NMR溶媒
重水素化溶媒の選定
qNMR測定に使用する重水素化溶媒の品質は、基準物質と同様、qNMR測定において極めて重要な要素のひとつです。重水素化溶媒に含まれる不純物シグナルが、定量に利用するシグナルと重複した場合、測定結果にバイアスを与えます。また重水素化溶媒中の水分由来のシグナルや、未重水素化シグナル (例:アセトン-d6の未重水素化メチル基由来のシグナル) が大きく観測される場合、NMR測定における感度調整 (レシーバーゲインの設定) が、そのダイナミックレンジに影響を与えることで、結果的に本来観測したいシグナル (測定対象成分や基準物質のシグナル) の感度低下を招きます。以上からqNMR測定に使用する重水素化溶媒は、高純度、低水分、高重水素化率であることが望ましいと言えます。
qNMRに用いる重水素化溶媒の選定で注意するポイント
- 不純物シグナル:不純物シグナルが定量に利用したいシグナルに重複することでqNMR測定結果の精度が低下する
- 水分:水由来のシグナルがダイナミックレンジに影響し、定量に利用したいシグナルの感度が低下する場合がある
- 重水素化率:未重水素化シグナルがダイナミックレンジに影響し、定量に利用したいシグナルの感度が低下する場合がある
装置感度の向上や、qNMRの普及による定量的条件下での測定によって、これまで見えなかった (または、気付かなかった) 重水素化溶媒由来の不純物を懸念する機会が増えてきており、高純度な品質が保証された溶媒の供給が求められ始めています。高純度NMR溶媒は、化学純度 (GC-FID,一部を除く) に加えて、日本薬局方収載の高感度な測定条件を用いて1H NMRスペクトルを取得することで、不純物シグナルの限度試験を実施し、その品質保証をしております。加えて低水分、高重水素化率といった規格を設定し、よりqNMR測定に適した製品としての保証をしております。なお不純物シグナルの限度試験は、1H NMRに加えて、13C NMR、19F NMR、31P NMRといった多核ついても実施し、より広範囲な核種へも対応できる保証をしております。
高純度NMR溶媒
装置感度の向上や、qNMRの普及による定量的条件下での測定によって、これまで見えなかった (または、気付かなかった) 重水素化溶媒由来の不純物を懸念する機会が増えてきており、高純度な品質が保証された溶媒の供給が求められ始めています。高純度NMR溶媒は、化学純度 (GC-FID,一部を除く) に加えて、日本薬局方収載の高感度な測定条件を用いて1H NMRスペクトルを取得することで、不純物シグナルの限度試験を実施し、その品質保証をしております。加えて低水分、高重水素化率といった規格を設定し、よりqNMR測定に適した製品としての保証をしております。なお不純物シグナルの限度試験は、1H NMRに加えて、13C NMR、19F NMR、31P NMRといった多核についても実施し、より広範囲な核種へも対応できる保証をしております。
製品規格 (クロロホルム-d, 99.8% (高純度))
試験項目 | 規格値 |
---|---|
外観 | 無色澄明の液体 |
水分 | 0.003 %以下 |
重水素化率 | 99.8 %以上 |
含量 (GC) | 99.9 %以上 |
不純物 (NMR) (1H) | 試験適合 |
不純物 (NMR) (13C) | 試験適合 |
不純物 (NMR) (31P) | 試験適合 |
不純物 (NMR) (19F) | 試験適合 |
1H NMRチャート例 (クロロホルム-d)
クロロホルム-d | ||||
---|---|---|---|---|
当社 | A社 | B社 | C社 | |
水分 | 0.003 %以下 | 0.005 % (成績値) 規格:0.02 %以下 |
0.0013 % (成績値) 規格:0.01 %以下 |
0.0015 % (成績値) 規格:0.01 %以下 |
含量 | 99.9 %以上 | 100 % (成績値) | 99 %以上 | 99 %以上 |
不純物 (NMR) (1H) | 試験適合 | 1.49ppm付近の水分由来の シグナルが大きい |
1.24, 1.51, 2.00, 2.16 ppm付近に 不純物シグナルあり |
1.25, 1.51, 2.10 ppm付近に 不純物シグナルあり |
不純物 (NMR) (13C) | 試験適合 | - | - | - |
不純物 (NMR) (31P) | 試験適合 | |||
不純物 (NMR) (19F) | 試験適合 |
製品一覧
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高純度NMR溶媒
一般グレード
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