夾雑物の多い生体由来サンプルから糖鎖を精製可能

住友ベークライト 糖鎖精製ラベル化キットBlotGlyco®

BlotGlyco™ beads
BlotGlyco™ beads
*HZ: -NHNH₂

本製品は、糖鎖捕捉用ポリマービーズのヒドラジド基と糖鎖末端のアルデヒド基が化学的に結合することで、生体組織や天然物などの夾雑物を多く含む生体由来サンプルから糖鎖のみを選択的に捕捉・精製することが可能です。
バイオ医薬品の糖鎖修飾解析のみならず、糖鎖バイオマーカー探索やステムセルグライコミクスの研究にも幅広くご活用いただけます。

特長

  • 夾雑物を多く含む生体由来サンプル (血清、細胞、組織など) の糖鎖精製が可能
  • SDS-PAGEゲルバンド中の糖鎖解析が可能
  • 1つのチューブ内で精製とラベル化を約5時間で完了

用途

  • バイオ医薬品の糖鎖修飾解析 (研究開発・品質管理)
  • 幹細胞の糖鎖解析
  • 生体試料由来バイオマーカー探索
  • 電気泳動バンド内糖鎖解析 (プロテオミクス)

糖鎖は細胞の多様な機能や疾患のバイオマーカーとして重要ですが、従来の解析法では複雑なN型糖鎖の正確な解析が困難でした。HPLC, LC-MSなどで正確な糖鎖解析を行うためには精製度の高いサンプル調製が重要です。

キット構成

メーカー
コード
品名 ポリマー
ビーズ
反応用
チューブ
クリーンアップ
カラム
操作
プロトコル
BS-45408 BlotGlyco® 100C 100回分 - - 1冊
BS-45409 BlotGlyco® 100D 100回分 - 100本 1冊
BS-45410 BlotGlyco® 200C 200回分 - - 1冊
BS-45411 BlotGlyco® 100E 100回分 100本 - 1冊
BS-45414 BlotGlyco® 10B 10回分 10本 10本 1冊
BS-45415 BlotGlyco® 50B 50回分 50本 50本 1冊
BlotGlycoキット構成

BlotGyco®を用いた糖鎖精製のフロー

Hz (ヒドラジド基)を高密度に含有した糖鎖補足用ポリマービーズと糖鎖末端のアルデヒド基との化学結合を利用して生体組織や天然物など夾雑物を多く含む生体由来サンプルから糖鎖だけを精製し、ラベル化を可能にします。

BlotGyco®を用いた糖鎖精製のフロー

  • ポリマービーズのヒドラジド基と糖鎖末端のアルデヒド基との化学結合を利用して糖鎖を精製します。したがって、ペプチドなどの夾雑物が含まれていても効率よく糖鎖を精製することができます。
  • サンプルのタンパク質をトリプシン消化でペプチド断片化し、N-グリコシダーゼの効率を最大にすることができます。これによりタンパク質の糖鎖を網羅的に回収・分析することが可能です。

生体由来サンプル中の糖鎖解析例

BlotGlyco生体由来サンプル中の糖鎖解析例 脳組織中N型糖鎖
BlotGlyco生体由来サンプル中の糖鎖解析例 脳脊髄液中N型糖鎖
BlotGlyco生体由来サンプル中の糖鎖解析例 血清中N型糖鎖
  • BlotGlyco®の特性により、夾雑物を多く含む生体由来サンプル (血清、細胞、組織など) からの糖鎖サンプル前処理が可能です。
  • 直接的なN-グリコシダーゼ反応による糖鎖遊離が困難なバイオロジクスの糖鎖分析 (例:ある種のFc融合タンパク質の糖鎖、IgGのFab領域の糖鎖) にも対応します。

論文紹介

Makino R, Natsuka S (2025) PLoS One 20(12): e0336565. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0336565

迅速かつ簡便で高精度な糖鎖分析を指向したN型糖鎖調製法の最適化

背景

糖鎖は、細胞の状態を極めて鋭敏に反映するため、疾患の早期発見や診断のためのバイオマーカーとして期待されています。しかし、糖鎖分析は従来から技術的な課題が多く、その複雑さや時間的コストに加え、有害な化学物質を使用する従来の糖鎖調製法が、学際的な応用や広範な研究の障壁となっていました。

本研究の成果

著者らは、効率的な糖鎖バイオマーカーの探索を指向し、簡便‧高精度、かつ高スループットでのサンプル処理が可能なN型糖鎖分析法の開発に取り組みました。
本論文では、糖鎖の標識化法としてピリジルアミノ化 (PA化) を利用しています。この伝統的な蛍光標識技術により、逆相LC/MS (液体クロマトグラフィーと質量分析) のプロセスにおいて、N型糖鎖の異性体分離効率を大幅に向上させることが可能です。また、糖鎖の遊離および精製に関して、複数の手法を比較検討した結果、Rapid PNGase F (New England Biolabs) とBlotGlyco® (住友ベークライト) が最適な選択肢であると判断されました。特にBlotGlyco®法によりアーティファクトピークの発生を低減し、より正確な糖鎖構造の解析が可能になりました。最適化したワークフローを適用し、ヒト血清、ヒト尿、CHO-K1膜画分の糖鎖プロファイルを分析したところ、それぞれのサンプルタイプに特異的なN型糖鎖構造を効果的に分離‧定量することができました。
本論文は、糖鎖分析の技術的課題を解決する手法を提供し、多様な試料に対応可能であることを示しています。この手法は、疾患バイオマーカーの発見や糖鎖が関与する生物学的メカニズムの解明において、広範な応用が期待されます。また、糖鎖分析の普及を促進することにより、生命科学分野における糖鎖研究の発展に寄与するものと期待されます。

詳細は 論文 をご参照ください。

BlotGlycoとHPLCの組み合わせにより精緻な糖鎖分析が可能

Fig. BlotGlycoとHPLCの組み合わせにより精緻な糖鎖分析が可能

参考文献

  1. Ozawa Y, et al. Time-of-Day Differences in the Plasma N‑Glycome of Normal and Obese Mice and the Effects of Dapagliflozin Administered in the Morning or at Night., Journal of Proteome Research., 25, 5(2026): 2558–2568.
    https://doi.org/10.1021/acs.jproteome.6c00081
  2. Feleke DG, et al. Upregulation of Sulfated N-Glycans in Serum as Predictive Biomarkers for Early-Stage Breast Cancer., International Journal of Molecular Sciences., 26, 11 (2025):4968.
    https://doi.org/10.3390/ijms26114968
  3. FURUKAWA J, et al. Comprehensive approach to structural and functional glycomics based on chemoselective glycoblotting and sequential tag conversion., Analytical chemistry., 80, 4(2008): 1094-1101.
    https://doi.org/10.1021/ac702124d
  4. Shimaoka H, et al. One-pot solid-phase glycoblotting and probing by transoximization for high-throughput glycomics and glycoproteomics., Chemistry - A European Journal., 13, 6(2007) :1664-73.
    https://doi.org/10.1002/chem.200601613
  5. Miura Y., et al. Rapid and Simple Solid-Phase Esterification of Sialic Acid Residues for Quantitative Glycomics by Mass Spectrometry., Chemistry - A European Journal., 13, 17(2007) :4797- 4804
    https://doi.org/10.1002/chem.200601872

FAQ

どのようなサンプルから糖鎖分析ができますか?
精製された糖タンパク質の他、血清、血漿、細胞、組織、電気泳動後のゲルなどから糖鎖分析を行った例がございます。
サンプル中の特定のタンパク質から糖鎖を捕捉・精製できますか?
免疫沈降やSDS-PAGEなどで、目的のタンパク質を分離いただく必要がございます。CBB染色可能なバンドについては、電気泳動後のゲルから直接糖鎖を捕捉精製する事が可能です。
どの位のサンプル量で、糖鎖を分析できますか?
Bovine IgGを用いた実験では、1 µ程度あればN型糖鎖の分析が可能です。細胞ですと、最低でも1 x 10<6>個程度の細胞数をご準備ください。
1回分のビーズで、どれだけの糖鎖を捕捉できますか?
マルトヘプタオースを用いた実験では、2 pmol~100 nmolの範囲で、糖鎖を定量的に捕捉できる事を確認しております。
糖鎖の回収率はどの程度ですか?
おおよそ60~70%程度です。糖鎖の分子量、分岐の度合い、末端フコースの有無は回収率に影響しないことを確認しています。但し還元末端の糖の種類は回収率に影響します。詳しくはお問い合わせください。
特定の糖鎖だけを捕捉精製できますか?
本製品は、還元末端を有する全ての糖鎖を捕捉精製します。特定の糖鎖だけを得たい場合には、本製品プロトコルとは別に分離精製を行う必要がございます。
糖鎖切り出し用の酵素はキットに含まれていますか?
糖鎖切り出し用の酵素は含まれておりません。PNGaseFなどの酵素をお客様にてご準備ください。
標識用の試薬はキットに含まれていますか?
PAや2ABなどの蛍光標識試薬はキットに含まれておりません。お客様にてご準備ください。
BlotGlyco®の有効期限は?
製造日から1年間有効です。

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糖鎖精製・ラベル化キット BlotGlyco®

夾雑物の多い生体由来サンプルから簡便に糖鎖を調製可能です。

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