抗MAP2抗体

MAP2 (Microtubule-associated protein 2)は微小管結合タンパク質の1つで、微小管に結合し、その安定化に寄与しています。主に神経細胞の細胞体および樹状突起に発現しており、神経科学の分野では神経細胞のマーカー(ニューロンマーカー)として広く用いられています。また成熟した神経細胞では軸索での発現がほとんど見られないことから、樹状突起と軸索を区別するときに樹状突起マーカーとして使用される場合もあります。

MAP2とは?

MAP2 (Microtubule-associated protein 2)は神経細胞に豊富に存在する微小管結合タンパク質で、主に微小管の安定化に寄与しています。同じファミリーとしてアルツハイマー病で有名なTauが知られています。MAP2は4つのアイソフォームが知られており、高分子量(280 kDa前後)のMAP2aとMAP2b、低分子量(70 kDa前後)のMAP2cとMAP2dが存在します1)。MAP2のN末端側にはProtein Kinase A (PKA)の調節サブユニットとの結合部位などを含む、Projection Domainがあり、C末端側にはMicrotubule-binding repeatsと呼ばれる微小管結合ドメインが存在します。なおMAP2の高分子量/低分子量は主にProjection Domainの長さの違いに由来します。

MAP2は主に神経細胞の細胞体および樹状突起に発現しており、神経科学の分野では神経細胞のマーカー(ニューロンマーカー)として広く用いられています。また成熟した神経細胞では軸索での発現がほとんど見られないことから、樹状突起と軸索を区別するときに樹状突起マーカーとして使用される場合もあります。また発現は弱いもののアストロサイトやオリゴデンドロサイト、精巣など神経細胞以外の細胞にも存在することが報告されています。

抗MAP2, モルモット

「抗MAP2, モルモット」はモルモットから得られたMAP2に対するポリクローナル抗体です2-11)。免疫組織染色の多重染色に使用可能です。

抗体情報

抗体種 ポリクローナル抗体
抗原 ラットMAP2 (全長)
免疫動物 モルモット
組成 抗血清
標識 未標識
交差性 マウス、ラット
アプリケーション 免疫組織染色(凍結切片) 1:500-1,500

アプリケーションデータ

免疫組織染色

免疫組織染色

動物種  マウス
部位   大脳皮質運動野
サンプル 凍結切片
抗体濃度 1:1,500

<データ提供>
京都工芸繊維大学 応用生物学系 宮田先生

免疫組織染色

動物種  マウス
部位   小脳
サンプル 凍結切片
抗体濃度 1:1,500

<データ提供>
京都工芸繊維大学 応用生物学系 宮田先生

参考文献

  1. Dehmelt, L. and Halpain, S.: Genome Biol., 6, 204(2005).
    The MAP2/Tau family of microtubule-associated proteins
  2. Taniguchi, Y. et al.: Cell Tissue Res., 343, 303(2011).
    Localization of plasminogen in mouse hippocampus, cerebral cortex, and hypothalamus
  3. Asai, H., Morita, S. and Miyata, S.: Cell Biochem. Funct., 29(8), 660(2011).
    Effect of pleiotrophin on glutamate‐induced neurotoxicity in cultured hippocampal neurons
  4. Mannari, T. et al.: Glia, 61(6), 957(2013).
    Astrocytic TRPV1 ion channels detect blood‐borne signals in the sensory circumventricular organs of adult mouse brains
  5. Hourai, A. and Miyata, S.: J. Neurosci. Res., 91(6), 757(2013).
    Neurogenesis in the circumventricular organs of adult mouse brains
  6. Morita, S. and Miyata, S.: Cell Biochem. Funct., 31(5), 400(2013).
    Synaptic localization of growth‐associated protein 43 in cultured hippocampal neurons during synaptogenesis.
  7. Morita, S. and Miyata, S.: Cell Biochem. Funct., 31(8), 668(2013).
    Accessibility of low-molecular-mass molecules to the median eminence and arcuate hypothalamic nucleus of adult mouse
  8. Morita, S. et al.: Cell Tissue Res., 359, 865(2015).
    Vascular endothelial growth factor-dependent angiogenesis and dynamic vascular plasticity in the sensory circumventricular organs of adult mouse brain
  9. Furube, E., Morita, M. and Miyata, S.: Cell Tissue Res., 362, 347(2015).
    Characterization of neural stem cells and their progeny in the sensory circumventricular organs of adult mouse
  10. Furube, E. et al.: Sci. Rep., 10, 2826(2020).
    Neural stem cell phenotype of tanycyte-like ependymal cells in the circumventricular organs and central canal of adult mouse brain
  11. Nambu, Y. et al.: Neurosci. Res., 173, 44(2021).
    Effects of leptin on proliferation of astrocyte- and tanycyte-like neural stem cells in the adult mouse medulla oblongata

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抗MAP2, モルモット (ポリクローナル抗体)

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