CIL社 標識アミノ酸
がん細胞内ではさまざまな代謝経路において変化がおきます。これらを解明することにより、分子レベルで何がおきているかを理解し、新たな創薬ターゲットに繋がることが期待できます。 CIL社では、重水素(D)や13C・15Nなどで安定同位体標識したアミノ酸を豊富に取り揃えていますので紹介します。
グルタミントレーサー
がん細胞ではグルタミン代謝が亢進していることがよく知られています。グルタミンはグルタミン酸を介して、細胞分裂に必要な代謝中間体やエネルギー供給源となるTCAサイクル中間体・他アミノ酸・脂質・脂肪酸などの生合成原料となります。
また、グルタミン・グルタミン酸は、セリン・アラニン・アスパラギン酸・アスパラギン・プロリン・アルギニンといったアミノ酸の窒素供給源としての役目があります。安定同位体トレーサーを用いたグルタミン代謝の追跡は、がんが代謝をどのように変化させるかを明らかにするのに役立ちます。
分岐鎖アミノ酸トレーサー
分岐鎖アミノ酸(BCAA)はロイシン・バリン・イソロイシンといった分岐脂肪族側鎖を持つアミノ酸を指し、いずれも必須アミノ酸となっています。生体内においてはたんぱく質合成だけでなく、ステロール・ケトン体・グルコースなどの生合成原料としても用いられます。また、ロイシンはmTOR経路にも影響を与えるシグナル伝達分子としての役割もあります。
非常に多くの生体物質やシグナル伝達経路で使用されているため、これらアミノ酸のがん代謝における役割を理解することに関心が集まっています。
セリントレーサー
がん細胞ではセリン代謝が通常と異なる事が知られています。セリンはグリシン・システイン・ポルフィリン・ヌクレオチド塩基・スフィンゴ脂質など多くの生体物質の前駆物質であり、炭素プールとしての働きもあります。
このようにセリンは多くの化合物と密接に関与しているため、その代謝を理解することは重要です。
アルギニン関連トレーサー
がん細胞内の代謝が尿素サイクルへ及ぼす意義は、まだ十分に解明されていません。尿素サイクルの主な役割は、窒素化合物を尿素の形で除去することです。また、尿素サイクルの中間体であるオルニチンは、細胞増殖に使われるポリアミンを生合成するために使われます。
がんの代謝に利用されるアルギニンを制御することで薬剤の標的となり、症状改善への道筋が開かれる可能性があります。
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分岐鎖アミノ酸
セリン
アルギニン関連
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