Wakopak® Wakosil®-II Prepシリーズ (C18、SIL) (分取専用)

Wakopak® Wakosil®-II Prepシリーズは、金属含量が少ない高純度シリカゲルを充てん剤に用いた、金属不純物に影響を受けるような化合物の分取に最適な分取専用カラムです。
逆相分配系では、分析バリデーションサポート対応カラムのWakopak® Wakosil®- II HG・AR・RSシリーズと同様のラインアップでWakopak® Wakosil®- II 5C18 Prepシリーズとしてご用意しています。
順相分配系では、高純度シリカゲルを用いたWakopak® Wakosil® SILシリーズと同様のラインアップでWakopak® Wakosil®- II 5SIL Prepとしてご用意しています。

Wakopak® シリーズの情報(充填剤、粒子径、圧力、pH範囲等)

Wakopak® シリーズの情報(充填剤、粒子径、圧力、pH範囲等)

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Wakopak® Wakosil®-II Prepシリーズの概要

Wakopak® Wakosil®-II Prepシリーズの特長

  • 金属含量の少ない高純度シリカゲルを使用。
  • ユニークな特長をもつシリーズ(AR、HG、RS)をラインアップ。
  • 分析〜分取サイズまで同一の分離特性をもつ充填剤をご用意 (同一担体を充填)。
  • カラム再充填サービスに対応。
Wakosil®-II HG Prep※1 Wakosil®-II RS Prep※2 Wakosil®-II AR Prep※3 Wakosil®-II 5SIL Prep
特長 高理論段数 水系溶離液における高分離能 立体選択性、カラム耐久性 標準的な順相系カラム
用途 Wakosil®-II シリーズのファーストチョイス 高範囲な極性をもつ化合物の分取 ペプチド類や構造異性体の分取、酸性/塩基性溶離液を用いた分取 ・逆相モードでは分離が難しい化合物や加水分解されやすい化合物の分離
・極性化合物の分取
化学修飾 C18 C18 C18 OH (未修飾)
粒子径 約5 μm 約5 μm 約5 μm 約5 μm
一次修飾 モノメリック モノメリック ポリメリック -
内径※4 4.6 mm、10 mm、20 mm、50 mm 4.6 mm、10 mm、20 mm、50 mm 4.6 mm、10 mm、20 mm、50 mm 4.6 mm、20 mm、 50 mm
再充填サービス

※1 Wakosil®-II HG Prep・・・当社カラム製品の中で最も高理論段数を持つ製品です。
※2 Wakosil®-II RS Prep・・・比表面積が大きいため、高保持能を持ちます。徹底的なエンドキャッピング処理を行っているため、水系溶離液でも高分離・高保持能があり、高極性化合物の分離に適しています。
※3 Wakosil®-II AR Prep・・・ポリメリックタイプの化学修飾をしているため、立体選択性に優れます。また、非常に高い耐久性を示す為、広いpH幅で移動相を使用できます。
※4 Prepシリーズは、内径 4.6、10、20、50 mmのカラムを取り扱いしています。製品一覧にないサイズについては、お問い合わせください。

エンドキャッピング

シリカゲルのシラノール基とシリル化剤の反応は、立体障害等の影響を受けるため、一部シラノール基が残存することがあります。この残存シラノール基は、塩基性化合物のピークテーリングの原因となり、分離に影響を及ぼします。残存シラノール基を除くためにさらにシリル化を行うことをエンドキャッピングといいます。エンドキャッピングには主にトリメチルモノクロルシラン(TMS)等のシラン化合物が用いられます。

<ODSカラムのエンドキャッピング例>

ODSカラムのエンドキャッピング例

モノメリックとポリメリック

モノメリックはシリル化剤とシリカゲル上のシラノール基が1対1で結合している構造を指します。
ポリメリックは、シリカゲルをODS化する際、多官能シリル化剤同士が重合したり、1つのシリル化剤がシリカゲルと複数箇所結合することによって、高密度なオクタデシル層を形成した構造を指します。

<モノメリック>
モノメリック
<ポリメリック>
ポリメリック

分取条件設定

直接分取カラムで最適分離条件を検討するのは、多くのサンプルを必要とすること、分取カラムが高価なこと等から、分析サイズのカラムであらかじめ条件を設定し、それを分取サイズに移行するという手段が通常とられます。

当社では、分析〜分取サイズまで同一の充填剤を充填したカラムをご用意しており、スムーズな分析条件の移行が可能となります。
例として、 Wakopak® Wakosil®-II 5C18RS Prepを使用した、アルブチンの分取例を下記に示しました。Wakopak® Wakosil®-II Prepシリーズは粒子径の大きい(約5 μm)充填剤を用いる為、流速を上げても圧力は低く抑えられ、また内径4.6 mmから50 mmまで分取スケールに合わせ適切なカラムを選択いただけます。

分取条件設定手順

1. 分析用サイズカラム(4.6 mm × 250 mm)で分取条件を決める。
→適切な充填剤の選択、移動相条件などの分離条件の検討を分析スケールで行います。
2. 分析用カラムと分取用カラムのカラム断面積の比率よりサンプルの試料負荷量 (注入量)・流速の設定を行う。
→分析と分取で同じ充填剤を用いることが出来れば、カラムの断面積に比例した流速と注入量を設定することでほぼ同等のカラム圧力で、同等の分離が得られます。
3. 分取用カラムで分取を行う。

アルブチンの分析例 (分取例)

内径4.6 mm のWakopak® Wakosil®-II 5C18RSで分析していたアルブチンを、内径20 mm、33 mm、50 mm で充填剤、粒子径およびカラム長が同一のカラムにスケールアップするとします。断面積比に合わせて、流速、注入量を大きくすることにより、ほぼ同等のクロマトグラムが得られるものと推測されます。実際に測定した下記のクロマトグラムをみると、ピーク形状、ピーク幅、各成分の保持時間がほぼ同等の結果が得られたことが分かります。
このように、同一の充塡剤で内径の異なる カラムのペアが入手できる場合には、容易にスケールアップを行うことが可能です。

※試料負荷量の設定については注入量を固定して試料濃度を上げていく濃度負荷、試料濃度を固定して注入量を増やしていく容量負荷があります。本試験では容量負荷法を採用しています。

アルブチンの分析例 (分取例)
Peak No. 成分名
1 Arbutin

分析 (分取)条件

内径 4.6 mm × 250 mm 20 mm × 250 mm 33 mm × 250 mm 50 mm × 250 mm
断面積比※ 1 19 51 118
流速 0.8 mL/min. 15.1 mL/min. 41.2 mL/min. 92.6 mL/min. 断面積比に合わせて流速をそれぞれ約19倍、51倍、118倍とする
注入量 20 μL 380 μL 1.0 mL 2.3 mL 断面積比に合わせて注入量をそれぞれ約19倍、51倍、118倍とする
カラム圧 45 kg/cm2 46 kg/cm2 49 kg/cm2 44 kg/cm2 流速、注入量をカラムの断面積に比例させスケールアップしたので、カラム圧力はほぼ同等になる

※内径4.6 mmのカラムの断面積を1とした時の断面積比。段面積=半径 × 半径 × 3.14 (円周率)で算出。

Wakopak® Wakosil®-II HG Prep

当社カラム製品の中で最も高理論段数を持つ製品です。

カラム情報

シリカゲル 金属含量の少ない高純度シリカゲル
平均粒子径 約5 μm
比表面積 300 m2/g
細孔径 12 nm
細孔容量 1.00 mL/g
化学結合基 オクタデシル基(ODS、C18)
一次修飾 モノメリック
エンドキャップ処理
炭素含有量 16.0%
USPコード L1
カラム内径 4.6 mm、10 mm、20 mm、50 mm
推奨使用pH範囲 2~7.5
再充填サービス

センソの分析(分取)

センソの分析(分取)
Peak No. 成分名 Peak No. 成分名 Peak No. 成分名
1 Bufalin 2 Cinobufagin 3 Resibufogenin
Analysis condition
Column size 4.6 mm × 250 mm 20 mm × 250 mm 33 mm × 50 mm 50 mm × 250 mm
Flow Rate 1.0 mL/min. 18.9 mL/min. 51.5 mL/min. 115.8 mL/min.
Column pressure 60 kg/cm2 54 kg/cm2 58 kg/cm2 60 kg/cm2
Injection volume 20 μL 380 μL 1.0 mL 2.3 mL
Column Wakopak® Wakosil®-II 5C18HG Prep
Colum temperature R.T.
Eluent A) CH3CN/0.1%CH3COOH=40/60 (v/v)
B) CH3CN/0.1%CH3COOH=80/20 (v/v)
Gradient
Time (min.) B conc. (%)
0-28 0
28-40 100
Detection UV 300 nm
Prepシリーズと分析用カラムにおける注入量と理論段数(N)の関係
Prepシリーズと分析用カラムにおける注入量と理論段数(N)の関係
Prepシリーズと分析用カラムにおける注入量と分離度(Rs)の関係
Prepシリーズと分析用カラムにおける注入量と分離度(Rs)の関係
Sample N) Dibutyl phthalate
Rs) Dipropyl phthalate, Dibutyl phthalate
Column Wakopak® Wakosil®-II 5C18HG Prep
Column size 4.6 mm × 250 mm, 20 mm × 250 mm, 33 mm × 250 mm, 50 mm × 250 mm
Eluent CH3CN/H2O=65/35 (v/v)

Wakopak® Wakosil®-II RS Prep

Wakopak® Wakosil®- II RS Prepは徹底的なエンドキャッピングを行っており、水系溶離液でも使用することができます。その為、広範囲な極性を有する混合試料、塩基性化合物もテーリングすることなく分取することができます。
また、比表面積が400 m2/gと大きく、高い保持能を示します。

カラム情報

シリカゲル 金属含量の少ない高純度シリカゲル
平均粒子径 約5 μm
比表面積 400 m2/g
細孔径 12 nm
細孔容量 1.20 mL/g
化学結合基 オクタデシル基(ODS、C18)
一次修飾 モノメリック
エンドキャップ処理
炭素含有量 17.0%
USPコード L1
カラム内径 4.6 mm、10 mm、20 mm、50 mm
推奨使用pH範囲 2~7.5
再充填サービス

アルブチンの分析(分取)

アルブチンの分析(分取)
Peak No. 成分名
1 Arbutin
Analysis condition
Column size 4.6 mm × 250 mm 20 mm × 250 mm 33 mm × 250 mm 50 mm × 250 mm
Flow Rate 0.8 mL/min. 15.1 mL/min. 41.2 mL/min. 92.6 mL/min.
Column pressure 45 kg/cm2 46 kg/cm2 49 kg/cm2 44 kg/cm2
Injection volume 20 μL 380 μL 1.0 mL 2.3 mL
Column Wakopak® Wakosil®-II 5C18RS Prep
Colum temperature R.T.
Eluent A) CH3COOH/H2O=1/99 (v/v)
B) CH3CN/H2O=30/70 (v/v)
Gradient
Time (min.) B conc. (%)
0-19 0
19-37 100
37-41 0
Detection UV 280 nm

Wakopak® Wakosil®-II AR Prep

ポリメリックタイプのODS充填剤を使用したカラムで、移動相が酸性(pH1.4)の場合でもODSが加水分解されにくく、非常に高い耐久性を示します。ポリメリックODSの結合の特性から、分離挙動が一般的なモノメリックODSシリカゲルとは異なる場合があり、非常に特異的な挙動を示すことがあります。そのため、ペプチド類や構造異性体などの分離に有用です。

カラム情報

シリカゲル 金属含量の少ない高純度シリカゲル
平均粒子径 約5 μm
比表面積 300 m2/g
細孔径 12 nm
細孔容量 1.00 mL/g
化学結合基 オクタデシル基(ODS、C18)
一次修飾 ポリメリック
エンドキャップ処理
炭素含有量 18.0%
USPコード L1
カラム内径 4.6 mm、10 mm、20 mm、50 mm
推奨使用pH範囲 1.4~9.4
再充填サービス

耐酸性データ

耐酸性データ

pH 1.4で保持能◎

Analysis condition
Column Wakopak® Wakosil®-II 5C18 AR 4.6 mm x 150 mm
Colum temperature R.T.
Eluent CH3CN/H2O=40/60 (v/v)
Flow rate 1.0 mL/min.
Detection UV 254 nm
手順

各カラムに1.0%トリフルオロ酢酸水溶液 (pH1.4)を置換後、60℃恒温槽中で静置し、その後14時間ごとにナフタレンピークの保持係数 k (ウラシルピークを t0 として)を測定した。

耐塩基性データ

耐塩基性データ

pH 9.4で理論段数◎

Analysis condition
Column Wakopak® Wakosil®-II 5C18 AR 4.6 mm x 150 mm
Colum temperature 40℃
Eluent 40% CH3CN in 20 mM Na2HPO4 (pH9.4)
Flow rate 1.0 mL/min.
Detection UV 254 nm
手順

各パックドカラムに、りん酸水素二ナトリウムのアセトニトリル溶液(pH9.4)を40℃で連続送液した後、所定時間ごとに、N,N-ジメチルアニリンピークを測定し、理論段数Nを算出した。

※上記の耐酸性、耐塩基性のデータはWakopak® Wakosil®- II ARを使用して測定したものであり、分取用カラムを使用したデータではありません。

Wakopak® Wakosil®-II 5SIL Prep

官能基を修飾させていないシリカゲルを充てんした、標準的な順相系分取用カラムです。金属含量の少ない高純度シリカゲルを使用しており、金属不純物に影響を受ける化合物の分取に最適です。
同シリーズの分析用カラムWakopak® Wakosil® SILシリーズについてはこちらをご確認ください。

カラム情報

シリカゲル 金属含量の少ない高純度シリカゲル
平均粒子径 約5 μm
比表面積 300 m2/g
細孔径 12 nm
細孔容量 1.00 mL/g
化学結合基 シラノール基(OH)
一次修飾 -
エンドキャップ処理 -
炭素含有量 -
USPコード L3
カラム内径 4.6 mm、20 mm、50 mm
推奨使用pH範囲 1.0~4.0
再充填サービス

安息香酸エステルの分析(分取)

安息香酸エステルの分析(分取)
Peak No. 成分名 Peak No. 成分名 Peak No. 成分名
1 Hexyl Benzoate 2 Propyl Benzoate 3 Methyl Benzoate
Analysis condition
Column size 4.6 mm × 250 mm 20 mm × 250 mm 33 mm × 250 mm 50 mm × 250 mm
Flow Rate 1.0 mL/min. 18.9 mL/min. 51.5 mL/min. 115.8 mL/min.
Column pressure 18 kg/cm2 18 kg/cm2 16 kg/cm2 14 kg/cm2
Injection volume 10 μL 190 μL 500 μL 1.15 mL
Column Wakopak® Wakosil®-II 5SIL Prep
Colum temperature R.T.
Eluent n-Hexane/Ethyl Acetate=100/0.5 (v/v)
Detection UV 254 nm

製品一覧

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Wakopak® Wakosil®-II 5C18 HG Prep

Wakopak® Wakosil®-II 5C18 AR Prep

Wakopak® Wakosil®-II 5C18 RS Prep

Wakopak® Wakosil®-II 5SIL Prep

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  • 掲載されている製品について
    【試薬】
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    試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
    【医薬品原料】
    製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
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