従来品より高性能なLAMP法用核酸増幅試薬

ニッポンジーン HeatAct LAMP MASTER シリーズ

本製品は、LAMP法による等温核酸増幅のためのマスターミックス試薬 (2X) です。
従来品(LAMP MASTER シリーズ)と比較して、非特異的増幅を抑制し、SDS耐性が向上しています。

HeatAct LAMP MASTER シリーズでは、蛍光検出用の「HeatAct LAMP MASTER for Fluorescence」と、 濁度検出用の「HeatAct LAMP MASTER for Turbidity」の2種類があります。
また、セット品である「HeatAct LAMP MASTER for Turbidity (Visible Dye)」では、 付属の目視判定試薬を添加することにより、増幅反応を目視で確認することが可能です。

HeatAct LAMP MASTERシリーズ製品比較

特長

マスターミックスにプライマーと鋳型核酸を添加するだけの簡単操作

LAMP 法に必要な耐熱性鎖置換型DNAポリメラーゼ、Mg2+、dNTPs、至適化されたバッファーなどを含むため、2 x LAMP MASTERにプライマーと鋳型核酸を添加するだけでLAMP法によるDNA増幅を行うことができます。
(テンプレートDNA調製方法について実験例はこちら)

反応液調製時の非特異的増幅を抑制

DNAポリメラーゼに特異的に結合するアプタマーにより、室温~50℃での酵素活性を抑制し、反応液調製時における非特異的増幅やプライマーダイマー形成を低減します。60 - 68℃でアプタマーが解離して酵素が活性化され、特異性の高い等温増幅が可能です。
(反応特異性について実験例はこちら
(50℃でのDNAポリメラーゼ活性抑制について実験例はこちら)

ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)に対する高い阻害耐性

本製品はSDSに対する耐性をもつため、SDSを含む簡易抽出液から得られた粗抽出核酸を鋳型として用いた場合でも、DNAの増幅が期待できます。 (実験例はこちら)

逆転写酵素を添加し、RT-LAMP可能

RT-LAMPにおける50℃での逆転写反応など、柔軟な反応設計に対応します。逆転写酵素は別途ご用意ください。 (実験例はこちら)

使用例

テンプレートDNA調整方法の実験例

血液試料およびシロイヌナズナから、下記2種類の方法で調製したDNA溶液を鋳型として、本製品 (HeatAct LAMP Master for Fluorescence) を用いてLAMP反応を行った。テンプレートDNAの調製方法の違いがLAMP反応に及ぼす影響について比較検討した。

比較に使用したDNA抽出用試薬

簡易DNA抽出試薬「Template Prepper for DNA」 (コードNo.:316-08911)
別途調製したSDS含有の「簡易抽出液」 (組成:10 mM Tris-HCl (pH 8.0), 1% SDS, 100 mM NaCl, 1 mM EDTA, 20 mM DTT)

テンプレート、反応液の調製方法、測定結果

結果
HeatAct LAMP Master for Fluorescenceを用いることで、SDSを含む簡易抽出液で調製したDNAを鋳型とした場合においても、血液および植物試料のいずれからもLAMP反応による増幅が確認された。
一方、抽出方法および試料種によってCq値に差が認められたことから、試料対象に応じた前処理条件の最適化が有用である可能性が示された。

ニッポンジーン DNA抽出試薬について詳しくはこちら

RT-LAMP (1 Step / 2 Step) 条件の比較

Total RNAを鋳型とし、AMV Reverse Transcriptase を添加した以下の反応液組成にて RT-LAMP を実施した。 65℃で 1時間反応させる 1 Step 条件と、逆転写酵素の至適温度に近い 50℃で10分間逆転写反応を行った後、65℃で 1時間反応させる 2 Step 条件を設定し、それぞれ 6 well で比較した。

反応液組成

AMV Reverse Transcriptaseは、20 U/µL 製品 (コードNo.:311-07501) を1 U/µL に希釈してから添加した。

本製品に逆転写活性はありません。RT-LAMPを行う場合は、必ず逆転写酵素を添加してください。
AMV Reverse Transcriptase 添加量:≧ 0.2 U/25 µL反応系
M-MLV Reverse Transcriptase 添加量:≧ 10 U/25 µL反応系

反応条件

① 1 Step RT-LAMP : 65℃ 1時間 (逆転写反応・LAMP反応)
② 2 Step RT-LAMP : 50℃ 10分間 (逆転写反応)、65℃ 1時間 (LAMP反応)

RT-LAMP (1 Step / 2 Step) 条件の比較

結果
50℃、10分の逆転写ステップ追加により、鋳型RNA量が少ない条件においてRT-LAMPの再現性および感度が向上した。
Total RNA 鋳型量が 20 pg/well の場合、1 Step RT-LAMP に比べ、2 Step RT-LAMP では増幅のばらつきが低減した。また、Total RNA 鋳型量が 2 pg/well の条件では、1 Step RT-LAMP では 6 well 中 6 well すべてで増幅が認められなかったのに対し、2 Step RT-LAMPでは 6 well 中 3 well で増幅が確認された。

他社/従来品との比較

反応特異性

反応特異性について評価するため、陽性コントロールプラスミドを添加したLAMP反応液 (PC) および鋳型なしのLAMP反応液 (NTC) を調製し、25℃で2時間保温した後、65℃で1時間反応させた。本製品 (HeatAct LAMP Master for Fluorescence) および従来品 (LAMP Master for Fluorescence) について同一条件下で比較した。測定にはLight Cycler® 96を使用した。

反応特異性の比較

結果
HeatAct LAMP Master for Fluorescenceは、反応液調製時の非特異的増幅およびプライマーダイマー形成を低減した。
アプタマーを含まない従来品では、25℃、2時間のNTC条件下において非特異的増幅が確認された。一方、HeatAct LAMP Master for Fluorescenceはアプタマーの効果により、同条件下においても非特異的増幅産物は検出されなかった。

50℃でのDNAポリメラーゼ活性抑制

陽性コントロールプラスミドを添加したLAMP反応液 (PC) および鋳型なしのLAMP反応液 (NTC) を、以下の反応条件でLAMP反応を行った。アプタマーを含む他社製品 (約45℃までの酵素活性を抑制) と本製品 (約50℃までの酵素活性を抑制) とで比較した。

反応条件

① 65℃ 1時間 (LAMP反応)
② 50℃ 1時間の保温後、65℃ 1時間 (LAMP反応)

50℃でのDNAポリメラーゼ活性抑制の比較

結果
HeatAct LAMP Master for Fluorescenceは、他社製品と比較して高い温度 (約50℃) まで酵素活性を効果的に抑制した。
HeatAct LAMP Master for Fluorescenceは、①および②の条件で同等の増幅が確認された。一方、他社製品では②の条件において、50℃保温中にDNAの増幅が進行したため、65℃での反応においてCq値は測定不能となり、さらにNTC条件において非特異的増幅が認められた。

SDS耐性評価

本製品
「HeatAct LAMP MASTER for Fluorescence」(コードNo. 311-09821)
従来品
「LAMP MASTER for Fluorescence」(コードNo. 317-08941)
他社製品
マスターミックス試薬(蛍光検出用)

SDS耐性の比較

結果
HeatAct LAMP Master for FluorescenceはSDSに対して高い耐性を示し、SDS終濃度0.2%存在下においても増幅が認められた。 一方、従来品および他社製品では、SDS終濃度0.01%の条件においても増幅は認められなかった。
HeatAct LAMP Master for FluorescenceはSDS含有核酸抽出試薬から得られた粗抽出核酸を鋳型として使用できることがわかった。

Q&A

蛍光検出に使用できる装置は?
リアルタイムPCRなどが使用可能です。LAMP法用蛍光検出装置GENEMALも使用可能です。
目視判定に使用できるUV 照射装置は?
240-260 nm あるいは 350-370 nm の範囲の波長を出力するUV 照射装置が使用できます。
蛍光検出用試薬による増幅産物は、濁度測定装置で検出できますか?
HeatAct LAMP MASTER for Fluorescenceは、インターカレーターと耐熱性ピロホスファターゼを含むため、ピロリン酸の生成による不溶物質 (白濁) の形成は起こりません。濁度測定装置では検出できませんので、リアルタイムPCR装置などの蛍光検出用装置をご利用ください。
濁度検出用試薬に25 x Visible Dyeを添加したあと、DNA増幅を濁度測定装置で検出できますか?
可能ですが、濁度測定の場合と目視判定の場合とで推奨のLAMP反応時間が異なります。反応時間を長くすることも可能ですが、その場合、陰性コントロールで非特異反応がないことを確認してください。

製品一覧

  • 項目をすべて開く
  • 項目をすべて閉じる

蛍光検出用

濁度検出用

目視判別用

関連製品一覧

  • 項目をすべて開く
  • 項目をすべて閉じる

鎖置換型酵素

蛍光検出用試薬

組換え逆転写酵素

LAMP法用遺伝子増幅検出装置

簡易DNA抽出試薬

  • 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
  • 掲載されている製品について
    【試薬】
    試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
    試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
    【医薬品原料】
    製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
  • 表示している希望納入価格は「本体価格のみ」で消費税等は含まれておりません。
  • 表示している希望納入価格は本記事掲載時点の価格です。