DMPS-Pd/SiO2 DMPS-Pd/SiO2

DMPS-Pd/SiO₂は、シリカゲルに担持されたジメチルポリシラン(DMPS)修飾パラジウム触媒であり、フロー反応用触媒として芳香族ニトリル及び脂肪族ニトリルを1級アミンに還元できます。

• 二次担体としてシリカゲルを用いたジメチルポリシラン修飾白金触媒。
• 芳香族ニトリル及び脂肪族ニトリルを対応する1級アミンに還元。

フローシステムを用いたニトリルの還元¹⁾

二次担体の検討

デカンニトリル1の還元について、二次担体としてアルミナ、シリカゲルおよび炭素(Pd/C)を検討したところ、シリカゲルを用いたとき副生成物は見られず、高い収率で対応するアミン塩酸塩2を与えました(Table 1, entry 6) 。興味深いことに、 DMPS-Pd/SiO₂をバッチ反応で用いたところ、複雑な混合物となり目的とするアミンは得られませんでした(Table 1, entry 7)。

芳香族ニトリルの還元

フローシステムでDMPS-Pd/SiO₂を触媒とする様々な官能基を有する芳香族ニトリルの還元を検討し、対応するアミン塩酸塩を高収率で与えました(Figure 1)。また、ニトリル基を2つ有するイソフタロニトリルでも、対応するジアミン塩酸塩が定量的に得られました。

脂肪族ニトリルの還元

フローシステムでDMPS-Pd/SiO₂を触媒とする様々な脂肪族ニトリルの還元を検討し、水素圧を上げるなどの条件を変更し、触媒量を増やすことによって、対応するアミン塩酸塩を高収率で与えました(Figure 2)。また、分子内にエステル基を有するニトリルを用いても、選択的にニトリルのみが還元された生成物が得られました。

ベンジルシアニドの還元

フェネチルアミンは、生理活性物質として重要な化合物であり、 DMPS-Pd/SiO₂を触媒とするフローシステムでベンジルシアニドを還元することで、高収率で対応するフェネチルアミン塩酸塩が得られました(Figure 3)。

参考文献

1. Saito, Y., Ishitani, H., Ueno, M., Kobayashi, S. : ChemistryOpen, 6, 211 (2017).