薬理試験: 感染症関係試験

In vitro ヒトノロウイルス(HuNoV)消毒効果 評価サービス

富士フイルム富山化学株式会社
薬理試験: 感染症関係試験

In vitro ヒトノロウイルス(HuNoV)消毒効果 評価サービス

富士フイルム富山化学株式会社

富士フイルム富山化学では、ヒトノロウイルス(HuNoV)に対する消毒効果を評価するサービスを実施いたします。

HuNoVはヒト腸管内でしか感染増殖することができず、HuNoV自体を増殖させる試験方法がありませんでしたが、富士フイルムで同社開発の「ヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞(F-hiSIEC™)」を用いて、HuNoVゲノムの増殖に成功しました。
この試験系を用いて、消毒薬の評価、食品衛生評価に応用することが期待できます。

F-hiSIEC™についてはこちら

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当サービスの概要

  • HuNoV陽性便検体溶液をF-hiSIEC™に接種することで、感染性のあるウイルス粒子のみが細胞に感染する
  • 本培養系を用いて、HuNoVに対する消毒剤候補の効果を感染性のあるウイルス由来のRNAコピー数に基づいて評価する

F-hiSIEC™を用いたHuNoV消毒評価の概略図

F-hiSIEC™を用いたHuNoV消毒評価の概略図

F-hiSIEC™培養系におけるヒトノロウイルスのゲノム増殖結果

各種遺伝子型のHuNoV陽性便検体溶液を適宜希釈し、F-hiSIEC™に接種しました。接種0日後及び接種5日後に培養上清を回収し、ウイルスRNAコピー数をリアルタイムPCRにて定量しています。

ヒトノロウイルス遺伝子タイプごとのゲノム増殖結果

ヒトノロウイルスに対する消毒効果の評価例

F-hiSIEC™を用いたHuNoVに対する消毒評価系において、0.1%次亜塩素酸ナトリウム溶液は消毒活性を示しましたが、70%エタノールは消毒活性を示しませんでした。

70%エタノール vs 0.1% NaClOの消毒効果の評価
  • 消毒条件:消毒剤とウイルス液の混合比=3:1,室温,5分
  • 消毒剤中和条件:培地による100倍希釈
  • 中和後の反応液をF-hiSIECTMに接種・培養後,ウイルスRNAコピー数をリアルタイムPCRにて定量した。
  • 培養5日目のウイルスRNAコピー数について,control群と消毒剤処理群をDunnett’s multiple comparison testにて比較した。
  • 両側検定でp<0.05を有意差ありとし,有意差が認められた場合,消毒効果ありと判定した。
    *; p<0.05, N.S.;not significance.

データ引用元
Study of human norovirus proliferation method using commercial human iPS cell-derived small intestinal epithelial like cell, The 68th Annual Meeting of the Japanese Society for Virology Kobe, 16-18 Nov., 2021, P5-17.

当サービスをご検討のお客様へ

F-hiSIEC™を用いたHuNoV消毒評価のサービスには、お客様へ下記ご用意をお願いしています。

  • 消毒効果を測定する候補薬剤

ヒトノロウイルスの性質、消毒薬の開発状況

HuNoVはエンベロープタンパク質を持たないウイルスのため、脂肪酸塩を主成分とする石ケンを用いた手指洗浄では汚れ成分とともに効率的に洗浄されますが、アルコール系の消毒剤の塗布・散布では不活化できず、消毒効果はほぼ認められていません。HuNoVを不活化できるNaClO(次亜塩素酸ナトリウム)は食品添加物に登録されているため食品工場で使用できますが、手指への刺激は必ずしも低くなく、低い刺激性でHuNoVを不活化できる消毒液の開発が望まれています。またHuNoVはヒトの腸管でしか感染および増殖することができないため、現時点でHuNoV自体を増殖する試験方法はなく、HuNoVに対する消毒効果の評価には代替ウイルスを使用して行なわれています。代替ウイルスにはHuNoVと同じ科に属するネコカリシウイルスなどが活用されていますが、消毒剤に対する感受性が異なる可能性があります。

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