培地 (植物)

植物は、葉緑体による光合成によってでんぷんと糖をつくり、大地の無機養分からビタミンなどを合成して、分化と成長を繰り返しています。しかし、組織培養では根が無い状態であったり、葉緑体を欠いたりするため、糖やビタミンが不足するようになります。そのため、基本培地には無機塩類やビタミンB群、糖などが含まれています。

必要に応じて、オーキシンやサイトカイニンなどの成長調節物質、アミノ酸類などを添加されたものが使用されます。オーキシンが一定濃度以上含まれるとカルスが形成され、オーキシンが低濃度だと不定根が形成されます。サイトカイニンのみ、あるいはサイトカイニンがオーキシンより多いと不定根が形成されることが多いです。しかし、一定量以上のオーキシンやサイトカイニンは逆に抑制的に作用します。植物の生育に植物ホルモンは必要不可欠ですが、生育に合わせて必要な種類のホルモンと量を検討する必要があります。