細胞内とリソソーム内の脂質ラジカルをを検出

同仁化学 脂質ラジカル検出試薬

フェロトーシスは、鉄依存的な脂質過酸化によって引き起こされる細胞死の一種であり、がん、神経変性疾患、老化関連疾患など、さまざまな疾患との関わりが明らかになっています。脂質ラジカルは脂質過酸化連鎖反応の進行に関わる重要な中間体であり、フェロトーシスにおける脂質酸化の初期変化や進行状態を捉える指標として注目されています。また近年、フェロトーシスはリソソームの脂質過酸化を起点として誘導されることが報告されており1)、リソソームの脂質ラジカルを検出することも重要になってきています。
NBD-Penは細胞内で生成される脂質ラジカルを検出することが可能であり、Lyso-NBD-Penはリソソームに局在し、リソソームで生成される脂質ラジカルを特異的に検出することが可能です。いずれも培養細胞に添加するだけで、NBD-Penは細胞内脂質ラジカル、Lyso-NBD-Penはリソソーム内脂質ラジカルを、蛍光顕微鏡もしくはフローサイトメーターで検出することができます。

  1. 1) K. Yamada, et al., Nature Communications, 2025, 16, 3554. ​

本製品は、九州大学薬学研究院 山田健一先生のご指導の下、製品化しました。. ​

製品概要

細胞内脂質ラジカル検出試薬 『-NBD-Pen-』 #L271

  • 生細胞の細胞内脂質ラジカルを検出可能
  • 蛍光顕微鏡でのイメージングおよびフローサイトメーターでの検出・数値化が可能

リソソーム内脂質ラジカル検出試薬 『-Lyso-NBD-Pen-』 #L272

  • 生細胞のリソソーム内脂質ラジカルを検出可能
  • 蛍光顕微鏡でのイメージングおよびフローサイトメーターでの検出・数値化が可能
  • 脂質ラジカルとの結合により、反応後の脂質の局在変化を検出可能

脂質過酸化検出試薬の選択

脂質過酸化検出時の実験方法および測定機器に応じて試薬を選択いただけます。

Liperfluo Lysosomal Lipid Radical
Probe -Lyso-NBD-Pen-
Lipid Radical Probe -NBD-Pen- Lipid Peroxidation
Probe -BDP 581/591 C11-
指標 過酸化脂質 脂質ラジカル 脂質ラジカル 脂質ラジカル+ヒドロキシラジカル
局在 細胞内 リソソーム内 細胞内 細胞内
対応装置 蛍光顕微鏡、
フローサイトメーター
蛍光顕微鏡、
フローサイトメーター
蛍光顕微鏡、
フローサイトメーター
蛍光顕微鏡、
フローサイトメーター、
プレートリーダー
検出条件
(蛍光顕微鏡)
蛍光
λex : 524 nm、λem : 535 nm
蛍光
​λex : 480 nm、λem : 543 nm
蛍光
​λex : 475 nm、λem : 547 nm
蛍光
緑:​λex : 514 nm、λem : 545 nm
赤:​λex : 546 nm、λem : 563 nm
感度 ☆☆ ☆☆☆
指標との相互作用 反応のみ 反応し、結合する
反応のみ
特徴 過酸化脂質を特異的に検出できる。 脂質ラジカルと結合するため、
反応後の脂質の局在変化を検出できる。
Ratio検出タイプで、
プレートリーダーでも数値化できる。

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データ例

脂質ラジカルへの高い選択性

100 mmol/l リン酸Buffer (pH7.4) に以下活性酸素種と本試薬を添加し、30分反応後の蛍光強度を測定しました。

脂質ラジカルへの高い選択性 (Lyso-NBD-Pen)
脂質ラジカルへの高い選択性 (NBD-Pen)

蛍光特性

蛍光特性 (Lyso-NBD-Pen)
蛍光特性 (NBD-Pen)

脂質ラジカルの数値化

HT1080細胞をフェロトーシス誘導剤RSL3にて処理し、リソソーム内脂質ラジカルの増加をL271を使用してフローサイトメーターで数値化しました。

脂質ラジカルの数値化 (Lyso-NBD-Pen)

HeLa細胞をCumene hydroperoxide処理により脂質ラジカルを発生させ、細胞内脂質ラジカルの増加をL272を使用してフローサイトメーターで数値化しました。

脂質ラジカルの数値化 (NBD-Pen)

細胞内脂質ラジカルの検出 (L272)

HT1080細胞を用いたフェロトーシス誘導剤RSL3の処理により、細胞内における脂質ラジカルの増加が確認されました。さらに、脂質ラジカル消去剤Liproxstatin-1 (Lip-1) を併用したところシグナルの低下が認められたことから、本試薬が脂質ラジカルを選択的に検出できることが示されました。

Control

細胞内脂質ラジカルの検出 (Control)

RSL3

細胞内脂質ラジカルの検出 (RSL3)

RSL3+Lipi-1

細胞内脂質ラジカルの検出(RSL3+Lipi-1)

<検出波長>
Ex/Em=488/ 490-600 nm

リソソームへの局在 (L271)

L271のリソソーム内局在を確認するため、リソソーム染色試薬 (LysoPrime Deep Red メーカーコード: L264) と共染色を行いました。両試薬の蛍光は共局在しており、Lyso-NBD-Penがリソソームを選択的に染色していることを確認しました。

L271のリソソームへの局在 (細胞)
L271のリソソームへの局在 (蛍光)

フェロトーシス感受性・抵抗性 細胞におけるリソソーム脂質ラジカル検出の比較 (L271)

フェロトーシス感受性の高い HT-1080細胞および、フェロトーシス抵抗性を示すA549細胞 に、フェロトーシス誘導剤であるRSL3を処理した際のリソソーム脂質ラジカルの変化をL271を使用して検出しました。
その結果、フェロトーシス抵抗性細胞であるA549細胞では、RSL3の処理濃度および処理時間を増加させても (濃度:~2.5 μmol/l、時間:~3時間)、コントロールと比較して有意な蛍光強度の差は認められませんでした。一方、フェロトーシス感受性細胞であるHT-1080細胞では、1 μmol/lのRSL3を2時間処理することで、リソソーム脂質ラジカル由来の蛍光が増加し、かつ局在の変化が確認されました。

フェロトーシス感受性・抵抗性 細胞におけるリソソーム脂質ラジカル検出の比較

L271を使用することで、細胞種によるリソソーム脂質ラジカル生成・局在の変化の違いを検出できることが示されました。

FAQ

同仁化学研究所HPよりご覧いただけます。

細胞内脂質ラジカル検出試薬 『-NBD-Pen-』

リソソーム内脂質ラジカル検出試薬 『-Lyso-NBD-Pen-』

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リソソーム内脂質ラジカル検出試薬

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