機能性モノマー

機能性高分子材料は、通常の高分子が有する物理的特性 (機械強度や加工性、化学的な安定性) 以外の特殊な機能を持つ高分子の総称です。モノマーの種類やポリマー構造によって多くの特性が発現されますが、当社では生体適合性のあるアクリルアミドに着目した関連商品を紹介しています。多官能モノマーであり架橋剤として働くタイプや、歯科接着剤などにも適用できる製品群がございます。光照射による重合や硬化にもご活用いただけます。

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学術コンテンツ

機能性高分子とは

機能性高分子とは、合成繊維やポリエチレンのような汎用性高分子と異なり、何らかの特別な機能を有するポリマー分子の総称です。イオン交換樹脂や高吸水性樹脂、生体適合性高分子、生分解性高分子などユニークな特長をもつ材料として開発され、幅広い分野で応用されています。

高吸水性樹脂(SAP)

架橋剤を含んだ系で重合させて得られるアクリル酸系ポリマーは高吸水性樹脂(SAP)として知られています。3次元の網目構造を有しており、自重の数十倍~数千倍の水を吸収します。モノマーユニットはアクリル酸ナトリウムの構造であり、吸水して電離すると近接するCOO-どうしの静電反発によって網目構造が大きく広がり、多くの水を保持できるようになります。紙おむつ、生理用品などの身の回りの商品にも多く使われています。

生体適合性高分子

外部から生体に何らかの物質が混入すると、異物反応により炎症が起こります。正常な自然免疫の働きなのですが、バイオ系や医療分野では問題になることがあります。例えば人工臓器や人工レンズなど体内に残るもの、縫合に用いる糸やカテーテルなど医療機器では、特別な副作用などの悪影響を与えず、共存して馴染んでいく高分子材料が求められます。ポリアクリルアミドは親水性を持つ生体適合性高分子として知られており、医療、細胞培養などの分野で多用されています。

生分解性高分子

生分解性高分子はポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシ酪酸(PHA)、ポリグリコール酸(PGA)などに代表され、微生物によって分解されて最終的に二酸化炭素や水に分解されるポリマー材料です。通常のポリマー材料と比較すると強度が劣っているなどデメリットもありますが、環境への負荷を低減する目的では優れた素材と言えます。食品包装フィルム、レジ袋、農業用のフィルムなどのような材料に適用されると、環境に廃棄された場合でも分解されて環境への悪影響が大きく低減されます。