Ignyte Bio社はヒトPBMC(末梢血単核球細胞)の供給メーカーです。
正常ドナー由来PBMCの他、各種疾患ドナー由来PBMCやT細胞(CD3陽性細胞/CD4陽性細胞/CD8陽性細胞)、B細胞、NK(ナチュラルキラー)細胞等を単独でも提供しています。
すべての細胞製品においてIRB承認済みのインフォームドコンセントに署名したドナーから採取しており、HIV,HBV,HCV等の血液媒介感染症についても検査を実施し、陰性が確認できたドナーから採取した血球細胞製品を提供しています。
特長的な製品:抗原特異的T細胞(Antigen Specific T Cells:ASpecT)
Ignyte Bio社の特長のひとつとして、精度の高い研究用抗原特異的T細胞(ASpecT)の生成が挙げられます。
抗原特異的T細胞(ASpecT)はT細胞の機能を調節する薬剤(ペプチド、低分子、抗体など)の開発やスクリーニングに利用することができます。
様々なワクチンコンストラクトによる抗原提示の有効性の試験や、チェックポイント阻害剤を評価する試験などの免疫腫瘍学への応用が考えられます。
<特長>
- HPよりCOA(成績証明書)が入手可能
- 同一ロットで大量生産が可能
- 不死化および遺伝子組換えをしていないため、体内循環T細胞を忠実に再現
- ペプチド/MHC四量体への結合、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)産生、細胞毒性アッセイを利用して抗原特異的T細胞の特異性を解析済
製品例:癌胎児性抗原 (CEA)に対する抗原特異的T細胞
癌胎児性抗原 (CEA)は、180 kDA の細胞表面糖タンパク質で、大腸、胃、直腸、膵臓の腫瘍を含む消化管悪性腫瘍の 90%、肺がんの 70%、乳がんの約 50%、頭頸部 (HNC) がんの大部分で過剰発現しています。
このため、CEA は数十年にわたって癌免疫療法研究におけるワクチンのターゲットとなっています。
CEAに基づいたワクチン開発の目標はCEAを発現するがん細胞に対してCD8+T細胞を活性化させ、増殖させることにあります。
特定されたCEA ペプチドエピトープの内の1つであるHLA-A*0201-restricted YLSGANLNL(CEA571-579)はin vitro でCD8 + T 細胞応答を誘発する能力が報告されています。
Ignyte Bioが提供するAnti-CEA CD8+ T Cellsはネイティブ CEA571-579 (YLSGANLNL)ペプチドに対して生成されており、腫瘍特異的な細胞治療製剤を開発する上でのポジティブコントロールとしてお使いいただけます。
図1では、CEA571-579の特異的認識を示しています。
図2は、HLA-A-02:01陽性標的細胞を CEA571-579ペプチドと共にインキュベートした際の特異的IFN-γ 分泌および細胞溶解性を示しています。
図1.ペプチド/MHC四量体結合分析を用いた抗原ペプチドCEA571-579の認識
APCで標識した HLA-A-02:01-CEA571-579(左)またはHLA-A-02:01-HPV E711-20(右、コントロールテトラマー)で Anti-CEA CD8+ T細胞を検出した結果。CEA571-579に特異的に結合したT細胞が検出された。
図2. 抗原特異的 IFN-γの分泌および細胞毒性データ
HLA-A-02:01 + B-LCL細胞にAnti-CEA T細胞およびCEA571-579 、HPV E711-20(コントロールペプチド)を添加し、18~24 時間培養を行った培養上清中のIFN-γを測定した結果。CEA571-579ペプチド濃度依存的なIFN-γおよび細胞毒性が検出された。
製品例:Expanded NK Cells
NK細胞は直接的な細胞傷害性に加えて、抗体依存細胞傷害性(ADCC)メカニズムにより、細胞傷害性が増強されます。 ヒトNK細胞はFcγRIIC(CD32c)とFcγRIIIA(CD16a)のFc受容体を発現しており、これらはヒト免疫グロブリンのFc部分に結合します。結合すると、シグナル伝達機構を介して、NKの脱顆粒、サイトカインの分泌、標的細胞の溶解が起こります。
IgnyteBio社のExpanded NK Cellsは生存率(≥85%以上)やCD56+,CD3- 細胞の発現量(≥80%) の規格を設けている他、FcγRIIIA-158の遺伝子型等をロット毎にチェックをしております。抗体医薬品候補のADCC活性評価用のエフェクター細胞としてご活用ください。
図3ではNK Cellsの細胞毒性を示しています。 図4ではExpanded NK Cellsを用いたRituximabのADCC活性を示しています。
図3.同一ドナー由来のIsolated・Expanded NK Cellsの細胞毒性評価
同一ドナー由来のIsolated・Expanded NK Cellsを標的となるK562細胞とそれぞれ培養し、標的細胞に対する細胞毒性を測定した結果。Isolated NK cellsに比べ、Expanded NK Cellsの細胞毒性が高いことが示された。
図4.Expanded NK Cellsを用いたRituximabのADCC活性評価
標的となるB-LCL細胞に対するADCC活性をExpanded NK Cellsのみ、Expanded NK Cells+アイソタイプコントロール、Expanded NK Cells+Rituximabの各条件で測定した結果。Expanded NK Cells+Rituximabの条件で細胞毒性が上昇した。
COAの例
ドナー固有のデータ
- 基本的なドナー情報:性別、年齢、人種、身長、体重、血液型
- COVIDに関するデータ:COVIDワクチン接種、Fcγ3a158、Fcγ2a131
- HLAデータ
- CMVステータス
- その他:喫煙歴、アレルギー、服用
ロット別データ
- バイアルごとの生細胞数
- 生存率
- 無菌試験
受入基準とQCデータを比較可能
例:Anti-CEA CD8+ T Cell
- CD8+細胞の割合
- コントロールテトラマー認識T細胞の割合
- 抗原特異的T細胞の割合
例:Expanded NK Cells
- CD8+細胞の割合
- コントロールテトラマー認識T細胞の割合
- 抗原特異的T細胞の割合
製品ごとのデータ
例:Anti-CEA CD8+ T Cell
- ペプチド用量依存的なIFN-γの産生量
- ペプチド用量依存的な細胞毒性
例:Expanded NK Cells
- Isolated NK Cellsと細胞毒性の比較
- 標的細胞に対するADCC活性
製品一覧
Catalog Number | Product Name | Size |
---|---|---|
MN-01 | PBMC-10 | > 10M |
MN-02 | PBMC-25 | > 25M |
MN-03 | PBMC-50 | > 50M |
MN-04 | PBMC-5 T2D | > 5M |
MN-05 | PBMC-5 | > 5M |
MN-06 | PBMC-5 Hashimoto’s | > 5M |
MN-08 | Irradiated PBMC | ≥ 25M |
TC-01 | Pan CD3+T Cells | > 5M |
TC-02 | CD4 T Cells | > 5M |
TC-03 | CD8 T Cells | > 5M |
TC-04 | Induced T Regs | > 1M |
TC-05 | Anti gp-100 CD8+T cells | > 1M |
CST-01 | Anti HPV E711-20 CD8+ T Cells | > 1M |
TC-06 | Anti Tyrosinase CD8+T Cells | > 1M |
TC-07 | Anti- MART-1 CD8+T Cells | > 1M |
TC-08 | Anti- NY-ESO-1 CD8+T Cells | > 1M |
TC-10 | Anti-CMV CD8+ T Cells | > 1M |
Catalog Number | Product Name | Size |
---|---|---|
TC-11 | Anti-MUC1 CD8+ T Cells | > 1M |
TC-12 | Anti-EBV CD8+ T Cells | > 1M |
TC-13 | Anti-CEA CD8+ T Cells | > 1M |
TC-14 | Anti-GAD65 CD4+ T Cells | > 1M |
DC-01 | Dendritic Cells | > 1M |
MO-01 | Monocytes | > 5M |
NK-01 | NK Cells | > 5M |
NK-02 | Expanded NK Cells | > 5M |
BC-01 | Pan B Cells | > 5M |
PL-01 | Normal Plasma | 900μl |
Pl-02 | Plasma T2D | 900μl |
PL-03 | Plasma Celiac | 900μl |
AG-01 | HCMV Antigen | 50 μg |
AG-02 | Tetanus Toxoid | 100 μg |
AG-03 | gp100 (209-217) Peptide | 1 mg |
GR-01 | Neutrophils | ≥ 5M |
BC-02 | B-Lymphoblastoid Cells (B-LCLs) | ≥ 2M |
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- 【試薬】
- 試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
- 試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
- 【医薬品原料】
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