SCALEVIEW®-A2
宮脇敦史博士らにより、水溶性で蛍光タンパク質の蛍光を損なうことなく、簡便に生体組織を透明化する方法Scaleが開発されました。
SCALEVIEW®-A2はホルマリンで固定された生体試料における光の吸収や蛍光を損なうことなく、光の散乱を除く働きを持つ水溶性の溶液です。
SCALEVIEW®-A2に浸漬するだけで哺乳類動物の脳などの生体組織を透明することが可能です。
SCALEVIEW®-A2の光学特性である屈折率ne(20℃)は、1.377 - 1.381です。
HPデータ:理化学研究所 脳科学総合研究センター 細胞機能探索技術開発チーム 濱裕先生、宮脇敦史先生より提供
協力:オリンパス株式会社
参考文献
- Hama,H.et al. : Nature Neuroscience, 14, 1481(2011).
プロトコル例
SCALEVIEW®-A2を用いた透明化方法について、マウス脳を例に紹介します。
1.固定
① マウスを4 % paraformaldehyde(PFA) / PBS(pH 7.5~8.0)で灌流固定する。
② 脳を取り出した後、4 % PFA / PBSで固定(4 ℃、10時間)し、20 % Sucrose / PBSに置換(4℃、24時間)する。
③ OCTコンパウンドで包埋し、液体窒素で凍結する。
④ 凍結した脳をPBSで解凍・洗浄し、4 % PFA / PBSで再固定する(室温、20分)。
2.透明化処理
⑤ 固定された脳をSCALEVIEW®-A2中に浸漬する(室温)。
注意点・ポイント
アダルトマウス脳1個につき30 mL以上のSCALEVIEW®-A2をご使用ください。
透明化には1週間以上必要です。浸漬中は、シェーカー等でゆっくり振とうさせてください。
1日毎にSCALEVIEW ® -A2を交換すると、透明化が進みやすくなります。
SCALEVIEW®-A2に浸漬することで、脳は1方向につきリニアに10~30 %程度膨潤します。
3.観察
⑥ SCALEVIEW®-A2処理した脳サンプルを2光子励起顕微鏡、オリンパス製 多光子専用対物レンズ:XLPLN25SVMPを用いて観察する。
若しくは共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察する。
⑦ 観察終了後、脳を再びSCALEVIEW®-A2で浸漬し4 ℃で保存することが可能。
処理例
観察例
YFP-H マウス海馬イメージング
オリンパス製 対物レンズXLPLN25XSVMP (NA1.0, WD4mm)を用いて観察した例
YFP-H マウス脳のイメージング
オリンパス製 対物レンズXLSLPLN25XSVMP (NA0.90, WD8mm)を用いて観察した例
製品一覧
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