F-PDOを用いたがん免疫の評価試験
がん免疫療法は従来の外科的療法、化学療法、放射線療法が主流でしたが、分子生物学、免疫学の目覚ましい進歩により、細胞免疫療法や抗体免疫療法等の新しい治療法が確立されつつあります。しかし、臨床のデータは不足しており、がん細胞株を用いた試験は臨床の結果と大きく異なる場合があります。弊社が提供する患者由来のがんオルガノイドF-PDO（※１）はがん組織の構造や特徴を正確に反映したオルガノイドで、多くのin vitro評価試験にご活用いただけます。
本サービスでは、F-PDOを用いてがん免疫関連の評価を行います。細胞傷害活性や細胞増殖阻害活性を始めとして様々な評価を目的に合わせて実施が可能で、患者由来のがんオルガノイドF-PDOを用いて評価するアッセイを構築し、さまざまなin vitroアッセイを行っています。細胞障害性T細胞やNK細胞も用意しています。
※1：Fukushima-PDOの略であり、福島県立医科大学様が開発じ樹立されたPDOです。
F-PDOについての詳細はこちらから
F-PDOを用いたがん免疫アッセイ
F-PDO使用して下記のような評価項目を試験可能（通常のがん細胞を使用することも可能）
- 細胞傷害性 T 細胞や NK 細胞を用いた細胞傷害活性
- 抗体の抗体依存性細胞傷害活性（ADCC 活性）
- 免疫チェックポイント阻害剤や CAR-T 細胞などのがん免疫療法の細胞傷害活性
- 二重特性抗体の細胞傷害活性
※電気抵抗値、カルセイン染色、カスパーゼ活性の蛍光測定、サイトカインのELIAS測定、フローサイトメトリー測定などご要望に合わせて調整可能です
F-PDOのラインナップ
F-PDO®：109種類（固形腫瘍：106系統、造血器腫瘍：3系統）をラインナップしております。
※リストはこちらから
※随時更新されています。リストになくてもお問合せください。
※細胞塊を形成しない細胞も含みます
F-PDOを用いた免疫細胞による細胞傷害試験
免疫細胞の細胞傷害活性をF-PDOを用いて評価します。
金電極でウェル底面をカバーしたプレート (xCELLigence)にF-PDOを播種し、免疫細胞（エフェクター細胞）を添加後、電気抵抗値からCell IndexやCytolysisを算出します。
109種類のF-PDOから目的組織由来のオルガノイドを選択し、免疫細胞の細胞傷害活性を評価できます。オルガノイドと免疫細胞の様々な組み合わせで試験を実施可能です。また、細胞傷害性T細胞、NK細胞もご用意しております。
共焦点顕微鏡での観察や細胞の生死判定、死細胞率を算出も対応可能です。
肺がん由来F-PDOを用いたCell Index・Cytolysis測定
肺がん由来F-PDOを用いたApoptosis測定 ⇒2種の肺がん由来F-PDOでNK細胞の感受性が異なる
肺がん由来F-PDOを用いたApoptosis測定
⇒2種の肺がん由来F-PDOでNK細胞の感受性が異なる
抗体依存性細胞障害活性（ADCC活性）評価
抗体依存性細胞傷害（ADCC, Antibody Dependent Cellular Cytotoxicity)活性をF-PDOを用いて評価します。
ADCC活性とは、抗体が結合した細胞や病原体にマクロファージやNK細胞といった免疫細胞を呼び寄せ、その細胞や病原体を殺傷する性質であり、重要な免疫機構の１つです。 複数の抗体や希釈系列で行うなど、柔軟な試験設定が可能です。
肺がん由来F-PDOを用いた抗EGFR抗体のADCC活性測定
肺がん由来F-PDOを用いた抗HER2抗体のADCC活性測定
⇒2種のオルガノイドで異なるADCC活性を示した。
免疫チェックポイント阻害剤の評価
免疫チェックポイント阻害剤をF-PDOを用いて評価します。
免疫チェックポイントは免疫の恒常性を保つための抑制機構であり、がん細胞は免疫逃避のため、この抑制機構を活用しています。免疫チェックポイント阻害剤は免疫チェックポイント分子、またはそのリガンドに結合してシグナル伝達を阻害し、免疫機能のブレーキを解除します。
目的組織由来のF-PDOと免疫チェックポイント阻害剤を組み合わせて評価試験を実施いただけます。
また、PBMCの調整もオプションで実施させていただきます。
F-PDOを用いた免疫チェックポイント阻害剤評価のワークフロー
肺がん由来F-PDOを用いた、2種の免疫チェックポイント阻害剤評価
二重特異性抗体の評価
二重特異性抗体をF-PDOを用いて評価します。
二重特異性抗体は、２つの異なる抗原、又は異なるエピトープに結合する抗体です。がん細胞と免疫細胞を接触させることで抗腫瘍作用を誘導します。
白血病患者由来のF-PDOを複数扱っており、二重特異性抗体を臨床に近い形で評価可能です。
二重特異性抗体の模式図（左）と評価方法（右）
二重特異性抗体Blinatumomabの評価結果
価格
免疫細胞の細胞傷害性試験 (Cell Index測定、Cytolysis算出)
- 検出系：xCelligence
- 免疫細胞：顧客提供またはPBMC購入（別途費用が発生します）
- E:T比：3点
| Number of cell types | 参考価格 (税抜) | |
|---|---|---|
| F-PDO | Immune cells | |
| 1 | 1 | ¥540,000 |
| 2 | ¥615,000 | |
| 3 | ¥690,000 | |
| 4 | ¥765,000 | |
| 5 | ¥840,000 | |
| 2 | 1 | ¥1,080,000 |
| 2 | ¥1,155,000 | |
| 3 | ¥1,230,000 | |
| 4 | ¥1,305,000 | |
| 5 | ¥1,380,000 | |
被験物質を用いた免疫細胞の細胞傷害性試験 (Cell Index測定、Cytolysis算出)
- 被験物質：抗体（ADCC活性）、免疫チェックポイント阻害剤、二重特異性抗体 etc…
- 検出系：xCelligence
- 免疫細胞：顧客提供またはPBMC購入（別途費用が発生します）
- E:T比：3点
※1種の免疫細胞を使用する際の価格となります
| Number of cell types | Number of test substances | 参考価格 (税抜) |
|---|---|---|
| 1 | 1 | ¥690,000 |
| 2 | ¥840,000 | |
| 3 | ¥990,000 | |
| 4 | ¥1,140,000 | |
| 5 | ¥1,290,000 | |
| 2 | 1 | ¥1,380,000 |
| 2 | ¥1,530,000 | |
| 3 | ¥1,680,000 | |
| 4 | ¥1,830,000 | |
| 5 | ¥1,980,000 |
お見積り・ご注文について
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- 掲載されている製品について
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