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DNAエキストラクターR WBキット DNA ExtractorR WB Kit (Sodium Iodide method)

全血中DNA抽出用
for Whole Blood DNA Extraction
製造元 :
富士フイルム和光純薬(株)
保存条件 :
冷蔵 (氷冷輸送)
適用法令 :
PRTR-1 安衛法57条・有害物表示対象物質 有機則第2種 労57-2 優先評価物質 危4-ア(水溶性)-II
GHS :
  • 構造式
  • ラベル
  • 荷姿
SDS
比較
製品コード
容量
価格
在庫
販売元
291-50502
JAN
4987481382299
50テスト
希望納入価格
31,900 円

20以上

販売元
293-50501
JAN
4987481359789
50テスト
販売終了

ドキュメント

SDS
製品規格書
添付文書
スペクトルデータ
検査成績書
校正証明書

キットコンポーネント

50回用(サンプル500 μL)

溶解液 65 mL x 2本
酵素反応液 10 mL x 1本
よう化ナトリウム溶液 15 mL x 1本
洗浄液(A) 50 mL x 1本
洗浄液(B) 50 mL x 1本
タンパク質分解酵素 10 mg x 1本

DNA抽出の原理

  1. 界面活性剤で細胞膜および細胞質を破壊し、細胞核を単離する。
  2. タンパク質分解酵素によって核膜及び核タンパク質を分解し、DNAを露出させる。
  3. よう化ナトリウムの作用によりタンパク質及び脂質などを可溶化し、イソプロパノールでDNAを沈殿させる。

プロトコル

血液からの抽出

血液からの抽出プロトコル

使用例

  • 本キットを用いてヒト全血から得られたゲノムDNAを各種制限酵素で消化したアガロースゲル電気泳動パターン

    M:マーカーDNA(λ/HindⅢ)
    Lane 1:未消化ヒトゲノムDNA
    Lane 2:ゲノムDNA/BamHⅠ
    Lane 3:ゲノムDNA/EcoRⅠ
    Lane 4:ゲノムDNA/HindⅢ

    本キットを用いてヒト全血から得られたゲノムDNAを各種制限酵素で消化したアガロースゲル電気泳動パターン。

  • 本キットを用いてヒト全血から得られたゲノムDNAをPCR増幅し電気泳動を行った

    M:マーカーDNA(φX174/HinfⅠ)
    Lane 1:262bp
    Lane 2:345bp
    Lane 3:408bp

    本キットを用いてヒト全血から得られたゲノムDNAをPCR増幅し電気泳動を行った。1 μgのゲノムDNAを鋳型にして、各種サイズのヒトβ-グロビン遺伝子をPCR増幅した。

参考文献

Wang, L. et al., Nucleic Acids Res., 22, 1774 (1994).

ウマ・ウシの全血からのゲノムDNA抽出

通常のプロトコルを一部変更することにより、ウマ・ウシの全血から効率よく、高純度のゲノムDNAを抽出することができます。ウマの血液ではタンパク質分解酵素処理を2時間、ウシの血液では溶解液による洗浄操作を4回繰り返し行い、さらにタンパク質分解酵素処理を4時間行います。

操作時間はウマで約3時間、ウシで約5時間です。

なお、血液サンプルは抗血液凝固剤としてEDTA・2Naまたはヘパリンを添加したものを使用しました。

操作方法

ウマの血液からの抽出

タンパク質分解酵素処理を2時間行い、核のペレットがなくなるまで行う。 この操作以外は、通常のプロトコルに従う。

ウシの血液からの抽出

溶解液を加え細胞中の細胞核を特異的に分離するステップで、プロトコル通りに2回の操作ではヘモグロビンなど他の夾雑物が除去されにくいため、この操作を4~5回繰り返し行う。目安は、赤色のペレットが透明になるまでである。

なお、遠心分離後のペレットは非常にはがれやすいのでデカンテーションを行う際は十分注意する。

また、タンパク質分解酵素処理での処理は約4時間行う。

  • ウマ、ウシから抽出したゲノムDNAの電気泳動写真
    ウマ、ウシから抽出したゲノムDNAの電気泳動写真

    Lane 1:λ/HindⅢ
    Lane 2:ウマ血液(EDTA・2Na)
    Lane 3:ウマ血液(Heparin)
    Lane 4:ウシ血液(EDTA・2Na)

    100 μLのDNA溶液中、3 μLを1% アガロースゲルに供して電気泳動を行った。

  • ウマ、ウシから抽出したゲノムDNAの収量及び純度
    サンプル DNA回収量(μg/mL血液) A260/A280
    ウマ(EDTA・2Na) 56.62 1.91
    ウマ(Heparin) 48.34 1.88
    ウシ(EDTA・2Na) 22.04 1.86

    注) ウマの血液サンプルはそれぞれ別個体から採取した。

組織からのDNA抽出

通常のプロトコルに2,3の簡単な操作を追加することで組織からゲノムDNAを抽出することができます。操作は2時間ほどで完了します。

得られたDNAは、RNAやタンパク質の混入がほとんどなく、そのまま制限酵素処理、PCR、サザンブロット分析、フィンガープリンティングなどに用いることができます。

  • 組織からのDNA抽出プロトコル
  • PCRによるラット遺伝子の検出例
    PCRによるラット遺伝子の検出例

    ラットの各組織から抽出したDNAを鋳型としてラットGAPDH遺伝子断片(983bp)の増幅を行った。

    Lane 1 : マーカーDNA(φX174/HaeⅢ)
    Lane 2 : 胃
    Lane 3 : 腸
    Lane 4 : 肝臓
    Lane 5 : 膵臓
    Lane 6 : 骨格筋
    Lane 7 : 陰性コントロール
    Lane 8 : 陽性コントロール

    各組織から抽出したDNAすべてで983bpのバンドを検出できた。

    本キットを用いてラット各組織から抽出したDNAの回収量及び純度
    組織 DNA回収量(μg/100mg組織) A260/A280
    175 1.92
    396 1.96
    肝臓 286 1.95
    膵臓 624 1.95
    骨格筋 67 1.85

    組織あたりのDNAの回収量は異なるが、高純度のDNAを抽出することができた。

FAQ

キットについて

DNA Extractor® WB Kitの原理は?

本キットは全血及び培養細胞から、ゲノムDNAを抽出するキットですが、最初に界面活性剤を含む溶解液を加えることにより、細胞核のみを回収します。次に、タンパク質分解酵素処理で核膜及び夾雑物を分解し、DNAを溶出させます。次に、よう化ナトリウムによりタンパク質を可溶化した後、イソプロパノールを加えることによりゲノムDNAのみを沈殿させ、回収します。

また、本法はDNAの全抽出工程を1チューブ内で行うことができます。

RNAの混入はないのか?
全血からの抽出においてはRNAの混入は非常に少ないですが、培養細胞においては多少RNAが混入してきますので、この場合、37℃、10分間のRNase処理を基本プロトコールに新たに付け加えるだけで、ほぼ完全にRNAが除去できます。
DNA Extractor® Kit (製品コード:295-50201)とどこが異なっているのか?
使用目的が異なります。DNA Extractor® Kit は血清中に微量に混入するウイルスDNA (B型肝炎ウイルスのようなDNAウイルス) や生物製剤中に微量に混入する細菌由来のDNAを抽出するキットですが、DNA Extractor® WB Kitは全血や培養細胞からゲノムDNAを特異的に抽出するキットです。
DNA Extractor® WB-Rapid Kit(製品コード:297-54801)とどこが異なっているのか?
DNA Extractor® WB-Rapidキットは、約20分で抽出できるように、改良した製品です。少量多検体処理に適しています。
ミトコンドリアDNAは抽出できるか?

抽出できます。下記文献を参照下さい。

Kubota, N., Hayashi, J., Inada, T. and Iwamura, Y.: Radiation Research, 148, 395 (1997).

ミトコンドリアDNAのみを抽出する場合は、 mtDNA Extractor® WB Kit(製品コード:293-54401) 及びmtDNA Extractor® CT Kit(製品コード:291-55301)の使用をおすすめします。

サンプルについて

100μLの血液からDNAを抽出できるか?
できます。この場合、標準のプロトコルをスケールダウンして行って下さい。また100μL以下の血液の場合は、生理的食塩水で100μL以下にした後同様な操作を行って下さい。血液100μLからですと、1キットで250回使用できます。
抗血液凝固剤としてEDTAの代わりにヘパリンを使用した場合、DNAは抽出できるか?
一般に使用されるヘパリン濃度(10 units/mL血液)以下ですと、問題なく抽出できますが、濃度が20 units/mLあたりから、回収率が著しく減少します。また、ヘパリンを加えた血液から抽出したDNAは、制限酵素処理やPCRに影響を及ぼす事がありますので、EDTA・2NaまたはEDTA・2K(1mg/mL血液)の使用をおすすめします。
保存血から抽出できるか?
4℃で3週間以内であれば問題なく抽出できます。しかし、1ヶ月以上の長期保存では、DNAが徐々に分解されてきます。血液を長期保存する場合は冷凍保存して下さい。
1mL血液からどれくらいのDNAが抽出できるか?
検体によって差がありますが、正常なヒトで約20~70μg 抽出できます。
本キットを用いて組織からDNAを抽出できるか?
できます。組織をホモジナイズしてバラバラにすることで抽出できます。
培養細胞からDNAを抽出する際、細胞数はどれくらいでスタートすればよいか?
103~106細胞あれば、十分抽出することができます。培養細胞の場合、RNAが混入してきますので、タンパク質分解酵素処理の前に、20μg/mLのRNase Aを加えて、37℃、10分間処理して下さい。

実験について

マイクロチューブミキサーがないがどうすればよいか?
約1~2分間、転倒混和して下さい。
実験を途中で止めたいが?
溶解液を加えて遠心分離した沈殿を-20℃保存して下さい。
冷却遠心分離機がないが?
卓上遠心分離機でも可能ですが、その場合すばやく行って下さい。
タンパク質分解酵素の調製後の保存は?
-20℃で保存すれば半年間は安定です。

トラブルシューティング

DNAの回収率が悪いが、どうしてか?

以下の原因が考えられます。

  1. 最初の遠心分離操作
    10,000 x g、20秒間の遠心分離操作は、完全に遠心分離機が10,000 x gになってから、20秒間遠心分離を行って下さい。遠心分離機のスタートボタンを押してから20秒間ですと、細胞核が完全に落ちないため、DNAの回収率が20~30 %減少することがあります。なお、遠心分離機により異なりますが、卓上遠心分離機の場合、10,000 x gは約12,000 rpmに相当します。
  2. 遠心分離後の上清除去操作
    すべてデカンテーションで行って下さい。ピペットで除去するとDNAの回収率が低くなる原因になります。
  3. DNAの溶解
    高濃度のDNAが抽出されるので、TEバッファー(100~200μL)を加えた後、室温で3時間または4℃で一晩かけてゆっくりと溶解して下さい。短時間の溶解では完全にDNAが溶けず、見かけ上の回収率が低くなる原因になります。
37℃、1時間のタンパク質分解処理後に、まだ不溶物が残っているがどうしたらよいか?
1時間で消化できないのは、最初のステップの溶解液による洗浄が不十分なためだと考えられます。最初の細胞核を沈殿させる際にヘモグロビン由来の赤色色素がとれるまで洗浄を繰り返して行ってください。
培養細胞からDNAの抽出を行ったところ、よう化ナトリウムを加えた時点で白い不溶性の物質が浮いてきたが、この物質を除いた後に、次のステップに移ったほうがよいか?
培養細胞の種類により、不溶性の物質が見られることがあります。この場合、この物質を除かずに、次の洗浄液(A)の洗浄操作に移って問題ありません。洗浄液(A)を加える事で不溶性物質が溶解されます。最終的に抽出したDNAの純度が低い場合は、細胞溶解液による細胞核沈殿の操舵を繰り返し行うことをお勧めします。
DNAのA260/A280比が1.8以下になるが、どうすればよいか?
おそらく、DNA中によう化ナトリウムが混入していると思われます。この場合、洗浄液(B)による洗浄を繰り返し行ってください。

その他

参考文献は?
Wang, L., Hirayasu, K., Ishizawa, M. and Kobayashi, Y.: Nucl. Acids Res., 22, 1774 (1994). を参照ください。

概要・使用例

概要 〈遺伝子工学用試薬〉〈核酸調製試薬〉〈核酸抽出・単離試薬〉〈核酸抽出試薬〉
 キットは、主にヒト全血からゲノムDNAを抽出するためのキットである。劇物であるフェノール・クロロホルムを使用せず、短時間で、純度の高いDNAを高収率に回収することができる。ヒト全血の他一部の培養細胞・組織からの抽出も可能である。
 
〈遺伝子工学用試薬カタログ・マニュアル〉〈DNA Extraction〉
和光純薬時報 Vol.61 No.3 p1(1993)。Q&A : WAKO BIO WINDOW No.1,p20(1996)。WAKO BIO WINDOW No.11,p3(1998)。
特長 1. 高収率:90%以上の高収率で傷のない高分子DNAを回収できる。
2. 簡単・短時間:1チューブ内で約1.5時間に行なえる。
3. 安全:劇物であるフェノール,クロロホルムを使用しない。
構成 構成
1. 溶解液65ml×2本
2. 酵素反応液10ml×1本
3. よう化ナトリウム溶液15ml×1本
4. 洗浄液(A)50ml×1本
5. 洗浄液(B)50ml×1本
6. タンパク分解酵素10mg×1本
* イソプロパノール, 蒸留水はキットに含まれない。
用途 全血液からのDNA抽出キット。
使用方法 原理 : 溶解液に含まれる界面活性剤により、試料中の細胞から、細胞核を分離し、タンパク分解酵素で核膜および核タンパクを溶解する。次いで、よう化ナトリウムの作用によりタンパク質および脂質などを可溶化し、イソプロパノールでDNAを沈殿させる。
1.0.5ml全血
↓←溶解液0.5ml, 軽く混合
↓10,000G, 20sec.遠心, 4℃
2.沈 殿
↓←溶解液1ml, ミキサーで撹拌
↓10,000G, 20sec.遠心, 4℃
3.沈 殿(2~3を繰り返す)
↓←酵素反応液200μl, タンパク分解酵素10μl, 混合後37℃, 1hr
↓←よう化ナトリウム溶液300μl混合
↓←イソプロパノール0.5ml混合
↓10,000G, 10min.遠心, RT
4.沈 殿
↓←洗浄液(A)1ml混合
↓10,000G, 5min.遠心, RT
5.沈 殿
↓←洗浄液(B)1ml混合
↓10,000G, 5min.遠心, RT
6.沈 殿

7.減圧乾燥
他方法と性能比較:ヒト全血0.5mlからDNAエキストラクターWBキットおよび、他方法を用いてそれぞれDNA抽出を行った。その結果、DNAエキストラクターWBキットを用いると51.3μg DNA/ml全血のDNAが抽出できた。
 
方法…DNA Extractor WB Kit…A法…B法…C法
項目
操作時間(hr.)…1.5…2.5…2.0…3.5
毒性溶剤使用…無し…有り…有り…有り
DNA回収量(μg DNA /ml全血)…51.3…15.0…45.6…31.7
OD260/280…1.96…1.76…1.87…1.54
A法…界面活性剤-Proteinase K-フェノール法
B法…界面活性剤-Proteinase K-フェノール(カートリッジ)法
C法…SDS-Proteinase K-フェノール法
使用例 ゲノムDNAのテロメア長の測定 : WAKO BIO WINDOW No.20,p15(1999)。

物性情報

「物性情報」は参考情報でございます。規格値を除き、この製品の性能を保証するものではございません。
本製品の品質及び性能については、本品の製品規格書をご確認ください。
なお目的のご研究に対しましては、予備検討を行う事をお勧めします。

製造元情報

別名一覧

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  • 掲載されている製品について
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