コントロール抗体
分子生物学の実験を行う場合、コントロールの設定が必須です。抗体を用いた実験の場合、IgGによる非特異的な反応を除外するために使用する正常IgGが陰性コントロールとして使用されます。また、ウエスタンブロット法などにおいては、実験系が成立しているかを検証するためにハウスキーピング遺伝子の検出を陽性コントロールとして設定します。当社は正常IgGやハウスキーピング遺伝子検出用抗体を幅広く取り揃えています。
学術コンテンツ
コントロール抗体にはアイソタイプコントロール抗体とローディングコントロール抗体があります。
アイソタイプコントロール抗体
アイソタイプコントロール抗体は、実験に使用している抗体に対するネガティブコントロールとして使用する抗体です。アイソタイプコントロール抗体を使用することで、免疫染色やフローサイトメトリーで得られたシグナルが特異的な抗原-抗体反応に由来するものなのか、検出したい抗原とは別のタンパク質に抗体が非特異的に結合したものなのかを判断することが可能です。
実験に使用している抗体 | アイソタイプコントロール抗体 | 判定 |
---|---|---|
+ | - | 目的の抗原を特異的に検出できている |
+ | + | 目的の抗原以外も検出している可能性が高い (非特異的なシグナルを検出している) |
アイソタイプコントロール抗体には検出したシグナル実験に使用している抗体と同じ動物種、同じアイソタイプ、同じ標識の抗体を選択します。
ローディングコントロール抗体
ローディングコントロール抗体は、ウエスタンブロッティングなどにおいて一連の操作が確実に実施されているかを確認したり、サンプル間のタンパク質量を比較する際に使用される抗体です。主にハウスキーピングタンパク質を検出する抗体が利用されています。
ローディングコントロール抗体の標的となるハウスキーピングタンパク質には、β-アクチンやα-チューブリン、β-チューブリン、GAPDH(Glyceraldehyde-3-Phosphate Dehydrogenase)などがあります。比較的多くの細胞に安定して発現しているタンパク質とされていますが、条件によっては細胞内の発現量が増加もしくは減少する場合があるので、実験系にあったローディングコントロール抗体を選択することが必要です。