ニュース

新製品情報

ライフサイエンス医薬品 製造・品質管理

新型コロナウイルスL452R変異検出キットを発売

更新日:2021年12月22日

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)変異株の検出試薬「L452R変異検出キット」 (研究用試薬)を発売しました。本キットは、ワンステップ RT-qPCR法に用いることで、インド型・カリフォルニア型ウイルスに共通する「L452R」変異を高感度に検出できます。

厚生労働省の2021年11月30日付け(12月3日一部改正)事務連絡1)において、新型コロナウイルスのオミクロン株の検査フローが公示されました。
本検査フローでは、新型コロナウイルスの陽性者に対し、L452R変異有無を調べるPCR検査を行い(L452R変異株PCR検査)、その後ゲノム解析を実施することでオミクロン株の該否判定をします。

本キットは当該検査フローの「L452R変異株PCR検査」にご使用いただけます。

オミクロン株のL452R変異PCR検査について

厚生労働省の2021年11月30日付け(12月3日一部改正)事務連絡において、新型コロナウイルスのオミクロン株の検査フローが公示されました。 本検査フローでは、新型コロナウイルスの陽性検体に対し、L452R変異有無を調べる変異PCR検査を実施し、その後ゲノム解析を行います。変異PCR検査では、L452R変異が"陽性"、"陰性もしくは判定不能"のどちらかに分類します。 "陰性もしくは判定不能"の場合、オミクロン株の可能性が強く疑われます。

本キットは、 従来 (非変異) 型検出用のWild Type Primer/ Probe と変異型検出用の Mutant Type Primer / Probeを用い、 両者の増幅シグナルのCt(Cycle threshold)値を比較して変異有無を判定します。
しかし、オミクロン株の検体に対して本キットを用いた場合、従来 (非変異) 型検出用のWild Type Primer/ Probe と変異型検出用の Mutant Type Primer / Probeのどちらの増幅シグナルも検出されません。オミクロン株はL452Rの変異はない(従来型)とされているため、通常は従来 (非変異) 型検出用のWild Type Primer/ Probeの増幅シグナルを得られることが予想されますが、本キットとオミクロン株検体の組み合わせにおいては従来 (非変異) 型の増幅シグナルを得られません。すなわち、"陰性(L452Rの変異がない従来型)"と判定することはできず、"判定不能"となります。
本キットをオミクロン株検査に用いた際、両シグナルが検出されず判定不能となった場合にオミクロン株の可能性が強く疑われます。

L452R変異検査キット_オミクロン株
新型コロナウイルス変異株の検出試薬「L452R変異検出キット」

「L452R変異検出キット」は、当社独自の設計手法により開発したプライマー/プローブを採用し、新型コロナウイルスの陽性検体から「L452R」変異を高感度で検出できます。
2021年3月に発売した「N501Y変異検出キット」および「E484K変異検出キット」と本製品を併用することで、変異株分類のスクリーニングが可能になります。

新型コロナウイルスの変異検出のイメージ (+:陽性判定、-:陰性判定)

新型コロナウイルス陽性検体
N501Y変異検出キット E484K変異検出キット L452R変異検出キット
検出する変異
アルファ株 (N501Y 変異)
ベータ株・ガンマ株
(N501Y・E484K 変異)
カッパ株・デルタ株・イプシロン株
(L452R 変異)

製品概要

製品詳細は品名のリンクよりご参照ください。

製品コード 品名 容量 保管温度 希望納入価格
283-36303 SARS-CoV-2 L452R Mutation Detection Kit 20反応用 -20℃ 20,000円
287-36301 200反応用 80,000円
製品構成
  1. RT Enzyme Mix (20x)
  2. One-Step Reaction Mix (2x)
  3. 452L Wild Type Primer & Probe Mixture (FAM)
  4. L452R Mutant Type Primer & Probe Mixture (FAM)
他の新型コロナウイルスの変異検出キットは以下のリンクよりご参照ください。
新型コロナウイルスのリアルタイムPCR検査キットは以下のリンクよりご参照ください。
引用文献

1) 厚生労働省.:"B.1.1.529系統(オミクロン株)の感染が確認された患者等に係る入退院及び航空機内における濃厚接触者並びに公表等の取扱いについて" 2021年11月30日(12月3日一部改正).

https://www.mhlw.go.jp/content/000862838.pdf