残留溶媒試験用 溶媒

医薬品中の残留溶媒は、医薬品中の残留溶媒ガイドライン(ICH Q3C)において、人の健康に及ぼし得るリスクに基づいてクラス1~クラス3に分類され、厳密に管理されています。医薬品残留溶媒の試験法は、日本薬局方や米国薬局方(USP)で、ヘッドスペースガスクロマトグラフ法(HS-GC)を用いた高感度な分析法が規定されていますが、市販溶媒の中には他の不純物溶媒が残留しているものもあり、溶媒ピークが検出された際、それがサンプル由来か溶媒由来かがわからず、正しい結果が得られないことがあります。当社の「残留溶媒試験用」溶媒は、溶媒中の低沸点化合物を低減し、保証した製品群です。ICH Q3C クラス1~クラス3収載の残留溶媒を保証した製品群(ICH Q3C試験用)と、当社で選定した4種の残留溶媒を保証した製品群の2タイプを取り揃えております。

残留溶媒試験用
(ICH Q3C試験用)
残留溶媒試験用
保証溶媒種 ICH Q3C クラス1~3収載の溶媒種 当社で選定した4種の溶媒種
(アセトン、エタノール、メタノール、ヘキサン)

※一部保証外の溶媒種もございます。詳細は規格書をご確認ください。

残留溶媒試験用 (ICH Q3C試験用)

溶媒に含まれる低沸点化合物を低減!

ICH Q3C クラス1~3収載の残留溶媒 59種類を保証!

残留溶媒試験用の保証溶媒種に加え、クラス1~3収載の下記溶媒種を保証しています。

クラス1 (1 ppm以下)

四塩化炭素 1,2-ジクロロエタン 1,1-ジクロロエテン 1,1,1-トリクロロエタン ベンゼン

クラス2 (10 ppm以下)

アセトニトリル エチルベンゼン 2-エトキシエタノール o-,m-,p-キシレン クメン
クロロベンゼン クロロホルム 1,4-ジオキサン シクロヘキサン シクロペンチルメチルエーテル
1,2-ジクロロエテン ジクロロメタン N,N-ジメチルアセトアミド N,N-ジメチルホルムアミド 1,2-ジメトキシエタン
スルホラン テトラヒドロフラン テトラリン 1,1,2-トリクロロエテン トルエン
ニトロメタン ピリジン t-ブチルアルコール ヘキサン メタノール
メチルイソブチルケトン メチルシクロヘキサン N-メチルピロリドン メチルブチルケトン 2-メトキシエタノール

※ エチレングリコール、ホルムアミドは保証していません。

クラス3 (50 ppm以下)

アセトン アニソール エタノール ぎ酸エチル 酢酸
酢酸イソブチル 酢酸イソプロピル 酢酸エチル 酢酸n-ブチル 酢酸プロピル
酢酸メチル ジエチルエーテル ジメチルスルホキシド 1-ブタノール 2-ブタノール
t-ブチルメチルエーテル 1-プロパノール 2-プロパノール ヘプタン 1-ペンタノール
ペンタン メチルエチルケトン 2-メチルヒドロフラン 3-メチル-1-ブタノール 2-メチル-1-プロパノール

※ ぎ酸、トリエチルアミンは保証していません。

残留溶媒試験用

溶媒中の低沸点化合物を低減し、下記4種の溶媒種が0.1 ppm以下であることを保証した溶媒です。

保証溶媒種 (0.1 ppm以下)

アセトン エタノール メタノール ヘキサン

※ 残留溶媒試験用(ICH Q3C試験用)とは保証溶媒種が異なります。

日本薬局方 2.46 残留溶媒1)

クラス1の溶媒 (医薬品の製造において使用を避けるべき溶媒)

溶媒 濃度限度値 (ppm) 使用を避ける理由
四塩化炭素 4 毒性及び環境への有害性
1,2-ジクロロエタン 5 毒性
1,1-ジクロロエテン 8 毒性
1,1,1-トリクロロエタン 1500 環境への有害性
ベンゼン 2 発がん性

クラス2の溶媒 (医薬品中の残留量を規制すべき溶媒)

溶媒 PDE (mg/day) 濃度限度値 (ppm) 溶媒 PDE (mg/day) 濃度限度値 (ppm)
アセトニトリル 4.1 410 テトラヒドロフラン 7.2 720
エチレングリコール 6.2 620 テトラリン 1.0 100
2-エトキシエタノール 1.6 160 1,1,2-トリクロロエテン 0.8 80
キシレン 21.7 2,170 トルエン 8.9 890
クメン 0.7 70 ニトロメタン 0.5 50
クロロベンゼン 3.6 360 ピリジン 2.0 200
クロロホルム 0.6 60 t-ブチルアルコール 35.0 3,500
1,4-ジオキサン 3.8 380 ヘキサン 2.9 290
シクロヘキサン 38.8 3,880 ホルムアミド 2.2 220
シクロぺンチルメチルエーテル 15.0 1,500 メタノール 30.0 3,000
1,2-ジクロロエテン 18.7 1,870 メチルイソブチルケトン 45.0 4,500
ジクロロメタン 6.0 600 メチルシクロヘキサン 11.8 1,180
N,N-ジメチルアセトアミド 10.9 1,090 N-メチルピロリドン 5.3 530
N,N-ジメチルホルムアミド 8.8 880 メチルブチルケトン 0.5 50
1,2-ジメトキシエタン 1.0 100 2-メトキシエタノール 0.5 50
スルホラン 1.6 160

※ 通常、60%のm-キシレン、14%のp-キシレン、9%のo-キシレン及び17%のエチルベンゼンの混合物

クラス2の溶媒の限度値設定のためのオプション

■オプション1
1日に服用される製剤の量を10 gと仮定した場合、下記の式を用いて濃度限度値(ppm)が計算される。

 

(PDE: mg/day、服用量: g/day)

1日服用量が10 gを超える製剤には、オプション2が適用される。

■オプション2
製剤の各成分中に存在する残留溶媒の量を加算する。1日当たり摂取する溶媒の量の合計は、PDE値以下でなければならない。

クラス3の溶媒 (GMP又はその他の品質基準により規制されるべき溶媒)

溶媒 溶媒 溶媒
アセトン 酢酸n-ブチル 1-プロパノール
アニソール 酢酸プロピル 2-プロパノール
エタノール 酢酸メチル ヘプタン
ぎ酸 ジエチルエーテル 1-ペンタノール
ぎ酸エチル ジメチルスルホシド ペンタン
酢酸 トリエチルアミン メチルエチルケトン
酢酸イソブチル 1-ブタノール 2-メチルテトラヒドロフラン
酢酸イソプロピル 2-ブタノール 3-メチル-1-ブタノール
酢酸エチル t-ブチルメチルエーテル 2-メチル-1-プロパノール

※クラス3の溶媒は、ヒトに対して低毒性と考えられる溶媒で、健康上の理由からは曝露限度値の設定は必要ない。いずれも、50 mg/day 以上のPDE値を持つ。

1) 厚生労働省「「日本薬局方」ホームページ」より

高気密保存びん

高気密保存びんは、溶液試料を保管する際に用いる、当社オリジナルデザインの高気密性試料保存びんです。揮発性溶媒の標準液試料の保存に最適です。

特長

    • 3ヶ月での溶媒重量減0.1%以下の高気密性
    • 温度変化による容器・キャップの収縮が無く、気密性に影響しない
    • サンプルとキャップの接触がない
    • 1 mL、2 mL、5mL、10mL の 4 サイズをラインナップ
    • 上部の採取口から、マイクロシリンジで直接採取可能

    ※アセトン 3ヶ月間の重量減

気密性試験結果

 高気密保存びん(10 mL)、A社同等品(10 mL)に、アセトン10 mL、ヘキサン10 mL、ジエチルエーテル10 mLをそれぞれ入れ、密栓後、室温放置及び冷凍(-20℃)保存。1週間~3か月目でそれぞれ質量を測定。

製品一覧

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残留溶媒試験用 (ICH Q3C試験用)

残留溶媒試験用

高気密保存びん

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    【試薬】
    試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
    試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
    【医薬品原料】
    製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
  • 表示している希望納入価格は「本体価格のみ」で消費税等は含まれておりません。
  • 表示している希望納入価格は本記事掲載時点の価格です。