シリカゲルTLCプレート(未修飾)
当社では、未修飾シリカゲルや化学修飾シリカゲル(C18、NH2)、ポリアミド・アルミナ・セルロースといった様々な担体のTLCプレートを取り揃えています。
細孔径7 nm(70Å)シリーズは蛍光物質を添加してる70F254タイプ、70FMタイプ、蛍光物質不含など各種用途に合わせてご用意しております。また、分取・精製用として蛍光物質を添加した層厚の異なる「シリカゲル70プレートPF254-ワコー」と「シリカゲル70プレートF254PLC-ワコー」をご用意し、TLCプレートによる掻き取り分取やシリカゲルを用いた分取クロマトグラフィーへも容易に移行できます。
クロマトシートは、シリカゲルと蛍光剤F254を紙繊維に固定した紙製TLCです。
ワコーゲル® FMプレートは固着剤にギプス・デンプンを使用し、3種の蛍光物質が添加されたTLCプレートです。
物性表
TLCプレートの選び方
①担体の種類
未修飾シリカゲル:吸着クロマトグラフィーモードで使用され、主に酸性または中性化合物の分離に適しています。
化学修飾シリカゲル:表面のシラノール基に種々の官能基を結合し、機能を変化させています。C18修飾シリカゲルはオクタデシル基(ODS)が結合したシリカゲルで、逆相クロマトグラフィーモードに適しています。NH2修飾シリカゲルはアミノプロピル基が結合したシリカゲルで、糖、カテコールアミン等の分離に適しています。
ポリアミド:吸着クロマトグラフィーモードで使用され、フェノール類やカルボン酸の分離に適しています。
アルミナ:吸着クロマトグラフィーモードで使用され、主に塩基性化合物の分離に適しています。
セルロース:順相クロマトグラフィーモードで、炭化水素の分離に適しています。
②細孔径・比表面積
細孔径が小さいほど、シリカゲルの比表面積が大きくなり、低分子の分離能が高くなります。逆にたんぱく質等の高分子は細孔径が大きいほど分離能が高くなります。試料の分子が細孔に出入りしやすくなるよう適切な細孔径の選択が必要です。
③支持体の種類
ガラスは、耐薬品性に優れており最も幅広く利用されています。一方、アルミニウムや紙はカッター、ハサミ等で容易に切断できますが、展開溶媒によっては担体が剥離したり、曲がったりする場合があります。またアルミニウムは強酸、強塩基などを展開溶媒や発色試薬に用いる事ができません。
④蛍光物質の有無
不含:蛍光物質を含まないため、発色試薬(硫酸、ニンヒドリン、よう素等)の噴霧によるスポット検出、蛍光を発する試料の選択的検出に適しています。
単色蛍光物質 :254 nmの紫外線照射でプレート全体が緑色の蛍光を発し、紫外吸収を有する試料が黒色のスポットとして検出されます。
混合蛍光物質:赤、緑、青の蛍光物質が添加されています。広領域紫外線(250~400 nm)照射でプレート全体は白色を示します。紫外吸収を有する試料はその物質特有の紫外部吸収を示し、赤や青などの有色スポットとして観察できます。
品名 | 細孔径 | 比表面積 | 細孔容量 | 層の厚さ | 支持体 | 固着剤 | 蛍光指示薬 | 検出 |
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シリカゲル(未修飾) | ||||||||
シリカゲル70 TLCプレート-ワコー | 7 nm | 450 m2/g | 0.8 mL/g | 190~290 μm | ガラスプレート | ポリマー | 不含 | 発色試薬 |
シリカゲル70F254 TLCプレート-ワコー | 単色蛍光体 | 紫外線(254 nm) | ||||||
シリカゲル70FM TLCプレート-ワコー | 混合蛍光体 | 広域紫外線(250~400 nm) | ||||||
シリカゲル70 PF254 プレート-ワコー | 700~900 µm | 単色蛍光体 | 紫外線(254 nm) | |||||
シリカゲル70F254 PLCプレート-ワコー | 900~1200 µm | 単色蛍光体 | 紫外線(254 nm) | |||||
ワコーゲル® FMプレート | 180~250 μm | ギプス・デンプン | 混合蛍光体 | 広域紫外線(250~400 nm) | ||||
クロマトシート | - | - | - | 300~400 μm | 紙 | - | 単色蛍光体 | 紫外線(254 nm) |
TLCプレート-ワコーの特長
優れた蛍光強度!
他社品と比べ、蛍光強度が高く、見えにくいスポットも検出可能です。
耐水性バツグン!
水100%でも展開可能のため、有機溶媒を使わない実験ができます。
スポットの収束性が高く、高分離能!
層厚の異なる2種類の分取用TLCを用意!
(シリカゲル70 PFプレート-ワコー)
種類と主な性質
分 析 用 |
シリカゲル70 TLCプレート-ワコー | 蛍光指示薬は添加されていません。発色試薬(硫酸、ニンヒドリン、ヨード等)の噴霧処理により、スポットを検出することができます。蛍光物質の選択的検出に便利です。 |
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シリカゲル70FM TLCプレート-ワコー | FMプレートには、光の三原色に相当する赤、緑、青の三種の蛍光物質が添加されています。広領域紫外線(λ=250 nm~400 nm)の照射により、スポットはその物質固有の紫外部吸収を示し白色地に赤や青などの有色スポットとして観察されます。 | |
シリカゲル70F254 TLCプレート-ワコー | 緑色の蛍光物質が添加されていますので、分離されたスポットは紫外(λ=254 nm)の照射により緑色地に暗いスポットとして観察されます。 | |
分 取 用 |
シリカゲル70 PF254プレート-ワコー | 本製品は緑色の蛍光物質を添加したシリカゲル70F254 TLCプレート-ワコーの分取用TLCプレートです。層厚が750 μmで固着剤の量を極限まで減らしたことにより、サンプルの採取を容易に行うことが可能です。 |
シリカゲル70 F254PLCプレート-ワコー | シリカゲル70 PF254プレートワコーの特長をそのままに層厚をさらに1000 μmと厚くした分取用TLCプレートです。さらに多くのサンプル採取を容易に行うことが可能です。 |
シリカゲル70F254TLCプレート-ワコーの展開例
標準試料の展開
実験条件
[試料]
|
[移動相] |
[検出] |
[展開距離] |
クロマトシート
クロマトシートとは
クロマトシートは、シリカゲルと蛍光剤F254を紙繊維に固定した紙製TLCです。
紙のため、はさみで容易に任意の大きさに切断でき、鉛筆などで簡単にシートへ記入できます。
また、かさばらず、粉落ちもしない為、ノートへの添付やファイリングも可能です。
大きさ: 20 cm × 20 cm
クロマトシートの特長
ガラス製シリカゲルTLCと同様の使い方で使用できます。
- 1 側面から溶媒を吸収しやすいため、濾紙を展開槽の壁面につけないでください。
- 2 紙製の為、 強酸を用いた試験はできません。
- 3 有機溶媒を完全に乾かした状態で加熱してください。ヒートガン(140℃)、ホットプレート(200℃)加熱できることを確認しています。
- 4 本製品は表裏どちらの面でもご使用いただけます。
ガラス製シリカゲルTLCと同様の検出挙動を示します。
分析条件
試料 | ① ブルシン ② オキシプロピルテオフィリン ③ カフェインの混合物 |
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試料濃度 | ① 6 mg/mL ② 10 mg/mL ③ 3 mg/mL (溶媒: クロロホルム 19+エタノール(99.5) 1 (体積比)) |
スポット量 | 5 μL |
展開溶媒 | クロロホルム 9 + メタノール 1 (体積比) |
展開距離 | 約5 cm |
検出 | りんモリブデン酸(PMA) |
ゴミの分別不要
紙でできているので環境負担も少なく廃棄も簡単です。
整理が楽々
かさばらず、整理できます。ファイリングもできるため、実験台の整理整頓にもつながります。
紙の特性を活かした自由な使い方
例えば、クロマトシートは丸めて展開することが出来ます。沢山スポット出来る為、カラムフラクションの確認等にご活用いただけます。
分析条件
試料 | ① ブルシン ② オキシプロピルテオフィリン ③ カフェインの混合物 |
---|---|
試料濃度 | ① 6 mg/mL ② 10 mg/mL ③ 3 mg/mL (溶媒: クロロホルム 19 + エタノール(99.5) 1 (体積比)) |
スポット量 | 5 μL |
展開溶媒 | クロロホルム 9 + メタノール 1 (体積比) |
展開距離 | 約5 cm |
様々な展開溶媒、呈色試薬が使用可能
クロロホルム | 酢酸 | 酢酸エチル | 1-ブタノール |
ヘキサン | 水 | メタノール |
塩基性過マンガン酸カリウム | 2,4-ジニトロフェニルヒドラジン(DNP) | ドラーゲンドルフ試薬 | ニンヒドリン |
ブロモクレゾールグリーン(BCG) | りんモリブデン酸(PMA) | よう素 |
はさみで切れる
鉛筆で書き込める
粉落ちしない
分析例
クロマトシートを用いた薬物の分析
分析条件
試料 | ① ブルシン ② オキシプロピルテオフィリン ③ カフェインの混合物 |
---|---|
試料濃度 | ① 6 mg/mL ② 10 mg/mL ③ 3 mg/mL (溶媒: クロロホルム 19 + エタノール(99.5) 1 (体積比)) |
スポット量 | 1 μL |
展開溶媒 | クロロホルム 9 + メタノール 1 (体積比) |
展開距離 | 約5 cm |
検出 | 紫外線照射 (主波長: 254 nm) |
クロマトシートを用いたシナモン抽出液中のシンナムアルデヒドの分析
分析条件
試料 | ① シンナムアルデヒド標準液 ② シナモン抽出液 |
---|---|
試料濃度 | ① 20 mg/mL (溶媒: 酢酸エチル) ② シナモン樹皮 2.0 g+酢酸エチル(→10 mL) |
スポット量 | ① 1 μL ② 2 μL |
展開溶媒 | 酢酸エチル 1 + ヘキサン 2 (体積比) |
展開距離 | 約8.5 cm |
検出 | 左: 紫外線照射 (主波長: 254 nm) 右: DNP呈色 |
製品一覧
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- 試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
- 【医薬品原料】
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