独自のキャッピングを付加した高活性mRNA

TriLink社 CleanCap® mRNA

TriLink BioTechnologiesのCleanCap® mRNAは、特定のタンパク質をコードしたキャンピング済みmRNAです。
Cas9、Cre、EGFP、Luciferase、mCherry、β-gal、EPO、OVA(ovalbumin)のラインアップがあります。

TriLink社のCleanCap® mRNAは生体内での免疫反応を回避するキャッピングにより、in vivo条件での翻訳効率が改善され、高活性なmRNAとしてご使用いただけます。

CleanCap® とは?: mRNAにCap 1 構造を付加

CleanCapとは?mRNAにCap1構造を付加

TriLink社のCleanCap® mRNAは、生体内での免疫反応を回避するキャッピング(CAP 1 )構造をmRNAに付加することにより、翻訳効率の高いmRNAを合成できます。

TriLink社のCleanCap® mRNA特長

  • 高いキャッピング効率(94%+)で、より高活性のmRNAが取得可能
  • パターン認識受容体を活性化させないため、免疫反応を回避
  • Cap 0 構造(ARCA法によるキャッピング)に比べてin vivo条件での翻訳効率が大きく改善
  • エンザイムキャッピングと比較して大幅なコストダウンを実現
  • キャッピング済み修飾mRNAを多種にわたりラインアップ

CleanCap®とARCA(Anti-reverse capping analog)法の比較

ARCA法とCleanCap®でキャッピングしたmRNAを用いて、以下2点を比較しました。

  • キャッピング効率
  • 細胞内でのタンパク質発現量

キャッピング効率の比較

Flucを発現するmRNAをCleanCap®とARCA法でキャッピングし、キャッピング化効率を比較した。

その結果、 ARCA法よりもCleanCap®の用いた方がより高いキャッピング効率を得られた。

CleanCap® ARCA
90-99% 60-80%
CleanCapとARCA法のキャッピング効率比較

細胞内でのタンパク質発現量の比較

EGFPを発現するmRNAをCleanCapとARCA法でキャッピングした後、細胞内で発現させ、蛍光顕微鏡で観察した。
CHO cells、Foreskin fibroblast cells、iPS derived cardiomyoctyes、Jurkat、 MCF 10Aの5種類で比較した。

いずれの細胞においても、CleanCapでキャッピングしたEGFP mRNAがより高いタンパク質発現を示した。

ARCA EGFP mRNA CleanCap® EGFP mRNA
CHO Cells
6 minute fusion Fuse-It-mRNA Kit
1μg mRNA
72 h post fusion
CleanCapとARCA法の細胞内でのタンパク質発現量比較1
Foreskin fibroblast cells,
10 minute fusion Fuse-It-mRNA Kit
1μg mRNA
24 h post fusion
iPS derived cardiomyoctyes,
10 minute fusion Fuse-It-mRNA Kit
1μg mRNA
24 h post fusion
Data courtesy of Beniag
ARCA EGFP mRNA CleanCap® EGFP mRNA
Jurkat: 500ng
mRNA + 1µL
jetMESSENGER
CleanCapとARCA法の細胞内でのタンパク質発現量比較1
MCF 10A: 500ng
mRNA + 1µL
jetMESSENGER
Data courtesy of Polyplus-transfection

CleanCap®と酵素キャッピングの製造コストの比較

4mL(2mg)と1mL(400μg)スケールでキャッピング済みmRNAを製造した場合のコストを算出しました。

どちらもスケールにおいても、CleanCap®は酵素より低コストで製造が可能とわかりました。

CleanCapとARCA法の製造コストの比較

修飾mRNAとの組み合わせ:ウリジンの置換

修飾mRNAとの組み合わせ:ウリジンの置換
Thp-1 Dual Cells (InvivoGen)

mRNAを効率的に発現させるためには、mRNAの配列からUridine(ウリジン)を極力削減し、かつ残ったUridineをPseudo Uridine(PseudoU:シュードウリジン)や5-methoxy Uridine(5moU:メトキシウリジン)に置換すべきことが知られています。

TriLink社ではCleanCap®とPseudo Uridine、 5-methoxy Uridineを組み合わせたmRNAを数多くラインアップしています。

Flucを発現するmRNAを通常の配列(Standard Fluc)とUridineをなるべく削減した配列(U depleted Fluc)の2種類用意し、発現量を比較した。
また、ウリジンを置換していない条件(wt)、 Pseudo Uridine に置換した条件( PseudoU )、 5-methoxy Uridineに置換した条件(5moU)においても比較した。

その結果、 Uridineをなるべく削減した配列(U depleted Fluc)かつUridineを5-methoxy Uridine(5moU:メトキシウリジン)に置換した条件で最もFlucの発現量が多かった。

RNA受託合成サービス

ご指定いただいた配列のRNAをTriLink社で合成いたします。短鎖RNAは化学合成、長鎖RNAは転写合成にて製造いたします。キャッピング、修飾塩基、バッファー組成、精製方法などをご指定いただけます。修飾塩基を使用したガイドRNAの合成からバルクスケールでのmRNA合成まで幅広い用途でご利用いただけます。

mRNA受託合成(in vitro 転写合成)のサービス内容

目標収量:1mg~
修飾塩基:Pseudouridine, 5-Methoxyuridine, 5-Methylcytidine/Pseudouridine など
キャッピング:CleanCap

依頼例

  • ORF配列のみを指定したmRNAの合成
  • UTR配列およびORF配列を指定したmRNAの合成

RNA受託合成をご希望の方は、当社営業、販売代理店までお問い合わせください。
mRNA受託合成をご希望の方は見積依頼フォームからもご依頼いただけます。

TriLink BioTechnologiesとは

TriLink BioTechnologiesとは

TriLink BioTechnologiesは、アメリカ サンディエゴの試薬および医薬品の製造受託会社です。
核酸、オリゴヌクレオチド、キャッピングアナログの製造や長鎖RNA合成を得意としています。

CleanCap®mRNAは、TriLinkの独自技術であり、新規の共転写キャッピング方法です。従来のキャッピング法よりも高いキャッピング効率とタンパク質発現効率を可能にします。

TriLinkは、ICH Q7およびISO 9001:2015規格に準拠した品質管理体制で製造してます。

mRNAの生体機能と研究開発の記事

mRNAの研究者向けに、mRNAの生体内生成プロセスや研究開発戦略を紹介しています。

mRNAワクチン・医薬品の研究開発と製造

製品一覧

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Cas9 mRNA

Cas9 mRNAはBroad、MIT、Harvard、Iowa、UTokyo、およびRockefellerによって付与された制限付きライセンスの下で提供されます。

Cre mRNA

EGFP mRNA

mCherry mRNA

Luciferase mRNA

β-gal mRNA

EPO mRNA

OVA mRNA

関連製品一覧

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キャッピング試薬

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