富士フイルム和光純薬のStatement
当社では、医薬品原料のStatementを発行し、製品に関する基本情報に加え、医薬品製造時のリスク管理に関する情報を提供しております。ここではStatement内に記載している内容を一部ご紹介します。Statementは、各製品ページから入手可能です。
- 製品概要:一般名、CAS RN® 、製品名、製品コード、製造管理基準、規格
- 製品情報:原産国、由来、BSE/TSE、遺伝子組み換え原料(GMO)の使用、アレルギー物質の使用、高生理活性物質の使用、ニトロソアミン、メラミン
- 不純物情報
表紙サンプル
不純物データサンプル
元素不純物
医薬品中の元素不純物は、合成過程の触媒のように意図的に添加されたものの残留物、天然由来不純物、製造機器や容器/施栓系からの混入物など、さまざまなものに由来します。元素不純物ガイドライン(ICH Q3D)では、元素不純物は患者に対して治療上のベネフィットを何らもたらさないことから、その製剤中に残存する量は許容限度値内に管理されるべきとされています。
第十八改正日本薬局方ではICH Q3Dが取りこまれ、元素不純物の管理が要求される事となりました。これに記載されている元素は、毒性と製剤中への存在可能性に基づいて3つのクラスに分類され、各元素の許容一日暴露量(PDE(permitted daily exposure:許容一日暴露量) 値)が設定されています。
クラス 1:ヒトに対する毒性の高い元素
クラス 2:クラス1の元素よりも毒性が低く、投与経路に依存してヒトに対する毒性を発現する元素
・クラス2A:天然に存在し、製剤中に存在する可能性が高い元素
・クラス2B:天然に存在する可能性が低い元素
クラス 3:経口投与による毒性が比較的低い元素
残留溶媒
医薬品中の残留溶媒は、原薬又は医薬品添加物の製造工程あるいは製剤の製造工程で使用されるか生成する揮発性有機化学物質と定義されます。
医薬品の残留溶媒ガイドライン(ICH Q3C)において、それらの溶媒は人の健康に及ぼし得るリスクに基づいて3つのクラスに分類されています。
クラス1:医薬品の製造において使用を避けるべき溶媒
クラス2:医薬品中の残留量を規制すべき溶媒
クラス3:低毒性の溶媒
日本薬局方では第十七改正日本薬局方より、このICH Q3Cに基づく残留溶媒管理が取り込まれました。
GMO
GMOとは、Genetically Modified Organismの略称で、遺伝子組換え生物(動物、植物、微生物)のことを指します。遺伝子組換え技術は、作物に良く利用されており、生物から取り出した有用な性質を持つ遺伝子を、植物などの細胞の遺伝子に組み込むことで新たな性質を付与する技術です。この性質には病害虫への抵抗性、特定の除草剤への抵抗性、生産性の向上などがあり、食糧問題や環境問題の解決に期待されています。
安全性について、日本で遺伝子組み換え食品を利用するためには食品衛生法や食品安全基本法に基づいた評価か行われている必要があります。試験方法が科学的に適切か、データの不足はないか等、専門家による研究やチェックが行われており、市場に流通している遺伝子組換え作物は安全性が確認されています。
アレルギー
食物を摂取した際、本来は害ではないはずの食物に含まれる物質を体が異物として認識してしまい、防御のために過敏な反応を起こすことがあります。この物質をアレルゲン、この反応を食物アレルギーと言います。この食物アレルギーを持つ方の被害を防ぐために、過去の健康危害等の程度や頻度を考慮した特定原材料が定められています。
医薬品には表示義務はありませんが、当社では最終製品への影響を評価していただくために、下記に示す特定原材料等28品目とラテックスについて、意図的な使用があったか、同一ラインでの使用の有無等について製品ごとに調査し、情報提供を行っています。
特定原材料等28品目
- • えび
- • かに
- • 小麦
- • そば
- • 卵
- • 乳
- • 落花生(ピーナッツ)
- • アーモンド
- • あわび
- • いか
- • いくら
- • オレンジ
- • カシューナッツ
- • キウイフルーツ
- • 牛肉
- • くるみ
- • ごま
- • さけ
- • さば
- • 大豆
- • 鶏肉
- • バナナ
- • 豚肉
- • まつたけ
- • もも
- • やまいも
- • りんご
- • ゼラチン