アンモニア測定キット

アンモニアは肝臓のオルニチン回路で尿素に変換され、腎臓を経て尿中に排出されます。血液中のアンモニアを測定することで肝臓の機能を調べることが可能です。ラボアッセイ™ アンモニアは、藤井・奥田法変法を用いて、全血、血清、血漿中のアンモニアを測定するキットです。マイクロプレートを用いて短時間かつ簡便に検体中のアンモニアを測定することができます。

アンモニアとは?

アンモニアは主に肝臓、腎臓、腸管で発生し、その多くはアミノ酸の分解によるものです。アンモニアは生体において有害な物質であるため、迅速に無毒化する必要があります。発生したアンモニアの多くは再利用されますが、一部のアンモニアは尿素に変換され、腎臓を経て尿中に排出されます。

哺乳類の場合、アンモニアから尿素への変換は肝臓のオルニチン回路(尿素回路)で行われています(図1)。血液中のアンモニアを測定することで肝臓の機能を調べることが可能です。特に重症の肝疾患において血中アンモニアは高値を示します。

図1 肝臓におけるアンモニアから尿素への変換 (オルニチン回路)

アンモニアの測定方法

当社取り扱いのラボアッセイ™ アンモニアは、藤井・奥田法変法1)を採用しています。本手法はインドフェノールを生成するベルテロー(Berthelot)反応の一種です2)。本測定キットによりアンモニアをマイクロプレートで簡便に測定することができます。

藤井・奥田法変法の原理

試料に除タンパク試液を加えることにより、呈色阻害成分を除去すると同時に試料中の諸酵素を失活させます。この上清にフェノールと反応触媒であるペンタシアノニトロシル鉄(III)酸ナトリウム(ニトロプルシッドナトリウム)を加え、さらにアルカリ性としたのち、次亜塩素酸ナトリウムで酸化すると、インドフェノールを生成し青色を呈します。この青色の吸光度を測定することにより試料中のアンモニア窒素濃度を求めます(図2)。

藤井・奥田法変法を用いたアンモニアの測定原理
図2 藤井・奥田法変法を用いたアンモニアの測定原理

ラボアッセイ™ アンモニア

ラボアッセイ™ アンモニアは、藤井・奥田法変法を用いて、全血、血清、血漿、細胞培養上清のアンモニアを測定するキットです。マイクロプレートを用いて簡便に検体中のアンモニアを測定することができます。
※ ラボアッセイ™ シリーズは研究用試薬です。診断用に使用することはできません。

キット性能

動物種 ヒト、マウス、ラット、イヌ、ネコ
検体 全血、血清、血漿、細胞培養上清
検量線範囲 100-400 μg/dL
検体量 70 μL
測定時間 約70分
測定波長 630 nm
※ 測定可否は培地によって異なります。細胞培養上清を検体として使用する場合には、あらかじめ使用する培地について添加回収試験や希釈直線性試験を行ってください。

参考文献

  1. 奥田拓道, 藤井節郎: 最新医学, 21, 622(1966).
  2. 南原利夫: 分析化学, 16(1), 86(1967).
    臨床化学分析に用いる呈色反応の機構

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