Exosome ELISA キット

細胞培養上清や体液検体から精製した細胞外小胞の定性解析、および細胞培養上清や体液検体中の細胞外小胞の定量解析に利用できる酵素免疫測定試薬です。

参考文献

"A novel affinity-based method for the isolation of highly purified extracellular vesicles", W. Nakai, T. Yoshida, D. Diez, Y. Miyatake, T. Nishibu, N. Imawaka, K. Naruse, Y. Sadamura & R. Hanayama, Sci Rep 6, 33935 (2016).

PS Capture™ Exosome ELISA Kit (Anti Mouse IgG POD)

特長

PS結合分子Tim4固相化プレート採用

  • ホスファチジルセリン(PS)結合分子による捕捉※1
  • 0.1 μL相当の培養上清中細胞外小胞が検出可能
  • 精製細胞外小胞標準品※2を用いた定量的測定
  • WB法※3より50~1,000倍程度高感度な検出
※1 抗体固相化プレートを用いたELISA系よりも高感度に細胞外小胞を定性・定量できることを確認しています。
※2 MagCapture™ Exosome Isolation Kit PSを用いて精製した細胞外小胞標準品をご使用ください。
※3 WB法:ウェスタンブロット法

培養上清中細胞外小胞の高感度定性・定量

最適化された試薬キット化

  • 最適化されたコントロール用1次抗体※4
  • 最適化された検出用2次抗体※5
  • 発色法採用
※4 抗ヒトCD63抗体が付属しています。その他の表面マーカータンパク質を検出したい場合は任意のマウスモノクローナル抗体をご利用ください。
※5 抗マウスIgG抗体-HRP標識が付属しています。

簡単操作・高い実験再現性

アプリケーションデータ

各種細胞培養上清から精製した細胞外小胞の定性解析

各種細胞培養上清から精製した細胞外小胞1 ngをウェルに添加し、表面マーカーCD9、CD63、CD81を認識する検出一次抗体を用いて各表面マーカー量を本キットで定性比較した。

比較参考データとして、各種細胞培養上清から精製した細胞外小胞150 ngを電気泳動し、表面マーカーCD9、CD63、CD81を認識する検出一次抗体を用いて各表面マーカータンパク質量をウェスタンブロットで定性解析した。

  • 精製Exosome 1 ngあたりの定性比較データ
  • 参考比較データ

ELISA 系と WB 解析間でマーカータンパク質の発現パターンの相関性が確認できた

参考データ:各種細胞のエクソソームマーカータンパク質発現解析
各種細胞の培養上清由来精製エクソソーム(MagCapture™ Exosome Isolation Kit PS 使用)を1 ngずつ用い、エクソソームマーカータンパク質 CD9、CD63、CD81 に対する抗体を用いて、発現プロファイリングを行った。
検出抗体
ELISA
抗 CD9 マウスモノクローナル抗体(M-L13)
 BD Bioscience 社

抗 CD63 マウスモノクローナル抗体(H5C6)
 BD Bioscience 社

WB
抗 CD9 ウサギポリクローナル抗体
 System Bioscience 社

抗 CD63 マウスモノクローナル抗体(8A12)
 コスモバイオ社

抗 CD81 マウスモノクローナル抗体(1D6)
 Novus

細胞株によって発現量が異なる。
ある種の細胞株では特定のマーカータンパク質の発現量が少ないエクソソームの存在が示唆された。

正常ヒト血清から精製した細胞外小胞の定性解析

正常ヒト血清の個別6検体からそれぞれ細胞外小胞を精製し、BCA法にて細胞外小胞膜上のタンパク質濃度を算出した。40 ng、20 ng、10 ngの細胞外小胞をウエルに添加し、表面マーカーCD63を認識するコントロール検出用一次抗体(キット付属)を用いて測定したOD値を定性比較した。

各精製エクソソームの定性比較データ

体液検体から精製した細胞外小胞でもしっかりと直線性が確認できた

細胞培養上清から精製した細胞外小胞の検出感度参考データ

COLO201細胞培養上清から細胞外小胞を精製し、本キットとウェスタンブロットの検出感度を比較した。

ウェスタンブロットとELISAの検出感度比較

(a), (b) 各種抗CD63抗体(他社品, 当社製品: 製品コード 012-27063)を用いたウェスタンブロット検出感度データ
サンプル: COLO201細胞培養上清から精製した細胞外小胞(MagCapture™ Exosome Isolation Kit PSで精製)
:各抗体におけるウェスタンブロットにおける検出限界

(C) Exosome ELISA Kit検出限界値データ 本キットを用いてCOLO201細胞由来の精製細胞外小胞 (MagCapture™ Exosome Isolation Kit PS使用)を段階希釈したサンプル及びバッファーのみのブランク値を測定しCOLO201標準曲線を作成した。その標準曲線を用いてCOLO201由来精製サンプルの最低検出感度を算出した。(各濃度ポイントはn=6で、Blankポイントはn=12で測定した。)

ウェスタンブロットよりも高感度にマーカータンパク質を検出できた

細胞培養上清検体の希釈直線性 (Linearity) 参考データ

COLO201細胞の培養上清から精製した細胞外小胞を標準品として標準曲線を作成し、COLO201細胞培養上清の5段階希釈検体(1:100~1:1,600)の希釈直線性を評価した。



  • COLO201細胞培養上清
    CM volume(μL) Dilution 実測値 理論値 % of expected
    Ratio Factor (x) ng/mL ng/mL
    0.0625 1:1600 0.000625 0.89 0.91 98.4
    0.125 1:800 0.00125 1.82 1.72 105.6
    0.25 1:400 0.0025 3.44 3.52 97.8
    0.5 1:200 0.005 7.04 6.78 103.9
    1 1:100 0.01 13.6

    スタンダード:COLO201細胞由来Exosome
    (MagCapture™ Exosome Isolation Kit PSを用いて精製)
    測定サンプル:COLO201細胞培養上清
    一次抗体:キット付属 抗CD63抗体

良好な希釈直線性と培養上清 0.1 µL 相当量中の細胞外小胞でも検出できることが確認できた

細胞数および培養日数ごとの培地中細胞外小胞量の測定

1 × 107、2 × 107、3 × 107 のCOLO201細胞を T75 flaskに播種し、72時間培養した。24時間毎に培養上清サンプルを一部回収し、PS Capture™ Exosome ELISA Kit (Anti Mouse IgG POD)およびキット付属のControl Primary Antibody Anti CD63(100 ×)を用いて、CD63の吸光度測定を行った。

細胞培養上清は4 µL用意し、Exosome Binding Enhancer 添加済みの反応/ 洗浄液(1 ×)を用いて100 µLに希釈した。

  • 測定サンプル:COLO201 細胞培養上清(25 倍希釈)
  • 播種細胞数:1 × 107、2 × 107、3 × 107 cells/T75 flask
  • 培養期間:24 時間、48 時間、72 時間
  • 一次抗体:抗CD63抗体

4 µLの細胞培養上清を用いるだけで培地中の細胞外小胞量を直接測定できるので、新規の細胞株の培養条件を検討する際、条件検討に手間がかからないのでおすすめです。

細胞外小胞が最も分泌される条件を簡便に検討できます。

薬剤添加による細胞外小胞産生量の変化

K562細胞をT225 flaskに播種し、無血清培地で72時間培養した。その後、モネンシンナトリウムを終濃度10 µmol/Lになるように添加した無血清培地および無添加の無血清培地に交換し、24時間培養した。培養後、培養上清サンプルを回収し、PS Capture™ Exosome ELISA Kit (Anti Mouse IgG POD) を用いてキット付属の Control Primary Antibody Anti CD63(100 ×)で、CD63の吸光度測定を行った。

10倍希釈および100倍希釈の細胞培養上清サンプルは、回収した細胞培養上清を Exosome Binding Enhancer 添加済みの反応/ 洗浄液(1 ×)を用いて希釈して用意した。

  • 測定サンプル:K562細胞培養上清
    (モネンシンナトリウム添加培地およびコントロール培地に交換後24時間培養)
  • 一次抗体:抗CD63抗体

精製不要のため、培養中の培地を少量抜き取って測定可能。
培地中エクソソーム量の経時的な変化も測定でき、エクソソーム変化量を数値化できるためWBよりも比較しやすい。

COLO201 細胞培養上清由来およびヒト血清由来精製エクソソームを用いた検出感度比較

下記の①~⑥のサンプルを調製し、PS Capture™ Exosome ELISA Kit、A 社 ELISA キット、A 社 ELISA キット(高感度タイプ)を用いて、エクソソームマーカータンパク質である CD63 を検出した場合の感度を比較した。

使用サンプル内容

① A 社 ELISA キット付属スタンダード
② A 社 ELISA キット(高感度タイプ)付属スタンダード
③ MagCapture™ Exosome Isolation Kit PS 精製 COLO201 細胞培養上清由来エクソソーム
④ ポリマー沈殿精製 COLO201 細胞培養上清由来エクソソーム
⑤ MagCapture™ Exosome Isolation Kit PS 精製ヒト血清由来エクソソーム
⑥ ポリマー沈殿法精製ヒト血清由来エクソソーム

希釈率およびタンパク質濃度
x 1 1/16 1/1000 40 ng/mL 160 ng/mL 800 ng/mL 2000 µg/mL
x 0.5 1/32 1/2000 20 ng/mL 80 ng/mL 400 ng/mL 1000 µg/mL
x 0.25 1/64 1/4000 10 ng/mL 40 ng/mL 200 ng/mL 500 µg/mL
x 0.125 1/128 1/8000 5 ng/mL 20 ng/mL 100 ng/mL 250 µg/mL
x 0.0625 1/256 1/16000 2.5 ng/mL 10 ng/mL 50 ng/mL 125 µg/mL

PS Capture™ Exosome ELISA Kit は、A社 ELISAキットおよびA社 ELISAキット(高感度タイプ)よりも高感度にCD63を検出できた。また、A社 ELISAキットおよびA社 ELISAキット(高感度タイプ)は、各キット添付スタンダードへ強く反応したが、PS精製エクソソームへの反応性が低かった。

このことから、PS Capture™ Exosome ELISA Kit はエクソソーム表面上の CD63 を A社および A社(高感度タイプ)よりも特異的かつ高感度に検出できることが示唆された。

PS Capture™ Exosome ELISA Kit (Streptavidin HRP)

  • 特長

    • 高感度定性および定量解析
      検体中の細胞外小胞を直接測定可能 (単離不要)
      2.5 μL相当の血液検体から細胞外小胞を検出 (検体の節約)
      WB法より50~1000倍高感度 (微量マーカーの検出)
    • 幅広いアプリケーション
      培養上清や血液検体中細胞外小胞の定性・定量解析
      EV-depleted FBS中残存細胞外小胞の確認
      レクチンを用いたエクソソームの糖鎖解析
    • ビオチン標識による幅広い検出系
      様々な動物種由来の抗体やレクチン等を用いた検出へ対応
    • 簡便な操作と高い再現性
      細胞外小胞の検出用にキットと試薬を最適化
  • 測定原理

    細胞外小胞表面のホスファチジルセリン(PS) と特異的に結合するタンパク質Tim4を固相化したプレートに細胞外小胞を反応させて固定化した後、任意の細胞外小胞表面マーカータンパク質に対するビオチン標識抗体を一次検出に、キット付属のHRP 標識ストレプトアビジンを二次検出に用いることで、任意のマーカータンパク質を表面に有する細胞外小胞を高感度に検出することができます。

アプリケーションデータ

血液検体および細胞培養上清検体の希釈直線性(Linearity)

COLO201細胞培養上清から精製した細胞外小胞を用いて作成した標準曲線をもとに、①ヒト血清希釈検体、②ヒトヘパリン血漿希釈検体、③ヒトEDTA血漿希釈検体(各2検体, 4段階希釈)および ④COLO201細胞培養上清の4段階希釈検体におけるエクソソーム濃度測定(CD63検出)を行い、各サンプルにおける希釈直線の評価を行った。

  • ①血清
  • ②ヘパリン血漿
  • ③EDTA血漿
  • ④COLO201細胞培養上清

血清とヘパリン血漿の場合、2倍希釈以上で良好な直線性が確認できた。
EDTA血漿の場合だと、5倍希釈以上で良好な直線性が確認できる。

PS Affinity法と抗体法の比較 (Capture Ability)

前処理済み※1の各細胞培養上清を、抗CD抗体(CD9, CD63, CD81)およびTim4それぞれが固相化されたマイクロプレートの各ウェルに添加し反応させた。次に、結合したエクソソームを各ビオチン標識抗CD抗体(CD9, CD63, CD81)を用いて検出した。

※1 前処理条件: 10,000 x g, 30分

  • iPSC(希釈率 1:20)
  • COLO201(希釈率 1:500)
  • HEK293T(希釈率 1:100)

PS Affinity法は、様々な細胞株に由来するエクソソームを抗体法と同等以上の効率で捕捉できた。

COLO201由来精製エクソソームの添加回収試験【EpCAM】

COLO201細胞培養上清からMagCapture™ Exosome Isolation Kit PS (製品コード:293-77601)を用いて単離・精製したエクソソームを前処理済み※2プール正常ヒト血清、EDTA血漿およびヘパリン血漿それぞれに添加した。各濃度で添加したサンプル中のエクソソームについて、ビオチン標識抗EpCAM※3抗体(MBL社)を用いて検出した後、COLO201細胞由来精製エクソソームを用いた標準曲線をもとに、各サンプル中に添加されたエクソソームの回収率を算出した。

※2 前処理条件: 10,000 x g, 30分
※3 EpCAM:Epithelial Cell Adhesion Molecule

EpCAMを検出対象にした場合の添加回収率は100 %±10 %程度に収まっていて、良好な回収性能を示した。

EV-depleted FBS中残存細胞外小胞の確認

未処理FBS、市販のEV-depleted FBSおよび超遠心処理FBS (UC-treated FBS)※4中に残存する細胞外小胞をビオチン標識抗CD9抗体※5を用いて検出した。

Capture: Tim4 / Detection: ビオチン標識抗CD9抗体

※4 超遠心条件: 160,000xg, 16時間
※5 抗CD9抗体 (Code No. 014-27763)にBiotin Labeling Kit-SH (Code No. 348-90941)を用いて標識した。

PS Affinity法を用いたELISAシステムを使うと、簡単に残存量の確認ができて便利である

糖鎖解析への応用: Tim4とrBC2LCNレクチンを用いたサンドイッチELISA

前処理済み※6の5倍希釈iPS細胞培養上清中のエクソソームについて、ビオチン標識抗CD63抗体 (製品コード:019-27713)およびビオチン標識rBC2LCNレクチン※7を用いて検出した。

Capture: Tim4 / Detection: 各ビオチン標識体

※6 前処理条件: 10,000 x g, 30分
※7 ヒトES細胞およびiPS細胞の未分化マーカーとして使用され、Fucα1-2Galβ1-3GalNAc(GlcNAc)を認識します。
rBC2LCN (Code No. 029-18061)をEZ-Link™ Sulfo-NHS-LC-LC-Biotin (ThermoFisher社)を用いて標識した。

様々なレクチンと組み合わせることによって、エクソソーム表面上の糖鎖解析に応用できる。

ポリマー沈殿法との回収効率比較

前処理済み※8 COLO201 細胞培養上清 1 mL からPS アフィニティー法(PS)およびポリマー沈殿法(他社品A)でエクソソームを単離・精製した後、PS Capture™ Exosome ELISA Kit (Streptavidin HRP) を使用してエクソソームマーカーであるCD63 のシグナルを測定した。得られた各サンプルの吸光度から、単離後のサンプルに残存するエクソソームと回収エクソソームの回収効率を比較した。

※8 前処理条件: 10,000 x g, 30 分
回収効率の計算方法

インプット: 100 倍希釈培養上清の測定値を使用※Ⅰ
残存エクソソーム: 精製後の100 倍希釈培養上清の測定値を使用※Ⅰ
回収エクソソーム: 1,000 倍希釈した精製サンプルの測定値を使用※Ⅱ

※Ⅰ 100 倍希釈が測定範囲に入ることを確認しています。事前検討にて使用サンプルごとにELISA 測定における適正希釈率を算出してください。
※Ⅱ 本キットおよびポリマー試薬で精製したエクソソームは10 倍濃縮されています。(eg. インプット: 1 mL →精製エクソソーム: 100 μL) よって、濃縮倍率にELISA 希釈率を乗じた値が、精製エクソソームサンプルのELISA 測定における希釈倍率になります。

エクソソームを高感度に検出できるELISA システムを用いることで、エクソソーム回収 方法の効率比較や妥当性検証が簡単にできる。

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