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QA番号:41736

Q「乾燥用シリカゲル」について

A

シリカゲルの吸着の仕組み

シリカゲルの水の吸着作用には、化学的吸着と物理的吸着の 2 通りあります。

  1. ①化学的吸着:シリカゲルの表面にある多数のシラノール基との水素結合による吸着。
  2. ②物理的吸着:シリカゲルの細孔への毛細管現象による吸着。

一般に周囲の環境が低湿度の場合は化学的吸着が、高湿度の場合は物理的吸着が優勢です。

乾燥用シリカゲルの種類

A 形と B 形

シリカゲルには A 形と B 形があり、日本産業規格 JIS Z0701「包装用シリカゲル乾燥剤」に規定されています。

  • A 形:低湿度において湿気を吸着する力が強いもの
  • B 形:高湿度において多量の湿気を吸い、吸着容量が大きいもの

[JIS Z0701より]

単位 品質
A 形 B 形
1種 2種 1種 2種
相対湿度:20 % における吸湿率 % 8.0以上 3.0以上
相対湿度:50 % における吸湿率 20.0以上 10.0以上
相対湿度:90 % における吸湿率 30.0以上 50.0以上
含水率 % 2 %以下 2.5 %以下 2 %以下 2.5 %以下
pH 4~8
比抵抗 Ω・cm 3,000以上
成分 % 無水けい酸 98 %

当社では、インジケーター(指示薬)が異なる2種類の乾燥用シリカゲルをラインアップしています。

  • シリカゲル(緑色):有機色素 (吸湿すると:緑色→桃色→橙色に変化)
  • シリカゲル(青色):塩化コバルト (吸湿すると:青色→桃色に変化)

いずれもベースとなるシリカゲルはA形ですが、JIS Z 0701の品質を保証し販売している製品ではございませんのでご留意ください。

  • インジケーター(有機色素(緑)・塩化コバルト(青))を含有したタイプ
  • インジケーター含有しない白粒タイプ
  • 両者を混合した混合タイプ

サイズ

粒の大きさは、「大粒状」「中粒状」「小粒状」の3 種類あります。
表面積や取り扱いのしやすさで選ぶことができます。

再生方法

インジケーター「有機色素」

再生条件:130 ℃以下、2 cm程度の厚みで、約2時間の加熱が目安です。
130 ℃以上で加熱した場合、インジケーターが分解し、正しい湿度を示さない恐れがあります。
また、長時間の加熱は色やけの原因になることがありますのでご注意ください。

インジケーター「塩化コバルト」

再生条件:バットなどに広げ、150~180 ℃で加熱再生します。
インジケーターの色の変化(ピンク色から青色)を目安に乾燥してください。

  • 再生回数の設定はございません。
    インジケーターや外観の状態によりご判断ください。参考までに交換の目安をご案内します。
  • 吸水しなくなる(色が変わらない)
  • 再生処理をしても色が戻らない
  • 当初の色以外への変色(化学物質の吸着)
    色の目安につきましては下記をご参照ください。

カラムクロマトグラフ用の当社シリカゲル「Wakosil」と「Wakogel」については下記をご参照下さい。