カートキシン
Kurtoxin
- 製造元 :
- (株)ペプチド研究所
- 保存条件 :
- 冷凍 (ドライアイス輸送)
- 構造式
- ラベル
- 荷姿
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比較
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製品コード
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容量
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価格
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在庫 / 納期目安
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0.1mg
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照会 |
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ドキュメント
- 添付文書
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- スペクトルデータ
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- 検査成績書
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- 校正証明書
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- 分析チャート
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アプリケーション
概要・使用例
| 概要 | 始めてのペプチド型Ca2+チャネルブロッカー。 電位依存性Ca2+チャネルは、その電気生理学的特性により5種類あることが知られています。これらのうち、L型、N型、およびP/Q型は大きな脱分極によって活性化され、R型は中程度の脱分極によって活性化されます。また、T型チャネルは小さな脱分極によって活性化されます。このT型チャネルはL型チャネルなどとは異なり、α1サブユニット(α1G,α1Hおよびα1I)単独で構成され、他の付属サブユニットの機能的関与はないと考えられています。Ni2+イオンがこのチャネルを阻害することが知られていますが、ペプチド性のT型チャネル阻害薬は今まで報告されていませんでした。 1998年、南アフリカのサソリ(Parabuthus transvaalicus)からkurtoxin(63残基のアミノ酸からなるペプチドで、分子内に4組のS-S架橋構造を持つ)が単離され、T型Ca2+チャネルに選択的な阻害作用を持つことが報告されました[Nat.Neurosci.,1,668(1998)]。アフリカツメガエルの卵母細胞に発現したα1G チャネルを用いた実験の結果、kurtoxinはこのチャネルと高い親和性(Kd=15nM)を持つことがわかりました。Kurtoxin 350nMを用いるとα1Gチャネルはほぼ完全に阻害されます。しかし、α1Hチャネルは85%程度しか阻害されません。また、同濃度のkurtoxinはα1Bチャネル(N型)、α1Aチャネル(P/Q型)、およびα1C チャネル(L型)に影響を与えませんでした。 2002年、S.S.Sidach とI.M.Mintzは、500nMのkurtoxinが、ラットの視床神経細胞のT型チャネルをほぼ完全に阻害すると報告しました[J.Neurosci.,22,2023(2002)]。しかし、卵母細胞での実験とは異なり、ラットの視床神経細胞、交感神経、Purkinje神経ではCa2+チャネルの選択性が完全ではなく、L型、N型、およびP型チャネルも阻害すると報告しています。また、このkurtoxinはα-scorpion toxinと類似構造を持つため、電位依存性Na+チャネルに結合し、ゆっくり不活性化します。T.Olamendi-Portugalらはkurtoxinが卵母細胞に発現したNa+チャネルを阻害することを報告しています[Biochem. Biophys. Res. Commun.,299,562(2002)]。 チャネル選択性に関しては今後さらなる解析が必要と考えられますが、このように高い親和性のT型選択的チャネル阻害作用を持つkurtoxinを使用することにより、今後、T型チャネルの生理的役割に関して新たな知見が得られるものと期待されています。 WAKO BIO WINDOW No.49 p12 (2003. May.)。 Cys-Cys結合を有するチャネル選択性の高いブロッカー ペプチド性イオンチャネルブロッカー 【Ca2+ Channel Blockers】 動物の細胞内液イオン濃度は細胞外液と異なります。Na+は外液に多く、K+は細胞内に多くあります。これはNaポンプ(Na+- K+-ATPase)によってNa+3分子を外にくみ出すと同時に、K+2分子を取り込んでいるからです。カチオン1分子が外に出た結果、細胞表面は負に帯電し -60~-90mVの電位差が生まれます。この細胞膜は興奮性膜と呼ばれ、神経細胞の情報伝播や、筋肉収縮の引き金としての重要な役割を担っています。 一方、Ca2+は筋肉の収縮や、ホルモン・化学伝達物質の分泌に大きく関与しています。細胞内のCa2+はほとんどが Endoplasmic reticulum(ER) に蓄えられていてfreeな形は0.1μM以下の濃度で、細胞の内外では10,000倍の差があります。このように、細胞の内外ではイオンの濃度に差があり、細胞が生きているかぎり、一定に保たれています。しかし、この濃度差は細胞が活動する時に変化します。ここで活躍するのが、細胞膜上に存在し、特定なイオンだけを選択的に通す役目を持ったイオンチャネルです。これらのチャネルには種々のサブタイプがあることがわかっています。実はこのサブタイプチャネルの解析は、ブロッカーの開発に依存してきました。例えば不可逆性Ca2+チャネルとして報告された天然ω-Conotoxin GVIA の場合、(株)ペプチド研究所は新潟大学との共同研究で、化学合成品が広く使用されたことによりN-typeサブチャネルの解析に重要なツールとして利用されるようになった経緯があります。 Ca2+チャネルは電位依存性で現在 L型、N型、T型、P/Q型、R型の5種類が知られています。このうち最も広く分布するのがL型で、心筋、平滑筋、神経、分泌細胞等に見いだされます。T型もL型と同じように多くの興奮性細胞に見いだされますが、T型はL型に比べ内向きCa2+電流の持続時間が短く一過性です。これに対し、神経細胞に特有なN型があります。さらに最近、中枢神経のPurkinje細胞にP/Q型、またR型のCa2+チャネルが新しく見つかっています。 Wako BioWindow No.109, p. 16 (2011.4) |
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物性情報
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