肺胞上皮細胞のマーカーとして　利用されている他、脳腫瘍、悪性中皮腫、精巣腫瘍、卵巣がんや種々の扁平上皮がんなどで過剰発現すること、腫瘍細胞の浸潤や転移に関与すること、発現の強弱が予後や浸潤性と一定の相関性を示すことが知られています。腫瘍細胞マーカーとして利用される他、ポドプラニン発現による腫瘍細胞機能を解明するターゲットとして注目されています。

当社では複数のエピトープに対する抗ヒトポドプラニン抗体を取り揃えています。アプリケーションによって使い分け、もしくは組み合わせてご使用ください。

*：negative-cell （ポドプラニン(ヒト)発現なし）

WB : Western Blot, FCM : Flow Cytometry, IHC : Immunohistochemistry, ICC : Immunocytochemistry

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