ニトロキシルラジカル酸化剤

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アルキル置換型ヒドロキシルアミンは空気下に容易に酸化を受けます。このときアミンのα位炭素に プロトンが結合していると脱離してニトロンを生成しますが、4置換炭素であったり anti-Bredt 型のためプロトン脱離しにくい構造を取る骨格の場合は、ニトロキシルラジカルとして安定に存在します。
これらはアルコールをカルボニルへと変換する穏和な酸化触媒として応用できます。
かねてよりTEMPOが酸化触媒として広く活用されてきましたが、活性中心周りの立体障害を小さくしたAZADOシリーズが高活性酸化触媒になることが岩渕らによって示され、より広汎な基質へと応用可能になりました。また銅もしくは鉄触媒との組み合わせによって、高化学選択的な酸素酸化が進行します。

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反応機構

触媒サイクルの基本的な考え方はTEMPO酸化を参照。

各々のニトロキシルラジカルは、構造および置換基の違いによって酸化還元電位を大きく変える事ができる。このため構造チューニングによって酸化活性を調節することが可能となる。(参考:Tetrahedron Lett., 53, 2070 (2012).)

(画像:ACS Catal., 3, 2612 (2013). より引用)

反応例

立体的に混み合ったアルコールの酸化 1)

亜塩素酸を共酸化剤として用いることでカルボン酸まで一段階で酸化可能 2)

NOx共存下に酸素酸化を行うことも可能 3)

触媒にキラリティを持たせることによって速度論的光学分割酸化が行える 4)

Taiwaniadductsの全合成 6)

Sphingofungin Eの合成 7)

シアノヒドリン経由で酸化することで困難な位置の酸化を達成している。

(-)-acetylaranotinの合成 8)

参考文献
  1. Shibuya, M., Tomizawa, M., Suzuki, I. and Iwabuchi, Y.: J. Am. Chem. Soc., 128, 8412 (2006). DOI: 10.1021/ja0620336
  2. Shibuya, M., Sato, T., Tomizawa, M. and Iwabuchi, Y.: Chem. Commun., 1739 (2009). DOI: 10.1039/B822944A
  3. (a) Shibuya, M., Osada, Y., Sasano, Y., Tomizawa, M. and Iwabuchi, Y.: J. Am. Chem. Soc., 133, 6497 (2011). doi:10.1021/ja110940c
    (b) Liu, R., Liang, X., Dong, C. and Hu, X.: J. Am. Chem. Soc., 126, 4112 (2004). DOI: 10.1021/ja031765k
    (c) Lauber, M. B. and Stahl, S. S.: ACS Catal., 3, 2612 (2013). DOI: 10.1021/cs400746m
  4. Murakami, K., Sasano, Y., Tomizawa, M., Shibuya, M., Kwon, E. and Iwabuchi, Y.: J. Am. Chem. Soc., 136, 17591 (2014). DOI: 10.1021/ja509766f
  5. Kadoh, Y., Tashiro, M., Oisaki, K. and Kanai, M.: Adv. Synth. Catal., (2015). DOI: 10.1002/adsc.201500131
  6. Deng, J., Zhou, S., Zhang, W.l Li, J., Li, R. and Li, A.: J. Am. Chem. Soc., 136, 8185 (2014). DOI: 10.1021/ja503972p
  7. Ikeuchi, K., Hayashi, M., Yamamoto, T., Inai, M., Asakawa, T., Hamashima, Y. and Kan, T.: Eur. J. Org. Chem., 30, 6789 (2013). DOI: 10.1002/ejoc.201301065
  8. Fujiwara, H., Kurogi, T., Okaya, S., Okano, K. and Tokuyama, H.: Angew. Chem. Int. Ed., 51, 13062 (2012). DOI: 10.1002/anie.201207307

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