QA番号:13354
Q実験で使用される「水」にはいろいろな種類があります。違いを教えてください。
A
一般的に実験で使用される水の種類には、蒸留水・精製水・脱塩水・超純水の4種類があります。
ここでは、それぞれの水の種類と概要、主な製法と用途をご紹介します。
用途により相応しい製品をお選びください。
- 蒸留水:蒸留によって脱塩精製した水で、水を蒸留し、発生した水蒸気を冷却して製したもの(化学大辞典より)
- 精製水:常水を蒸留、イオン交換、超ろ過又はそれらの組み合わせにより精製したもの(日本薬局方より)
- 脱塩水:水を水素形強酸性陽イオン交換樹脂と水酸形弱塩基性陰イオン交換樹脂とにより処理したもの(化学大辞典より)
- 超純水:上記3種類よりもさらに高純度の水
当社製品の特長的な「規格」(詳細は、各製品の「製品規格書」をご確認ください。)
製品名 | 概要 | 主な規格例 |
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蒸留水 (無規格) |
一般分析、合成原料、試液調製溶剤、写真用溶剤等に多用される。5L、20Lはコック付き |
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蒸留水 (HPLC用) |
過酸化物、不揮発物、不純物による屈折率の変化や、紫外線吸収、さらに蛍光物質等について保証をした高純度なHPLC専用溶媒。最終工程では0.45μmメンブランフィルターろ過されているので、再現性の高いデータが得られ、カラムの寿命も長くなる |
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蒸留水 (アミノ酸配列分析用) |
DABITCを用いたエドマン分解法によるペプチドのアミノ酸配列分析において、チアゾリノン誘導体の抽出のために用いる |
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蒸留水 (分取クロマトグラフ用) |
貴重な目的成分を高純度かつ収率よく得るため、特に不揮発物・吸光度を低く抑え、厳しい規格を設定し、かつ安価な分取用の溶媒 |
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蒸留水 (分光分析用) |
低吸光度、蛍光強度を保証した高純度溶媒。吸光分析を始めとする各種分光分析に適している |
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脱イオン 蒸留水、無菌 [ニッポンジーン製品] |
蒸留法、イオン交換法、ろ過法にて処理し、高圧蒸気滅菌した水。DNase、RNaseフリーであることを確認しており、すぐに使用できる |
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蒸留水(ヘキサン洗浄品) (残留農薬試験用) |
ヘキサン洗浄した蒸留水。残留農薬分析において、試料の前処理(抽出)、器具洗浄などに使用される |
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精製水 (無規格) |
導電率を保証。一般分析、試液調製、薬品の合成用溶剤として多用される。20Lはコック付き |
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TOC測定用精製水 (水質試験用) |
全有機炭素(TOC)濃度4ppb以下を保証。水道法における全有機炭素計測定法に用いる精製水(0.1ppm以下)として使用できる |
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超純水 (LC/MS用) |
全有機炭素(TOC)、バックグラウンドノイズの低減を保証しておりLC/MS分析に適している。ガラス容器、アルミキャップを採用し、容器から不純物が混入する可能性を低減している |
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超純水 (QTofMS用) |
高感度・高分解能QTofMSを用いたESIイオン化法において、妨害となる不純物を限りなく低減させた溶媒。超高速液体クロマトグラフィー(UHPLC)による試験も実施している |
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超純水 (ICP分析用) |
各不純金属をpptレベルで保証した製品で、ICP-MS、GF-AAS等による超微量金属分析に使用する事ができる | Li,Na,Mg,Al,K,Ca,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co, Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,As,Sr,Zr,Mo,Ag,Cd, Sn,Sb,Ba,W,Pb:100ppt以下 |
超純水 (PFOS・PFOA分析用) |
PFOS、PFOAの分析に用いられる |
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