チオール検出プローブ

チオール基はタンパク質の構造決定に重要な役割を担っています。その一方でチオール基は活性酸素による酸化を受けやすく、酸化ストレスで引き起こされる過度なチオール基の酸化は、タンパク質の構造を変化させ、生体に悪影響をもたらします。チオール基の定量では、古くからDTNBなどを用いた方法が用いられていますが、細胞内のチオール基のイメージングでは蛍光プローブを用いて測定する方法が主流となっています。広く利用されている蛍光プローブとして7-ジエチルアミノ-3-(4-マレイミドフェニル)-4-メチルクマリンやCMFDAが知られています。

チオール基と酸化ストレス

チオール基 (-SH基) は水素原子と硫黄原子が結合した官能基です。タンパク質を構成するアミノ酸ではシステインに含まれており、主にジスルフィド結合 (S-S結合) の形成を介して、タンパク質の構造決定に重要な役割を担っています。しかしながら、タンパク質のチオール基は高い求核性を有しているため、活性酸素による酸化を受けやすいとされています。活性酸素による酸化ストレスで引き起こされる過度なチオール基の酸化はタンパク質の構造変化や変性を引き起こし、生体に悪影響をもたらします。一方でチオール基の酸化修飾はシグナル伝達や代謝など生体にとって重要であることも知られています。

細胞ではトリペプチドのグルタチオンがチオール基の過度な酸化を防ぐために重要な役割を果たしています。還元型グルタチオン (GSH) に含まれるチオール基は過酸化水素などの活性酸素による酸化を受けGSSG (Glutathione-S-S-Glutathione) に変換されます。細胞内には高濃度でGSHが存在しているため、生体にとって必要なタンパク質の過度な酸化は抑制されます。さらに近年ではチオール基の他にも、構造中にセレンを持つセレノール基 (-SeH) が活性酸素による酸化を抑制することが明らかとなり、チオール基と同様に抗酸化作用において重要な役割を担っていると考えられています1)

チオール基の定量では、古くから5‘-ジチオビス(2-ニトロ安息香酸) (DTNB、エルマン試薬) などを用いた方法が用いられていますが、細胞内のチオール基のイメージングでは蛍光プローブを用いて測定する方法が主流となっています。広く利用されている蛍光プローブとして7-ジエチルアミノ-3-(4-マレイミドフェニル)-4-メチルクマリンやCMFDA (二酢酸5-クロロメチルフルオレセイン) が知られています。

ViVidFluor Cell Green CMFDA

ViVidFluor Cell Green CMFDAは、細胞内のチオール基に反応する蛍光色素です。生細胞の細胞膜を透過することができ、透過後に細胞内エステラーゼにより加水分解されることで蛍光を発します。細胞内でチオール基と結合後、長時間の観察が可能です。

特長

  • 細胞内のチオール基に反応
  • 長時間の観察が可能
  • Ex/Em=492 nm/516 nm

参考文献

  1. Roman, M., Jitaru, P. and Barbante, C.: Metallomics., 6(1), 25(2014).
    Selenium biochemistry and its role for human health

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二酢酸5-クロロメチルフルオレセイン (CMFDA)

7-ジエチルアミノ-3-(4-マレイミドフェニル)-4-メチルクマリン

関連製品一覧

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5,5'-ジチオビス(2-ニトロ安息香酸) [DTNB]

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