TFF用 EV-Save (TM) 細胞外小胞ブロッキング試薬
EV-Save (TM) Extracellular Vesicle Blocking Reagent for TFF
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比較
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製品コード
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容量
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価格
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在庫 / 納期目安
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20mL
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ドキュメント
製品概要
タンジェンシャルフローろ過 (TFF) は、細胞外小胞 (EV) の濃縮やバッファー交換に有効な手法として利用されています。TFFは、ろ過膜と平行にサンプルを流すことで、メンブレンへのサンプルの堆積を防ぎ、サンプルのロスを最小限に抑えられます。一方で、EVのように吸着しやすいサンプルでは、ろ過操作中の吸着や物理的な負荷によって、収量が低下することが課題とされています。
TFF用EV-Save™ 細胞外小胞ブロッキング試薬は、TFF処理時のサンプルへの負荷やメンブレンへのEV吸着を抑制することで、EVの回収率を向上させる専用試薬です。本製品を使用することにより、効率的かつ安定したEVの回収が可能となります。
特長
- TFFでのEV精製・濃縮・バッファー交換において、EVの損傷やろ過膜へのEV吸着を抑制
- サンプルおよび平衡化バッファーに添加するだけの簡単操作
- EVがチューブに吸着することを抑制し、凍結融解によるダメージから保護するため、TFF処理後のEV溶液がそのまま保存可能 (バッファー交換時に本製品の添加が必要)
推奨サンプル
- 精製EV
- 細胞培養上清
※ 血清・血漿や夾雑物が多いサンプルでは吸着防止効果が得られにくくなります。
推奨TFFモジュール
MicroKros mPES 100 kDa (Repligen社、メーカーコード: C02-E100-05-N)
その他以下のモジュールで使用できることを確認しています。
- Pellicon XL UF Mod Biomax 100 kD 0.005m2 (Millipore社)
- Single-Use Discover 12” 100 kD 0.5 mm (Sartorius社)
以下のモジュールでは使用できませんので、ご注意ください。
- Minimate TFF Capsules with Omega Membrane - 100K (Cytiva社)
- TFF-Easy - tangential flow filtration EV concentrator (HansaBio社)
データ
性能データ
精製EVのバッファー交換における回収率向上
MassivEV™ EV Purification Column PS (コードNo. 131-19491) を用いて骨髄由来間葉系幹細胞 (BMMSC) および脂肪組織由来間葉系幹細胞 (ADMSC) の細胞培養上清からEVを精製した。その後、Repligen社のTFFシステムで、本製品を1/100量添加したHBSバッファーへバッファー交換をした。PS Capture™ エクソソームELISAキット(ストレプトアビジンHRP) (コードNo. 298-80601) を用いて、バッファー交換後のEV回収率を評価した。 検出抗体には抗CD63抗体もしくは抗CD81抗体を使用した。EVの粒子分布はNanoparticle Tracking Analysis (NTA) で測定した。
(1) ELISA

[結果]
本製品の添加によって、TFFを用いたバッファー交換においてEVの回収率が向上した。
(2) NTA
Input
本製品 添加なし
本製品 添加あり
[結果]
本製品の添加によって、精製EVの粒子分布に大きな変化は見られなかった。
TFFを用いた細胞培養上清からのEV精製における回収率向上
TFFを用いて細胞培養上清を20倍に濃縮した。その後、100倍でバッファー交換を実施した。本製品は細胞培養上清と置換用バッファーそれぞれに1/100量となるように添加した。精製したEVの回収率はCD63とCD81のELISAで、粒子分布はNanoparticle Tracking Analysis (NTA) で測定した。
(1) ELISA
[結果]
本製品の添加によって、TFFを用いたEV精製においてEVの回収率が向上した。
(2) NTA
[結果]
本製品の添加によって、精製EVの粒子分布に大きな変化は見られなかった。
精製EVの吸着抑制・凍結保護効果
(1) 吸着抑制効果
精製EV溶液にEV-Save™ 細胞外小胞ブロッキング試薬 (コードNo. 058-09261、以下 従来品) およびTFF用EV-Save™ 細胞外小胞ブロッキング試薬 (以下 本製品) を1/100量となるようにそれぞれ添加した。その後、マイクロチューブを移し替え、48時間保存した。EV量はCD63とCD81のELISAで測定した。
(2) 凍結保護効果
TFFを用いて、骨髄由来間葉系幹細胞 (BMMSC) の細胞培養上清からEVを精製した。精製EV溶液に本製品を1/100量となるように添加した後、3回 凍結融解 (-20°Cから室温) を行った。凍結融解前後のEV量をCD63とCD81のELISAで測定した。
[結果]
本製品には吸着防止効果および凍結保護効果があり、EVの保存溶液としても有用であることが示された。
FAQ
製品の使用について
- 使用した実績のある細胞培養上清にはどのようなものがありますか。
- 当社では以下の細胞培養上清から精製したEVにおいて、TFFでバッファー交換を行い、本製品の吸着抑制効果を確認しました。
・骨髄由来間葉系幹細胞 (BMMSC)
・脂肪細胞由来間葉系幹細胞 (ADMSC)
・HEK293
- HBSバッファー以外のバッファーでも吸着抑制効果はありますか。
- 当社ではHBSバッファーの他、PBSバッファーでも同様の吸着抑制効果を示すことを確認しています。
概要・使用例
| 概要 | EV-Save (TM)は細胞外小胞(EV)の実験器具への吸着抑制およびEVを凍結融解のダメージから保護する試薬です。 TFF用EV-Save (TM)は、TFFによるBuffer交換及び精製後のサンプルに1/100の濃度で添加することで、TFF膜に対するEVの非特異吸着を抑制し、EVの減少を抑えることができます。 |
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物性情報
| 外観 | 無色澄明の液体 |
|---|---|
| 密度 | 1.007~1.009g/mL (20℃) |
| 純度 | エンドトキシン : <1EU/mL |
「物性情報」は参考情報でございます。規格値を除き、この製品の性能を保証するものではございません。
本製品の品質及び性能については、本品の製品規格書をご確認ください。
なお目的のご研究に対しましては、予備検討を行う事をお勧めします。
製造元情報
別名一覧
- 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
- 製品規格・包装規格の改訂が行われた場合、画像と実際の製品の仕様が異なる場合があります。
- 掲載されている製品について
- 【試薬】
- 試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
- 試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
- 【医薬品原料】
- 製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
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