ShodexⓇ HILICpakⓇ VN-50
ShodexⓇ HILICpakⓇ VN-50はポリマー系のHILIC用カラムで、ジオール基の導入により充てん剤表面の親水性を高め、HILICモード分離を実現しています。サイズ排除モードや従来のHILICカラムでは分離が不十分なオリゴ糖などのオリゴマー分離に適しています。
特に、本カラムを用いたHILICモード分離は、オリゴ核酸の分析において注目を集めています。核酸医薬品の開発や品質管理に重要なオリゴ核酸の分析では、従来イオンペア逆相モードやイオン交換モードが多用されていますが、前者はイオンペア剤が装置に残留しやすいという問題があり、後者は溶出に高濃度の塩が必要なためMS検出への適用が難しいとされています。
本カラムを使用したHILICモード分離では、イオンペア剤と高濃度の塩が不要な条件で、鎖長違い/塩基配列違い/ホスホロチオエート化有無など微妙に異なるオリゴ核酸を分離することができ、装置を汚さずに高感度・高選択性のLC/MS分析を実現します。
特長
- ジオール基の導入により充てん剤表面の親水性を向上
- サイズ排除モードや従来のHILICカラムでは分離が不十分なオリゴマー分離に好適
- イオンペア剤、高濃度の塩が不要のHILICモード条件で各種オリゴ核酸を分離可能
- 装置を汚さずにオリゴ核酸のLC/MS分析を実現
20merオリゴDNAのLC/UV/MS分析
2-20merまで鎖長に応じたオリゴDNA分析が可能!
HILICpakⓇ VN-50 2Dを用いて未精製オリゴDNA合成品のLC/UV/MS測定を検討したところ、50 mMギ酸アンモニウム水溶液とアセトニトリルのグラジエント溶出により2merから主成分である20merまで良好な分離が得られました。さらにMSでの検量線の直線性が高く、高感度で選択性の高い定量も可能であることが確認できました。本条件はイオンペア剤が不要で、また高濃度の塩を移動相に添加する必要もないため、オリゴ核酸のLC/MS分析に適しています。
【分析条件】
試料 : 未精製合成オリゴDNA ATACCGATTAAGCGAAGTTT 1 µL (2.2 mg/mL)
カラム : Shodex HILICpakⓇ VN-50 2D, 2.0 mmI.D.×150 mm
カラム温度:40℃
移動相 :(A)50 mM HCOONH4 aq./ (B) CH3CN
リニアグラジエント (B%) 60%(0 to 10 min), 60% to 55%(10 to 15 min), 60%(15 to 20 min)
流量 : 0.2 mL/min
検出器 : UV 260 nm, ESI-MS(SIM Negative)
20merオリゴDNAの不純物分析 - 塩基配列違い
20merオリゴDNAの塩基配列違いによる分離検出が可能!
アンチセンス核酸などに代表される核酸医薬品の開発や品質管理では、目的の合成オリゴ核酸から可能な限り不純物を分離する分析法の開発が求められています。ここでは、HILICpakⓇ VN-50 2Dを用いて20merの目的オリゴDNAと3つの塩基配列違い(各1~3か所)のオリゴDNAについてLC/UV/MS分析を行いました。導入された塩基の種類が異なると試料の親水性が変わるため、HILICモードにより各合成オリゴDNAが分離検出されることが確認されました。
【分析条件】
試料 : 未精製合成オリゴDNA 1 µL
1. 20mer, ATACCGATTAAGCGAAGTTT
2. 20mer, ATACCGATTAAGCGAATTTT
3. 20mer, ATACCGATTAAGCTAATTTT
4. 20mer, ATACCGATTAATCTAATTTT
カラム : Shodex HILICpakⓇ VN-50 2D, 2.0 mmI.D.×150 mm
カラム温度:60℃
移動相 :(A)50 mM HCOONH4 aq./ (B) CH3CN
リニアグラジエント (B%) 62% to 56%(0 to 10 min), 56%(10 to 20 min), 56% to 62%(20 to 20.01 min), 62%(20.01 to 25 min)
流量 : 0.2 mL/min
検出器 : UV 260 nm, ESI-MS(SIM Negative)
20mer各種オリゴ核酸のLC/UV/MS分析による溶出比較
ホスホロチオエート化の有無とDNA/RNA違いによる分離検出が可能!
核酸医薬には、通常のオリゴ核酸よりも安定性が向上するホスホロチオエート化されたオリゴ核酸や、オリゴDNA以外にもオリゴRNAがよく用いられます。ここでは、HILICpak VN-50 2Dを用いて合成オリゴDNA、合成ホスホロチオエート型オリゴDNA、合成オリゴRNA、合成ホスホロチオエート型オリゴRNA についてLC/UV/MS測定を行いました。
HILICモードは基本的に親水性が高い試料ほど保持が強くなりますが、合成オリゴDNAは合成オリゴRNAよりも疎水性が高いため、保持が弱いことが分かります(ピーク1、3参照)。また、ホスホロチオエート型オリゴ核酸は、リン酸結合部分がすべてS化することで疎水性が高くなるため、非ホスホロチオエート型よりも保持が弱くなります(ピーク1、2およびピーク3、4参照)。
【分析条件】
試料 : 合成オリゴ核酸 1 µL (各0.1 mg/mL)
1. オリゴDNA 20mer, ATACCGATTAAGCGAAGTTT
2. 合成オリゴDNA-ホスホロチオエート修飾型 20mer, A*T*A*C*C*G*A*T*T*A*A*G*C*G*A*A*G*T*T*T
3. 合成オリゴRNA 20mer, AUACCGAUUAAGCGAAGUUU
4. 合成オリゴRNA-ホスホロチオエート修飾型 20mer, A*U*A*C*C*G*A*U*U*A*A*G*C*G*A*A*G*U*U*U
*はホスホロチオエート修飾を施した箇所
カラム : Shodex HILICpakⓇ VN-50 2D, 2.0 mmI.D.×150 mm
カラム温度:40℃
移動相 :(A)50 mM HCOONH4 aq.(pH9.8)/ (B) CH3CN
リニアグラジエント (B%) 64 to 56%(0 to 10 min), 56%(10 to 20 min), 56 to 64%(20 to 20.01 min), 64%(20.01 to 25 min)
流量 : 0.3 mL/min
検出器 : UV 260 nm, ESI-MS(SIM Negative)
製品一覧
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