核酸採取/保存試薬

生体に由来する遺伝子を解析する実験においては、検体採取が非常に重要な工程です。検体の採取、およびその保存を適切な条件で行わなければ安定した実験結果を得ることはできません。当社は口腔組織等の各種検体に最適な核酸採取・保存試薬を提供しています。

学術コンテンツ

核酸採取・保存試薬とは?

生体から採取した核酸はそのままだと核酸分解酵素 (DNaseやRNase) によって分解されてしまいます。このような核酸の分解は遺伝子の発現解析やマイクロバイオームのメタゲノム解析をはじめとした遺伝子解析の結果に影響を及ぼします。

核酸採取・保存試薬は溶液中に界面活性剤、キレート剤などを含み、核酸分解酵素のはたらきを抑えます。これにより核酸を室温下でも安定に長期保存することが可能です。

核酸採取・保存試薬は下記のようなケースにおいて有用です。

  • 大規模な遺伝子解析を実施するため、広範囲から多数の検体を収集する。
  • 検体収集から遺伝子解析までに長い期間が空く。
  • バイオバンクなどで長期間核酸を保管しておく必要がある。
  • マイクロバイオームの組成を検体採取直後のまま維持したい。

またヒト検体の収集において、被験者自ら検体採取してもらう場合には、痛みを伴わず非侵襲的であること、採取方法が簡単であることも重要な要素となります。血液採取は侵襲的なため、被験者の同意が得づらく、また採取にも技術が必要となります。

マウスウォッシュや口腔粘膜を綿棒で採取する方法は非侵襲的で、採取方法が簡単ですが、核酸の収量が少ないという課題があります。そのため、現在では唾液を垂らして採取する方法が多く用いられています。

核酸採取・保存試薬の選択チャート

どこから
(検体)
何の
(対象)
何を
(核酸)
推奨製品
動物組織・細胞、
細菌、植物 他
DNA
RNA
Gene Keeper RNA & DNA stabilization solution
唾液
ヒト
DNA
Oragene®・Discover (OGR-600)
スポンジ付
Oragene®・Discover (OGR-675)
RNA
Oragene®・SALIVA(OMR-610)
動物
DNA
スポンジ付
PERFORMAgene™ (PG-100)
細菌・ウイルス
(ヒト)
DNA
OMNIgene®・ORAL (OM-501)
DNA
RNA
OMNIgene®・ORAL (OM-505)
歯茎
歯垢
スワブ付
OMNIgene®・ORAL (OMR-110)
舌上
スワブ付
OMNIgene®・ORAL (OMR-120)
膣内
スワブ付
OMNIgene®・VAGINAL (OMR-130)
皮膚
DNA
スワブ付
OMNIgene®・SKIN (OMR-140)
糞便
スティック付
OMNIgene®・GUT (OMR-200)
動物
スティック付
PERFORMAbiome™・GUT