ラボアッセイ™ ATX
LabAssay™ ATX
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比較
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製品コード
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容量
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価格
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在庫 / 納期目安
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150回用
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ドキュメント
キットコンポーネント
150回用
| 反応液 | 16 mL |
|---|---|
| 基質剤 | 1本 (8 mL用) |
| 基質剤溶解液 | 8 mL |
| ATX標準品 | 2本 |
| 緩衝液 | 5 mL |
| 反応停止液 | 16 mL |
製品概要
オートタキシン (ATX: Autotaxin) は、ヒト悪性黒色腫細胞の細胞培養上清より、細胞遊走促進因子として単離された分子量125 kDa の糖タンパク質です。線維化などの肝障害により、ATXの代謝阻害が引き起こされることで、血中濃度が上昇することが知られています。
本製品は検体中のATXを測定するキットです。マイクロプレートを用いて短時間かつ簡便に検体中のATXを測定することができます。
キット性能
| 測定対象検体 | ヒト 血清/血漿 (ヘパリン) マウス 血清/血漿 (ヘパリン) ラット 血清/血漿 (ヘパリン) 培地 (D-MEM)※ |
|---|---|
| 検量線範囲 | 1.72-55 U/L |
| 必要検体量 | 10 μL |
| 測定時間 | 約40分 |
| 検出法 | 発色系 (主波長 546 nm/副波長 700 nm) |
測定可否は培地や細胞種、培養条件などによって異なります。あらかじめ実験前に使用する培地にて添加回収試験や希釈直線性試験を行ってください。
検量線例

原理
試料中ATXのリゾホスホリパーゼD活性により、リゾホスファチジルコリンが加水分解されコリンが生成します。生成されたコリンは、コリンオキシダーゼ (COD) の作用により酸化され、過酸化水素を生成します。生成された過酸化水素は、ペルオキシダーゼ (POD) の作用によりN-エチル-N-(3-スルホプロピル)-3- メチルアニリン (TOPS) と4-アミノアンチピリンとを定量的に酸化縮合させ青紫色色素を生成させます。最後に反応停止液を添加して反応を止め、吸光度を測定することにより試料中のATX活性を求めます。

データ
同時再現性試験
本製品で各2濃度のヒト、マウス、ラットの血清/血漿 (ヘパリン) について5重測定を実施し、精度を確認した。
| n\ID | ヒト血清 | ヒト血漿 (ヘパリン) | マウス血清 | マウス血漿 (ヘパリン) | ラット血清 | ラット血漿 (ヘパリン) | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ID1 (U/L) | ID2 (U/L) | ID3 (U/L) | ID4 (U/L) | ID1 (U/L) | ID2 (U/L) | ID3 (U/L) | ID4 (U/L) | ID1 (U/L) | ID2 (U/L) | ID3 (U/L) | ID4 (U/L) | |
| 1 | 24.5 | 6.31 | 26.3 | 6.75 | 36.4 | 6.64 | 35.0 | 5.92 | 25.6 | 9.95 | 24.2 | 10.3 |
| 2 | 24.5 | 6.55 | 26.4 | 6.94 | 37.3 | 6.58 | 35.0 | 5.92 | 24.0 | 9.82 | 24.0 | 10.3 |
| 3 | 25.1 | 6.44 | 26.8 | 6.89 | 36.3 | 6.73 | 34.9 | 5.97 | 23.9 | 10.2 | 24.7 | 10.6 |
| 4 | 25.2 | 6.61 | 26.8 | 7.06 | 37.2 | 6.70 | 34.9 | 5.95 | 24.5 | 10.0 | 24.5 | 10.5 |
| 5 | 25.1 | 6.43 | 26.7 | 6.86 | 36.2 | 6.66 | 34.9 | 5.93 | 24.5 | 10.0 | 24.5 | 10.5 |
| mean | 24.9 | 6.47 | 26.6 | 6.90 | 36.7 | 6.66 | 34.9 | 5.94 | 24.5 | 10.0 | 24.4 | 10.4 |
| SD | 0.349 | 0.116 | 0.235 | 0.113 | 0.526 | 0.0576 | 0.0548 | 0.0238 | 0.675 | 0.137 | 0.277 | 0.134 |
| CV(%) | 1.4 | 1.8 | 0.9 | 1.6 | 1.4 | 0.9 | 0.2 | 0.4 | 2.8 | 1.4 | 1.1 | 1.3 |
[結果]
ヒト検体のCV(%)は、0.9-1.8%、マウス検体のCV(%)は、0.2-1.4%、ラット検体のCV(%)は1.1-2.8%であり、良好であった。
日差再現性試験
本製品で各3濃度のヒト、マウス、ラットの血清/血漿 (ヘパリン) を用いて、4日間測定を実施し、精度を確認した。
| Day\ID | ヒト血清 | ヒト血漿 (ヘパリン) | マウス血清 | マウス血漿 (ヘパリン) | ラット血清 | ラット血漿 (ヘパリン) | ||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ID9 (U/L) | ID10 (U/L) | ID11 (U/L) | ID12 (U/L) | ID13 (U/L) | ID14 (U/L) | ID7 (U/L) | ID8 (U/L) | ID9 (U/L) | ID10 (U/L) | ID11 (U/L) | ID12 (U/L) | ID7 (U/L) | ID8 (U/L) | ID9 (U/L) | ID10 (U/L) | ID11 (U/L) | ID12 (U/L) | |
| 1 | 24.4 | 18.2 | 13.7 | 26.3 | 18.7 | 14.0 | 41.1 | 20.6 | 9.88 | 39.8 | 20.0 | 9.32 | 21.7 | 15.9 | 11.8 | 21.2 | 15.1 | 10.6 |
| 2 | 24.6 | 18.3 | 13.8 | 26.5 | 18.7 | 14.0 | 40.9 | 20.4 | 9.82 | 39.5 | 19.9 | 9.31 | 22.0 | 16.0 | 11.9 | 21.3 | 15.2 | 10.8 |
| 3 | 23.6 | 17.5 | 13.8 | 25.4 | 18.3 | 14.6 | 40.0 | 20.2 | 10.1 | 40.1 | 20.2 | 9.90 | 22.7 | 16.6 | 13.0 | 22.3 | 15.6 | 11.7 |
| 4 | 23.6 | 17.5 | 13.8 | 25.4 | 18.3 | 14.6 | 39.4 | 20.1 | 10.1 | 39.4 | 20.1 | 9.88 | 22.8 | 16.9 | 13.1 | 22.5 | 15.7 | 11.8 |
| mean | 24.1 | 17.9 | 13.8 | 25.9 | 18.5 | 14.3 | 40.4 | 20.3 | 10.0 | 39.7 | 20.1 | 9.60 | 22.3 | 16.4 | 12.5 | 21.8 | 15.4 | 11.2 |
| SD | 0.526 | 0.435 | 0.0500 | 0.583 | 0.231 | 0.346 | 0.794 | 0.222 | 0.146 | 0.316 | 0.129 | 0.332 | 0.535 | 0.480 | 0.695 | 0.670 | 0.294 | 0.613 |
| CV(%) | 2.2 | 2.4 | 0.4 | 2.3 | 1.2 | 2.4 | 2.0 | 1.1 | 1.5 | 0.8 | 0.6 | 3.5 | 2.4 | 2.9 | 5.6 | 3.1 | 1.9 | 5.5 |
[結果]
ヒト検体のCV(%)は、0.4-2.4%、マウス検体のCV(%)は、0.6-3.5%、ラット検体のCV(%)は、1.9-5.6%であり、いずれも良好であった。
希釈直線性試験
生理食塩水を用いて、ヒト、マウス、ラットの血清/血漿 (ヘパリン) および標準品を添加したD-MEM培地を倍々希釈後、2重測定を実施し、直線性を確認した。




[結果]
いずれも測定範囲内で良好な直線性を示した。
添加回収試験
ヒト、マウス、ラットの血清/血漿 (ヘパリン) に、3濃度の標準品を添加し、2重測定を実施した。
ヒト検体
| 添加量 (U/L) |
実測値 (U/L) |
回収率 (U/L) |
回収率 (%) |
|
|---|---|---|---|---|
| 血清 | - | 5.95 | - | - |
| 8.05 | 13.8 | 7.85 | 97.5 | |
| 24.2 | 28.2 | 22.3 | 92.1 | |
| 40.3 | 44.9 | 39.0 | 96.8 | |
| 平均 | 95.5 | |||
| 血漿 (ヘパリン) |
- | 7.29 | - | - |
| 7.69 | 14.6 | 7.31 | 95.1 | |
| 23.1 | 28.6 | 21.3 | 92.2 | |
| 38.5 | 46.9 | 39.6 | 103 | |
| 平均 | 96.8 | |||
マウス検体
| 添加量 (U/L) |
実測値 (U/L) |
回収率 (U/L) |
回収率 (%) |
|
|---|---|---|---|---|
| 血清 | - | 10.1 | - | - |
| 6.08 | 16.8 | 6.70 | 110 | |
| 12.2 | 21.6 | 11.5 | 94.3 | |
| 24.3 | 32.8 | 22.7 | 93.4 | |
| 平均 | 99.3 | |||
| 血漿 (ヘパリン) |
- | 11.2 | - | - |
| 6.57 | 17.6 | 6.40 | 97.4 | |
| 13.1 | 23.8 | 12.6 | 95.9 | |
| 26.3 | 36.4 | 25.2 | 95.9 | |
| 平均 | 96.4 | |||
ラット検体
| 添加量 (U/L) |
実測値 (U/L) |
回収率 (U/L) |
回収率 (%) |
|
|---|---|---|---|---|
| 血清 | - | 10.5 | - | - |
| 7.42 | 18.0 | 7.50 | 101 | |
| 14.8 | 24.3 | 13.8 | 93.0 | |
| 29.7 | 38.5 | 28.0 | 94.4 | |
| 平均 | 96.2 | |||
| 血漿 (ヘパリン) |
- | 10.7 | - | - |
| 7.48 | 18.0 | 7.30 | 97.6 | |
| 15.0 | 24.2 | 13.5 | 90.2 | |
| 29.9 | 38.1 | 27.4 | 91.6 | |
| 平均 | 93.1 | |||
[結果]
いずれも良好な回収率であった。
自動分析装置試薬との相関性
ラボアッセイ™ ATX (本製品) および自動分析装置用試薬を用いて、ヒト、マウス、ラットの血清/血漿 (ヘパリン) のATXを測定し、その相関を確認した。




[結果]
ラボアッセイ™ ATXと自動分析装置用試薬の測定値には高い相関が確認できた。
他社製品との相関
ヒト血清/血漿 (ヘパリン) の同一サンプルを、それぞれ本製品と他社製品Rでそれぞれ測定し、その測定値の相関を確認した。測定方法は、各キットの測定操作法に準拠した。


| sample No. | ヒト血清 | sample No. | ヒト血漿 (ヘパリン) | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 本製品 (U/L) | 他社製品R (ng/mL) | 本製品 (U/L) | 他社製品R (ng/mL) | ||
| 1 | 8.03 | 209 | 15 | 8.49 | 193 |
| 2 | 8.92 | 202 | 16 | 8.76 | 198 |
| 3 | 7.10 | 162 | 17 | 7.11 | 156 |
| 4 | 7.52 | 148 | 18 | 7.13 | 142 |
| 5 | 6.53 | 133 | 19 | 6.79 | 139 |
| 6 | 9.29 | 201 | 20 | 9.01 | 200 |
| 7 | 7.88 | 184 | 21 | 7.60 | 181 |
| 8 | 7.19 | 176 | 22 | 6.84 | 167 |
| 9 | 6.44 | 174 | 23 | 6.64 | 168 |
| 10 | 11.8 | 281 | 24 | 12.1 | 309 |
| 11 | 6.65 | 140 | 25 | 6.81 | 129 |
| 12 | 6.65 | 144 | 26 | 6.59 | 137 |
| 13 | 7.31 | 166 | 27 | 7.17 | 162 |
| 14 | 7.50 | 145 | 28 | 7.30 | 145 |
赤字: 検量線範囲内で測定できた検体、範囲外の検体は20倍希釈して測定した
[結果]
本製品は他社製品Rと高い相関を示した。また他社製品Rは実検体をそのまま測定すると検量線範囲外の値となり、すべての検体で希釈が必要であった。一方、当社製品は検体を希釈せずとも検量線範囲内での測定が可能だった。
FAQ
検体について
- どのような検体を使用すればよいでしょうか。
- なるべく新鮮な血清・血漿をご使用ください。速やかに測定することが難しい場合は、冷凍保存し測定してください。なお溶血検体は、測定値に影響を与えることがあります。
- 細胞培養上清での測定は可能でしょうか。
- 測定可否は培地や細胞種、培養条件などによって異なります。あらかじめ使用する培地について添加回収試験や希釈直線性試験を行ってください。
- 血漿の抗凝固剤は何を使用すればよいでしょうか。
- ヘパリンは通常使用量では測定値にほとんど影響を与えません。EDTAは測定値に影響を与えますので使用しないでください。
- 測定の上限を超える検体はどのようにすればよいでしょうか。
- 測定範囲の上限を超える検体については、検体を生理食塩水で希釈して測定してください。得られた値に希釈倍数を乗じたものが測定値となります。
- アスコルビン酸は測定値に影響しますか。
- アスコルビン酸は、10 mg/dLまで測定値に影響を与えません。
キットの使用について
- 本製品で測定する際に必要な器具、装置は何ですか。
- 本製品の使用には以下の器具、装置が必要です。
- マイクロプレート (透明, 96ウェル)
- マイクロピペット
- マイクロチューブ
- ピペット
- 恒温槽 (37°C)
- マイクロプレート振とう器 (プレートミキサー)
- マイクロプレートリーダー (546 nm/700 nm 吸光フィルター)
- 標準品はどのように使用すればよいでしょうか。
- 本製品はロットにより、標準品に添加する精製水の量が異なります。当社製品ページより、「標準品原液の調製について」を確認してください。 ロットにより添加する精製水量が異なるため、必ずロットごとにご確認ください。
- 各試薬の保管方法や使用期限の目安を教えてください。
- 反応液
2-10℃で保存してください。開封後は2-10℃で保管し、4週間以内に使用してください。
基質液
基質剤1瓶を基質剤溶解液8 mLで溶解し、基質液としてください。調製後は2-10℃で保存し、4週間以内に使用してください。
ATX標準品
未使用の標準品は2-10℃で保存し、調製後は直ちに使用してください。
反応停止液
開封後は2-10℃で保存してください。
※結晶が発生している場合は、室温に戻して攪拌し、完全に溶解させてからご使用ください。
概要・使用例
| 概要 | 本製品は、ATX活性を測定するキットです。ATXは、ヒト悪性黒色腫細胞の培養上清より、細胞遊走促進因子として単離された分子量125kDa の糖たんぱく質である。リゾホスファチジルコリン(LPC)を加水分解し、臓器の線維化を引き起こすことが知られているリゾホスファチジン酸(LPA)を産生するりん脂質代謝酵素である。線維化などの肝障害によりATXの代謝阻害が起こるとATXが血中に滞留し、血中濃度が上昇し、さらにLPAが上昇し線維化が進みます。線維化の判定に最も確実なのは肝生検だが、患者の身体的負担も大きいことから、侵襲性の低い肝線維化マーカー検査への期待は高く、画像診断で判別しにくい初期の線維化を判別できる血中マーカーとして有望視されている。 |
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物性情報
「物性情報」は参考情報でございます。規格値を除き、この製品の性能を保証するものではございません。
本製品の品質及び性能については、本品の製品規格書をご確認ください。
なお目的のご研究に対しましては、予備検討を行う事をお勧めします。
製造元情報
別名一覧
- ラボアッセイ
ENPP2
ENPP-2
ectonucleotide pyrophosphatase
phosphodiesterase
リゾホスホリパーゼD
lysoPLD
オートタキシン
- 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
- 製品規格・包装規格の改訂が行われた場合、画像と実際の製品の仕様が異なる場合があります。
- 掲載されている製品について
- 【試薬】
- 試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
- 試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
- 【医薬品原料】
- 製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
- 表示している希望納入価格は「本体価格のみ」で消費税等は含まれておりません。
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