定量NMR

定量NMR(qNMR)はNMRの化合物中の原子核の数の比がピーク面積比に対応する特性を利用して、化合物の純度を求める方法です。
1H NMR スペクトル上に観察される個々の水素原子核(プロトン)シグナルの面積比は、分子上のプロトンの数の比に比例します。この現象は、分子内だけでなく分子間においても共通であることから、測定対象物質とは異なる濃度または純度既知の標準物質を添加した試料溶液を調製し、1H NMRスペクトルを測定することにより、標準物質の純度を基準として、測定対象物質の純度をシグナル面積比の関係から迅速に測定することができます。
定量NMRによる純度測定では、測定対象の化合物と標準物質をそれぞれ精密に混ぜ合わせ、重水素溶媒に溶解した溶液で1H NMR測定を行います※1。得られた定量値は、測定対象と標準物質のピーク面積、プロトン数、調製試料の質量および分子量の関係を用いて算出されるため、吸光度測定等では見逃してしまう残留溶媒や水分等をとらえた、より精度の高い値となっています。さらに、国際単位系(SI)へのトレーサビリティが確保された標準物質を用いることで、得られる純度や含量は、物質量(モル)に基づいた信頼性の高い値を得ることができます。

また、定量NMRではスペクトル上に観測される水素原子のピーク面積を定量的に比較可能なため、測定対象の化合物とシグナルが重ならない限り、1つの標準物質で、水素を含む多くの化合物の純度や含量を評価することができます。

  • クロマトグラフ法

  • 定量NMR法

当社では、qNMR用標準物質、標準液、その他NMRに使用する製品をラインアップしています。

  • 1:他の原子核による定量法の研究も、進められています1,2,3)。当社では19F NMR定量用の標準物質をNMIJ CRMとして販売しています。
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  1. 斎藤直樹 他 : 計測と制御, 53-6, 529 (2014).
  2. T.S. Al-Deen et al.: Anal. chim. acta, 474-1-2, 125 (2002).
  3. W. He et al.: J. fluorine chem, 127-6, 809 (2006).

定量NMRのラインアップ