エクソソームELISAキット
当社ではエクソソームをはじめとする細胞外小胞の定性・定量解析に使用できるELISAキットをラインアップしております。当社独自のPSアフィニティー法を用いた高感度ELISAキットや抗ヒトCD9, CD63, CD81抗体を用いたELISAキットを上市しており、目的に合った製品を選択可能です。
エクソソーム ELISAキット選択表
シリーズ | PS CaptureTM Exosome ELISA Kit | CD9/63/81-Capture Human Exosome ELISA Kit | |||
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コードNo. | 297-79201 | 298-80601 | 296-83701 | 290-83601 | 292-83801 |
製品名 | PS CaptureTM Exosome ELISA Kit (Anti Mouse IgG POD) | PS CaptureTM Exosome ELISA Kit (Streptavidin HRP) | CD9-Capture Human Exosome ELISA Kit (Streptavidin HRP) | CD63-Capture Human Exosome ELISA Kit (Streptavidin HRP) | CD81-Capture Human Exosome ELISA Kit (Streptavidin HRP) |
容量 | 96 回用 | 96 回用 | 96 回用 | 96 回用 | 96 回用 |
捕捉分子 | Tim4タンパク質 | Tim4タンパク質 | 抗ヒトCD9抗体 (ラット) | 抗ヒトCD63抗体 (マウス) | 抗ヒトCD81抗体 (マウス) |
検出抗体 | 抗ヒトCD63抗体 (マウス) | 抗ヒトCD63抗体 (マウス) | 抗ヒトCD9抗体 (ラット) | 抗ヒトCD63抗体 (マウス) | 抗ヒトCD81抗体 (ラット) |
一次抗体への酵素結合方法 | 二次抗体 | ビオチン -ストレプトアビジン | ビオチン -ストレプトアビジン | ビオチン -ストレプトアビジン | ビオチン -ストレプトアビジン |
サンプル | 精製エクソソーム 細胞培養上清※1 | 精製エクソソーム 細胞培養上清 体液 (血清、血漿など) | 精製エクソソーム 細胞培養上清 体液 (血清、血漿など) | 精製エクソソーム 細胞培養上清 体液 (血清、血漿など) | 精製エクソソーム 細胞培養上清 体液 (血清、血漿など) |
動物種 | ヒト、マウス、ラットなど※2 | ヒト、マウス、ラットなど※2 | ヒト | ヒト | ヒト |
測定対象 | PS陽性エクソソーム※3 | PS陽性エクソソーム※3 | ヒトCD9陽性エクソソーム | ヒトCD63陽性エクソソーム | ヒトCD81陽性エクソソーム |
※1 検出用二次抗体がヒト、マウス、ラットのIgGと非特異的に反応をするため、血清・血漿での測定はできません。
※2 キット附属の抗体は抗ヒトCD63抗体のため、ヒト以外の検体を測定する場合は適切な抗体をご用意ください。
※3 エクソソーム除去FBSを使用していない場合、FBS由来のPS陽性エクソソームも測定します。
学術コンテンツ
PSアフィニティー法の ELISA への応用
当社はTim4 タンパク質がホスファチジルセリン(PS)を介してエクソソームとアフィニティー結合する仕組みをELISA に応用し、PS CaptureTM Exosome ELISA Kit (Anti Mouse IgG POD)を開発しました。本キットは、エクソソーム表面マーカー抗体を固相化する従来のELISA 法より高感度にエクソソームを検出できます。Tim4 タンパク質を固相化したドライプレートに培養上清や血清などのエクソソーム含有サンプルを添加し、カルシウムイオン存在下でエクソソームを捕捉させ、エクソソーム表面マーカータンパク質に対する一次抗体反応及び二次抗体によりエクソソーム検出を行います。
本キットの最大の特長は、ウェスタンブロットや既存のエクソソームELISA 製品よりも高感度なエクソソーム検出を実現していることです。まず始めに、本キットとウェスタンブロットの検出感度を比較するために、ウェスタンブロットにおけるエクソソーム検出限界を調べました(図1a)。結果、ヒト結腸腺がん細胞であるCOLO201 細胞由来精製エクソソームをサンプルに用いて抗CD63 モノクローナル抗体(他社品A)によるウェスタンブロットを行ったところ、タンパク質量で75 ng のエクソソームまで検出できました。次に、本キットを用いて白血病由来細胞株であるK562 細胞およびCOLO201 細胞由来精製エクソソームのELISA 検出限界を調べたところ、K562 細胞由来精製エクソソームの検出限界が49.9 pg、COLO201 細胞由来精製エクソソームの検出限界が10.9 pg であり、ウェスタンブロットの1,000 倍以上の検出感度を有することが明らかとなりました(図1b)。また、既存のエクソソームELISA 製品の感度が、数ng 〜数μg 程度(各製品マニュアルより参照)であることからも、Tim4 タンパク質とPS を介したアフィニティー結合を利用した本キットは、従来のエクソソーム表面マーカー抗体を固相化するELISA 法と比較して100 倍以上高感度であることが示されました。
さらに当社ではPS CaptureTM Exosome ELISA Kit (Anti Mouse IgG POD)の課題である、体液検体の測定を可能にするためビオチン標識抗体とHRP標識ストレプトアビジンを組み合わせたPS CaptureTM Exosome ELISA Kit (Streptavidin HRP)を開発しました。これにより測定可能な検体の幅が広がりました。