QA番号:13353
Q液体の製品が固まっていますが使用できますか?
A
融点が高い製品は冬場に固まることがございます。いくつかの製品を例に挙げてご説明いたします。
・酢酸 酢酸の融点は16.6℃です。水は0℃で氷になりますが、酢酸は16.6℃で凍ってしまう、すなわち、室温が16.6℃以下であれば酢酸は固体になります。
「室温が10℃の保管棚でも液体だったのに・・・」とのお問合せをいただきますが、実際には16.6℃で凍るわけではなく、過冷却という現象のため、融点よりかなり低い温度で凍ります。静止したままでは凍りにくいのですが、衝撃を加えたり、異物が混入した場合には凍りやすくなります。したがって、保管室では過冷却現象のため液体であったものが、実験室に持ってきて机の上に置いた途端、その衝撃で凍り始めたということです。
・ホルマリン
「白い沈殿が生じているが、使用しても大丈夫か?」といった質問がよせられますが、これは凍ったのではなく、重合して一部がパラホルムアルデヒドになったためです。加温していただければ沈殿は消失します。
【冬場に凍る事のある製品例】
製品名 | 融点 | 備考 |
---|---|---|
ジメチルスルホキシド | 18.5 | |
酢酸(氷) | 16.6 | |
p-キシレン | 13.3 | |
1,4-ジオキサン | 11.8 | |
m-クレゾール | 10.9 | |
臭化エチレン | 10 | |
ベンゼン | 5.5 | |
硫酸(98%) | 3 | |
ホルムアルデヒド | パラホルムアルデヒドの結晶[(CH30)n]を生成する | |
りん酸 | 結晶(2H3PO4・H2Oを生成する |
なお、一度凍ったものを元に戻したい場合は、40℃程度の温浴につけ、一部塊が残っている状態で取り出し、残りは余熱で溶解させるようにします。
※温浴につけたまま放置しておくと、ビンが破裂するなどの事故が発生する場合がありますのでご注意ください。