福島県立医科大学が作製したPDO及びPDX(F-PDO®,F-PDX®)を用いて作成したがんパネルを用いて抗がん剤などの薬効評価を行います。
F-PDO®/PDX®は福島医薬品関連産業支援拠点化事業により樹立されました。福島事業独自の基準で管理されており、元の腫瘍の病理組織や遺伝子発現の特徴を維持しています。一般の細胞株に比べより臨床に近い状態でアッセイすることによって、創薬におけるドロップアウトのリスクを低減、研究開発のスピードアップにも効果を発揮します。
2021年度限定!特定パネルの薬効評価解析キャンペーン!
パネル固定で試験開始時期も固定ですがその分お安くご提供いたします。PDOやPDXモデルの利用に興味はあったが手が出せていなかった方やちょうど検討予定で試してみたい方は是非お問い合わせください。
F-PDO®/PDX® (Fukushima Patient-derived tumor Xenograft) とは – 福島県立医科大学 高木 基樹 教授
ヒトがん細胞株は、世界初の株化細胞 (安定して増殖を繰り返す細胞) としてHeLa細胞が樹立されてから多くのがん細胞株が作製され、がんの生物学や抗がん剤の評価などで幅広く研究に使用されてきた。しかしながら、これらのがん細胞株は長期間の培養による増殖を繰り返したため、ゲノム配列や遺伝子発現に変化が生じ、がん組織の特徴を維持していない細胞がほとんどである。これらのがん細胞株を用いた皮下異種移植腫瘍動物モデルが抗がん剤の評価等で広く使用されてきたが、抗がん剤の臨床での薬効と一致しないことが知られており、がん細胞株で評価された抗がん剤の85%程度が臨床試験において予想された薬効を示さないことが報告されている。
そこで、近年、患者由来のがん組織を浮遊培養もしくは免疫不全マウスに移植し、がん組織の構造や特徴を正確に反映したpatient-derived Organoid (PDO) および patient-derived xenograft (PDX) モデルが開発された。PDO/PDXモデルを用いた抗がん剤の薬効は、臨床試験での薬効と高い相関性を示すことが報告されており、新しい抗がん剤の臨床試験の前に、抗がん剤の効果を予め確認するためにPDO/PDXモデルの利用が推進されている。
福島医薬品関連産業支援拠点化事業では、膵がん、肺がん、⼤腸がん、卵巣がん、⼦宮がん、⾁腫や造血器腫瘍等の様々ながん組織からPDO/PDXを樹立し、それぞれFukushima (F)-PDO®、Fukushima (F)-PDX®と名付けた。
F-PDO®/PDX®の特徴
F-PDO®モデル
- F-PDO®は組織学的解析、ゲノム解析、網羅的遺伝子発現解析により、元のがん組織の特徴を維持していることが確認できています。
- F-PDO®を用いた抗がん剤評価は、従来の評価方法と比べ、臨床をより反映した状態で抗がん剤を評価することが可能です。
- F-PDO®の薬剤感受性は、元のがん組織の特徴を反映しない従来のがん細胞株とは異なります。
- 様々なハイスループットアッセイ系を用いて臨床を反映した抗がん剤の評価が可能です。
- 一部のF-PDO®は担がんマウス作製が可能です。
- インフォームド・コンセントを取得済み
F-PDO®リスト
最新の在庫状況や各株の情報など、詳細はお問い合わせください。
樹立方法

F-PDX®モデル
- 患者腫瘍組織の一部を免疫不全マウスに移植・継代して樹立
- インフォームド・コンセントを取得済み
- 元の腫瘍の病理組織や遺伝子発現の特徴が維持されていることを確認済み
- 多発性骨髄腫を含む多様ながん腫について160系統以上をラインアップ
- ゲノム解析データ、移植試験データ、臨床情報などをもとに選択可能
- ヒト感染症が陰性であることを確認済み
- 凍結腫瘍組織として提供可能
F-PDX®リスト
最新の在庫状況や各株の情報など、詳細はお問い合わせください。
F-PDX®で作製した患者由来細胞とがん細胞株の比較

サービス概要
試験時期と選べる細胞種を限定している代わりにお安くご提供するサービスです。
- カスタマイズ対応も可能です。ご相談ください。
下記表の各パネルごとに受注時期と実施時期が決まっています。
各パネルから4株以上お選びいただくことでお安くご提供いたします。
パネルリスト
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
---|---|---|---|---|
肺がんパネル Erlotinib耐性/感受性 |
婦人科系がんパネル 1 | サルコーマ 消化器系がん |
造血器腫瘍パネル | 婦人科系がんパネル 2 |
RLUN002-3 | RCER002-2 | RSAR001 | DLEU002 | REME006-3 |
RLUN004-2 | ROVA002-4 | RSAR003 | DLEU005 | REME008-2 |
RLUN005-2 | ROVA007-2 | RSAR004 | DLEU006 | REME009-2 |
RLUN007-2 | ROVA020 | RSAR005 | DLEU009 | REME010-2 |
RLUN008-2 | RPER001-3 | RSAR006 | DLEU011 | REME015-3 |
RLUN010-2 | RPER002-2 | RSAR007 | DLEU012 | REME016-2 |
RLUN016-2 | RPER004 | RBIL001-2 | DLEU016 | REME017-2 |
RLUN021 | RPAN001 | DLEU022 | REME018 | |
RLUN022 | DLEU026* | REME020 | ||
RLUN023 | ||||
受注締切 | ||||
2021年3月末日 | 2021年6月末日 | 2021年8月末日 | 2021年10月29日 | 2021年11月末日 |
被験物質受付締切 | ||||
2021年4月9日 | 2021年7月16日 | 2021年9月10日 | 2021年11月12日 | 2022年12月3日 |
報告書提出予定日 | ||||
2021年6月末日 | 2021年9月末日 | 2022年1月8日 | 2021年12月24日 | 2022年3月7日 |
Erlotinib耐性 | ALL | |
Erlotinib感受性 | AML | |
Paclitaxel耐性 | *Myeloid/NK precursor acute leukemia lymphoma |
|
Erlotinib耐性/Paclitaxel耐性 | ||
Erlotinib感受性/Paclitaxel耐性 |
アッセイ系
基本プロトコル

アッセイ時間や薬剤濃度は変更可能です。ご相談ください。
※内容によっては追加料金が発生する可能性がございます。
価格・納期
参考希望納入価格
アッセイ方法 | 細胞種数 | 試験化合物数 | 希望納入価格 |
---|---|---|---|
F-PDO® panel | 4 | 1 | ¥560,000 |
2 | ¥1,000,000 | ||
5 | 1 | ¥690,000 | |
2 | ¥1,240,000 | ||
6 | 1 | ¥820,000 | |
2 | ¥1,480,000 | ||
7 | 1 | ¥950,000 | |
2 | ¥1,720,000 | ||
8 | 1 | ¥1,080,000 | |
2 | ¥1,960,000 | ||
F-PDX® hematopoietic tumor panel | 4 | 1 | ¥500,000 |
2 | ¥940,000 | ||
5 | 1 | ¥610,000 | |
2 | ¥1,160,000 | ||
6 | 1 | ¥720,000 | |
2 | ¥1,380,000 | ||
7 | 1 | ¥830,000 | |
2 | ¥1,600,000 | ||
8 | 1 | ¥940,000 | |
2 | ¥1,820,000 |
表に当てはまらない場合 (化合物数を増やしたいなど)、カスタマイズ等のご要望にも対応しておりますのでお申し付けください。
参考納期
上述のスケジュール表に従って進めます。
カスタマイズの場合は別途ご回答いたします。
参考資料、文献等、その他
F-PDO®リスト
最新の在庫状況や各株の情報など、詳細はお問い合わせください。
F-PDX®リスト
最新の在庫状況や各株の情報など、詳細はお問い合わせください。
細胞株はライセンス提供販売が可能です。ご興味のある方はこちらをご覧いただくか、お問い合わせください。
参考文献
- 実験医学別冊 【患者由来がんモデルを用いたがん研究実践ガイド CDX・スフェロイド・オルガノイド・PDX/PDOXを網羅 臨床検体の取り扱い指針から樹立プロトコールと入手法まで】佐々木 博己/編、羊土社ISBN978-4-7581-2242-9 (2019年)
- 羊土社ホームページ
※こちらに福島事業の成果物である福島PDX®について解説があります
お見積り・ご注文について
- 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
- 掲載されている試薬は、試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
- 表示している希望納入価格は「本体価格のみ」で消費税等は含まれておりません。
- 表示している希望納入価格は本記事掲載時点の価格です。