イオン化脂質 CL4H6
JSR社は北海道大学 原島 秀吉 教授、佐藤 悠介 助教との共同研究により、同グループで開発されたイオン化脂質 CL4H6 の製造技術を開発し、試験研究用途ライセンスの下、これを製造・販売いたします。
CL4H6 を用いた脂質ナノ粒子 (LNP) 製剤は、がん治療や遺伝子編集などの用途での利用が期待されます。
- 北海道大学による特許登録済
- ご購入頂く際には、JSR社と MTA の締結が必要です。
- 試験研究用途かつ医薬品開発目的の場合のみご提供が可能です。また医薬品用途での使用には、同大学とのライセンス契約が必要です。
試験研究用途以外にご使用された場合はいかなる保証も致しかねます。
イオン化脂質 CL4H6
イオン化脂質は、DNA、mRNA および siRNA などの核酸を保護し、標的部位へ送達するための 脂質ナノ粒子 (LNP) に使用されます。
LNP 内に内封された核酸は、酵素分解から保護されて標的細胞へと効率的に送達されます。導入された送達物は細胞内に放出され、機能を発揮します。LNP は、核酸をベースとした革新的な治療法への多大な可能性を秘めていることから、大きな注目を集めています。
北海道大学大学院 原島秀吉教授、佐藤悠介助教らが開発した 機能性脂質 CL4H6 を用いた LNP は、mRNA ワクチン・医薬品、核酸医薬、ゲノム編集 等様々な用途で優れた性能を発揮することが論文等で報告されています。
CL4H6 を用いた LNP 製剤の作製手順
Step 1. | 各脂質 (CL4H6、リン脂質、PEG 脂質、コレステロール) のエタノール溶液と、核酸水溶液を用意します。 |
---|---|
Step 2. | 適当な機器 (マイクロ流路デバイス、ミキサー等) によって脂質溶液と核酸水溶液を混合します。 |
Step 3. | 透析を行いエタノールを除去します。必要に応じてフィルター等でサイズ選別を行います。 |
参考/ 北海道大学 薬剤分子設計学研究室 Sato Y. Harashima H. et al., J. Control. Release, 325, 235-248 (2020)
CL4H6 を用いた LNP 製剤の基本性能
各種核酸を内包した LNP を作成し、 Cryo-TEM 観察や核酸内包率、粒径の長期安定性を評価しました。
CL4H6-LNP の Cryo-TEM 像
FLuc mRNA LNP(1929nt)
FⅦ siRNA LNP
mRNA や siRNAなど種々の核酸を内包可能
CL4H6-LNP の各鎖長の mRNA 内包率
mRNA | EGFP (996nt) |
FLuc (1929nt) |
Cas9 (4521nt) |
---|---|---|---|
核酸内包率 | 93% | 90% | 86% |
粒径 | 84 nm | 85 nm | 80 nm |
様々な鎖長の mRNA を内包可能
siRNA を内包した CL4H6-LNP の粒径の経時変化 (@ 4℃)
150日を超えて粒径を維持
CL4H6 を用いた LNP 製剤の毒性評価
CL4H6-LNP をマウスに投与し、体重モニタリングおよび血液学的パラメーターを測定しました。
全身毒性 (体重モニタリング)
全身毒性認めず
肝毒性 (血液学的パラメーター測定)
肝毒性関連のパラメーター認めず
出典/ 北海道大学 薬剤分子設計学研究室 Sato Y. Harashima H. et al., J. Control. Release, 295, 140-152 (2019)
期待される用途
DLin-MC3-DMA (CAS RN®:1224606-06-7) および CL4H6 の FVII ノックダウン効率を比較しました。
また、がん免疫療法や遺伝子編集への応用が期待される研究結果も得られています。
CL4H6-LNP を用いた FVII ノックダウン効率
従来技術より優れたノックダウン効率 (ED50 0.0025 mg/kg)
出典/ 北海道大学 薬剤分子設計学研究室 Sato Y. Harashima H. et al., J. Control. Release, 295, 140-152 (2019)
CL4H6 を用いた siRNA 内包 LNP 製剤によるがん免疫療法
LNP 投与後の腫瘍組織サイズ
腫瘍組織が縮小
出典/ 北海道大学 薬剤分子設計学研究室 Sato Y. Harashima H. et al., J. Control. Release, 325, 235-248 (2020)
CL4H6 を用いた mRNA 内包 LNP 製剤によるがん免疫療法
LNP 投与後の腫瘍組織サイズ
腫瘍組織が縮小
出典/ 北海道大学 薬剤分子設計学研究室 Sato Y. Harashima H. et al., Pharmaceutics, 14, 1572 (2022)
CL4H6 を用いたリボ核タンパク内包 LNP 製剤による遺伝子編集
LNP 投与後の血中 TTR 濃度
血中 TTR 濃度が80%減少
肝臓内 TTR 遺伝子編集効率
70%の編集効率
出典/ 北海道大学 薬剤分子設計学研究室 Sato Y. Harashima H. et al., J. Control. Release, 355, 406-416 (2023)
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